60歳からの視覚能力

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左脳のほうが能率的な場合

2006-11-10 22:24:50 | 脳の議論

 図は水がめ問題という心理学ではポピュラーな問題だそうです。
 A,B,C三種類の容量の水がめを使って目標(D)の量を測れというものです。
 たとえば①の問題は14リットル、163リットル、25リットルという三つの水がめで99リットルを測れというものです。
 学校教育に慣れていない人なら、「変な問題だな、163リットルの水がめなんてあるのかいな。どういう意味の問題なんだろうか」と思うかもしれませんが、要求どうりどおりにやってみたとします。
 この問題は①から⑦までありますが、必ず上から順番にやっていくということになっています。

 ①の場合14リットルを何倍かして25リットルに足してみたり、163リットルから14リットルの何倍かを引いて見たりいろいろ考え、そのうち163リットルから25リットルを二回取ると113リットルになるので、これから14リットルを取れば99リットルになると考えつきます。
 ②の場合もアレコレやってみて42から9を引いて31、31から6の二倍の12を引いて21と答えが出ます。
 ③の場合は127から21を引いて106、106から3の二倍の6を引いて100と答えが出ると、要するにBからAを引いてさらにCの二倍を引けば答えが出るのだなと気がつきます。
 そうすると④から以下もこの方法でやればよいということで、実際計算すればOKということが確かめられます。
 
 ところが⑥の問題は、この計算法でなともくAからCを引けばよいので、簡単に答えが出ますし、さらに⑦はAとCを足せばよいので、ずっと簡単な問題です。
 はじめから⑥や⑦の問題からやれば気がついたのかもしれませんが、上から順番にやってくると同じパターンでやることに慣れ、他のうまいやり方に気がつかないのです。
 というのがこの問題の出題意図なのです。
 特定のパターンでやり続けると、常識的で易しい問題が出来にくくなったり、易しい問題が出来にくかったりするということを示そうというのです。
 いわば左脳偏重で頭を使っていると、常識で気がつきそうなことが分からなかったり、見落としたりするというのです。

 ところでこの問題はやりやすくするために、Bから目標のDを引いた数字(E)を出しておいて考えると楽です。
 ①は64は25の二倍と14で64ですからBからこれを引けばよい。
 ②は6の2倍と9で21
 ③は27は21と3の2倍ですが、3の9倍でもあります。
 ④も28は20と4の2倍ですが、4の7倍でもありますから、Bから4の7倍を引いても良いのです。
 このようにあつかう数字の数を減らす(三種類のかめで測る→二種類のかめではかる)ようにすれば計算が楽になり、この場合は③と④のように一目で分かるものも出てきます。
 つまりすべてに一定の操作を施しておけば問題の見通しが良くなるのです。

 同じパターンで問題を解いていると、うまいやり方があっても気がつかないといわれればやはり左脳に頼っていてはダメだななどとフト思わされますが、現実問題としては統一的なやり方を見つけるほうが有効です。
 問題ごとにうまいやり方を探してもよいのですが、一定のやり方で楽に出来ようにするるほうがやはりよいのです。
 うまいやり方を探してばかりいると全体の解決が遅れることもあるからです。