全体で500枚を越す小説「鬼灯を遠くに投げて」の2回目の投稿をお知らせします。
今回分は30枚(400字換算)です。一気に読んでください。
>廊下中に当の家族を除いた隣人が出た。明子の狂った様を見た。包丁に握り拳、視線の座った先には隣人の戸口、両眼つり上がり方がピクピクと震えている。
その時明子は小さな子が寄り添ってくるのを感じた。娘のみどりである。ようやく歩けるほど、しかし必死に母親の後を追い膝に寄り添った<
(明子が騒音を立てる隣人と争うシーン)
>生けるこの世、苦しみの地獄を思い出すな(詩)
輪廻転生、宇宙の摂理
生まれ変われば前世の思い出
業火浄火で焼け燻りこめられ
かの世思い出すべては昇華し
今の世の父母兄弟を慈しむ
それが人生始まりなのに
生まれ変わったその日から
地獄の苦しみ思い返すな
その苦しみに耽溺するな
釜ゆでされたあの晩の星の瞬きに怒れ
から煎りされたあの時の明日の露を踏みつけろ
人間生きる今この世に吹く風だけが頼りなので
生きるために空を見上げよう<
地獄で釜ゆでされると決まったらこの詩を思い出してください。励みになります。
今回分は30枚(400字換算)です。一気に読んでください。
>廊下中に当の家族を除いた隣人が出た。明子の狂った様を見た。包丁に握り拳、視線の座った先には隣人の戸口、両眼つり上がり方がピクピクと震えている。
その時明子は小さな子が寄り添ってくるのを感じた。娘のみどりである。ようやく歩けるほど、しかし必死に母親の後を追い膝に寄り添った<
(明子が騒音を立てる隣人と争うシーン)
>生けるこの世、苦しみの地獄を思い出すな(詩)
輪廻転生、宇宙の摂理
生まれ変われば前世の思い出
業火浄火で焼け燻りこめられ
かの世思い出すべては昇華し
今の世の父母兄弟を慈しむ
それが人生始まりなのに
生まれ変わったその日から
地獄の苦しみ思い返すな
その苦しみに耽溺するな
釜ゆでされたあの晩の星の瞬きに怒れ
から煎りされたあの時の明日の露を踏みつけろ
人間生きる今この世に吹く風だけが頼りなので
生きるために空を見上げよう<
地獄で釜ゆでされると決まったらこの詩を思い出してください。励みになります。