徒然にふる里を語る

 一市井の徒として、生まれ育った「ふる里」嬬恋村への思いをつづります。

季節

2020-05-29 10:00:47 | Weblog

 午前4時半に床を離れ、5時前に家を出る。未だ陽は上らないが、大分明るくなった。何を考えるでもなく、道脇の草花を眺めながら歩く。そんな生活に慣れた。今朝は、昨夜の雨に加え、気温が下がったので、ツユクサが勢いづいている。

 ツユクサが目に付くようになると、昔なら田植えの季節となるのだが、我が家が米作りを止めて何年経つだろうか。戦後、開田した馬踏道という浅間押しの地帯で、米を作るのは多くの労力が必要だった。

 私は共働きだったので、二人で働いて給料を貰い、食味の良い米を買った方が合理的と思っていた。そこで、私が父親から家計を任されたのを機に、米作りを止めてしまった。月夜野産を始め、あちこちの米を食べたが、今は仲間と新潟の専業農家から買っている。

 我が家が米作りをしていた頃は、高冷地で水が冷たい環境の中で育つ嬬恋産は格下だったが、今では国際的な品評会で優秀な評価を得るまでになった。自然環境の変化と継続する農家の努力が報われたのだろう。

 家内などは嬬恋産に切り替えようか、などと言うが、もう貴重品で簡単には手に入らない。そうかと言って、今になって米作りを始めるわけにもいかない。先日、粘土を牛馬で運んで「田んぼ」を造った経験がある、と話したら、下の世代が笑っていた。

 私の子供の頃は、地域にとっても我が家にとっても、生きるために米の増産が優先課題だったのだ。そんな思いを残した田んぼも荒れている。ツユクサの季節に。

 今日の写真は深山で撮ったムラサキヤシオです。カラマツ林では場違いな存在でした。ツユクサの写真はいつか。

 

 

 

 


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