日々、土器実測(仮)

発掘された遺物の図化作業メインのお仕事ブログのはずが、日々の徒然・スピ話ばっかりになっちゃってる日記。

補強材

2009年05月30日 | 仕事
今日は一応休日ですが、日々実測していて気になる事を少し……。
補強材と云っても、充填剤のシャモットの事ではありません。
土器片の強度を保つため、広げる前にバインダー液と云うものに多分一晩、土器片を浸けておく
と云う事をするのですが、翌朝このバインダー液を洗い流して乾かしてから、本格的に接合に
繋がる作業へと流れて行きます。
このバインダー液ですが、洗い流しても、どうしても残ってしまう場合があります。
そうなると、そこだけテカテカして妙な厚みが出来たり、洗い切れなかった土が固まったままの
状態になったりします。
実測していて、この洗い残しの土が沈線の間にバインダー液で固まっているのを見ると、無性に
ほじくって取ってしまいたい衝動に駆られます(汗)。
この目詰まりが取れればすっきりする、そう云う感覚って、ありますよね?
でもバインダー液で補強されてしまった土は妙な粘性を持って結構固く、ちょっとやそっとじゃ
取れません。
無理をすると土器を痛めてしまうので、イラッとしながらもじっと我慢しています。
が、気になります、この隙間の土。
昨日も数か所そう云う沈線があって、取りたい、でも取れないと云う衝動と戦いました。
滅茶苦茶くだらないんですが、気になるとダメなんですよね、こう云うのって。
本当は土器洗いの時に気をつけるのが1番ですが、洗うのも簡単なようで結構大変。
柔らかい土器は溶け出してしまう事もあって、新たな磨滅を作る事にもなるので、ただ洗えばいいって
もんでもないんですよね。
扱っているものがものだけに、どんなに慣れても気を抜けるところがない作業の連続だなあと、改めて
思います。