蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

「鬼灯を遠くに投げて」の掲載開始

2008年10月20日 | 小説
HPに「鬼灯を遠くに投げて」の掲載開始しました。本日は序章と言える1(エンマが降りた)2(霊を証明するニュートン的考察、リンゴの落下) を掲載しました。あわせて原稿用紙22枚分です。ハイライトは

>あの晩には南野台の狸丘住宅団地にはヨッチャンが降りてきた。私はこの両腕で抱きしめてやった。オッパイも飲ませた。したらエンマが突然雷と共に降りてきた。エンマは「ヨッチャンは霊だ。それにオッパイ呑ませるのはけしからん」だってさ。そのうちにヨッチャンが格好良い若者に成長した。やっぱり私の子だね、見ているだけでほれぼれする若者に成長した<
(島田良子が幼くして死んだ子、ヨッチャンと巡り会ったシーン)

>腐敗する肉を超えて再生を願う人間共の祈り。しかし祈りは宇宙の調和に不均等を与えるだけの小賢しい欲望であって、実現されることはあり得ない。肉は再生、転生の輪廻、いわば宇宙の原理には組み込まれない、肉は一回だけ生存して死をむかえて滅する。肉の付属物である自我と精神は空中に消える。輪廻のからくり、地獄の業火に焙られでもがき転生するのは霊なのだ<

ここは小説のテーマです。肉と霊の分離、善と悪。善人が地獄、悪人は天国(エンマが最近換えた)と続きます。全体で550枚、週に50枚分を目標に年内一杯まで連載します。たまには左のブックマークからビジットしてください。

(縦書き、PDFです)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする