2011年度の最低賃金(時給)改定について、厚生労働省の中央最低賃金審議会小委員会は26日、全国平均で6円引き上げるとの目安を決めた。引き上げ額は昨年度の15円から9円減った。大半の地域の上げ幅は1~4円と小幅にとどめたが、最低賃金が生活保護水準を下回る9都道府県では原則として、それを大きく上回るアップを求めた。目安通りになれば、最低賃金の全国平均は現在の730円から736円になる。
最低賃金は、使用者が労働者に最低限支払わなければならない賃金の額。所得や雇用の「格差問題」の深刻化を背景に、昨年までの4年間は平均10円以上の引き上げが続いていた。
最低賃金の大幅アップを掲げる民主党が政権を取った後、昨年6月には労使代表らが「できるだけ早期に全国最低800円以上、20年までに全国平均1千円」を目指すことで合意。しかし、大震災や景気低迷の影響で、目安を決める際に重視される中小企業の賃金上昇率は今年、0.0%と低迷。使用者側が最低賃金アップに強く反対したため、引き上げの目安は小幅となり、目標達成は遠のいた。