徒然にふる里を語る

 一市井の徒として、生まれ育った「ふる里」嬬恋村への思いをつづります。

こけし人形―後編

2020-07-07 10:38:25 | Weblog

 昨日は夕方から歯の治療で8時半過ぎに戻った。もう何回か通院しなければならないが、今まで放っておいた付けなので、それは仕方がない。キッチリ仕上げて貰う予定だ。

 梅雨空だと気が楽だが、陽が出てくると畑のことが気になる。今朝は雨が上がるのを待って畑に出た。キュウリが一気になり出した。この時期、一日、一日で作物が成長していく。1時間ほどで雨が降り出し、心残りながら家に戻った。

 昨日に続いて、私の高校生活のある物語きをお届けします。夏休みを終えて東京に戻るところです。この夏休み、約2週間、嬬恋西中学校男子バレーボール部の助手をしたことが印象に残っている。その時の1年生が3年になった夏、県大会の決勝まで進んだ、と記憶している。その生徒たちと一緒に野外キャンプをした写真が残っている。

 出たくて出た東京だが、気持ちの片隅には離れがたい嬬恋への想いがあったのかも知れない。

 

 こけし人形―後編

  玄関の戸を開ける。ベルが鳴る。誰もいないようだ。私は急な階段をのぼり3畳一間に入る。1ヶ月以上留守にしたので、埃っぽいと思っていたのだが、夏の空気が澱む事も無く、部屋はすっきりとしていた。大家の長女に、たまには窓を開けて空気を入れ替えておいて下さいと頼んでおいた。彼女が部屋に入っていいのかと聞くので、お願いしますと答えたものだ。部屋には机とコタツのテーブル位しかないので、誰に見られても平気である。

 階下でベルが鳴る。少し間があって、帰ったのと懐かしい声がした。私はバッグから土産の箱を取り出し階段を降りる。私が挨拶もしないうちに彼女が笑い出す。真っ黒に日焼けして元に戻ったじゃないと言う。確かに、強い紫外線を浴びて私の顔は3月に上京した当時に戻っていた。私は少しはにかみながら「こけし人形」の入った小さな箱を差し出す。長女が怪訝そうな顔をして何と尋ねる。上州のこけしで結構有名なんです、と私は答える。空気を入れ替えて貰ったお礼ですと付け加える。彼女が掃除もしておいたわよと笑う。

 一瞬の静寂。

  2006/12/03

 花識別アプリ2枚目 ハナショウブ(花菖蒲)アヤメ属の栽培品種 花の色は多数あり、絞りや覆輪の組み合わせを含めると5,000種類あると言われている。

 


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