クリスマス頃から天候が低気圧支配となっています。クリスマス時期には「今世紀最大級の低気圧」などと天気予報でも謳われていたほどです。
実際にクリスマス以降、北西部、北部、東部では雪が降り続け、また全国的に強風と低気温を保ってしまっています。びっくりするような低気温にはなりませんが、十分に「全国冷蔵庫」と命名してよいほどだと思います。
北西部、北部にはいわゆるフィヨルドが多いのですが、そのような場所では山が海岸線まで迫っていて、人が居住するのはその山裾と海の間の本当に猫の額のような平地に限られています。
相当量の積雪があると、このフィヨルドの山に雪が溜まり、それが雪崩となって海岸線に落ちていきます。この雪崩が人の居住する地域を襲ったらたままったものではありません。
1995年1月16日の早朝、北西部フィヨルド地域にある町スーザビークをこの雪崩が襲いました。当時のスーザビークは人口百人余りの小さな町(村)だったのですが、この雪崩で十四人の方が亡くなりました。その内八人が子供でした。
私はその当時まだアイスランドに来たばかり(三年目)でしたが、国中がこの事故を嘆き悲しんでいるのを見てびっくりしました。「びっくりした」というのは言葉が正しくないかもしれません。悲しい出来事であったことは確かですが、加えて国民の皆が心よりの哀悼の気持ちを表しているのを見て新鮮な驚き・感慨を感じた、と言った方がいいでしょう。
この小国では人の命はほんとうに貴重なものとして正しく計られています。良い悪いという論法を使うわけではありませんが、日本とは受け止め方に違いがあるのは事実だと思います。
ところがこの雪崩の直後(同じ日の夜)、日本では17日の明け方に起きたのが淡路阪神大震災でした。こちらの時間での17日の昼間の臨時ニュースで見た神戸地区からの映像にはショックを受けました。
私のそれまでの日本での生活の中では人が「何千」という単位で犠牲になった事件はありませんでした。もちろんそれは私の心にも重いものとなりました。
このスーザヴィークでの雪崩の出来事と淡路阪神大震災は、私の記憶の中では繋がっていて、考えるべきものを投げかけてきています。犠牲者の数の大きさが私たちの心に与える動揺というものをどのように考えるべきなのでしょうか?
さらに同じ年の十月、同じ北西部フィヨルドの町フラテイリでまた雪崩が起きました。今回は人口三百人の町で二十人が犠牲となりました。
そういうことがありましたので、今回のような積雪があると当局はかなり神経質になります。実際、このクリスマスからの時期にも雪崩があちこちで起きています。幸いに人の居住区には被害がありませんが、国道があちこちで寸断されています。
レイキャビクを含む南部地方では別の問題が浮上しています。それは溶けかけた雪が気温の低下で氷化してしまうという事態が広範な地域で起ってしまったことです。
行きつけのガスステーションのバックヤードもツルツル
この「スケートリンク化」は一見冗談のように思われるでしょうが、実際深刻な問題となっています。昨日のニュースでは数十人のツーリストの転倒事故が報じられています。
氷化したツルツル状態のことをHalka(ハウルカ)というのですが、担当大臣も「もう少しHalkaについての対策を検討しなくてはいけない」と述べていました。観光立国をめざす現在のアイスランドからしてみれば当然の見解でしょうね。
観光スポットだけでなく、庶民の足下も考えてくれよー!という気がします。この間、家から歩いて三分の所にあるスーパーに行こうと思って路上に出て後悔しました。何しろどこもかしこもツルツルなのです。怖かったー!
幸い札幌で買った「いざというときツメがひっくり返る冬用シューズ」を履いていたので、ツメを出してしのぎましたが、まさか家の真ん前でうろたえる羽目になるとは思いませんでした。これからこちらへの訪問を控えていらっしゃる方は、十分に気をつけてください。
こちらのスーパーでは靴の上から(実際には下から)被せるネット式のスパイクのようなものを売っていますが、日本でも北国の方ではそういうものを使うと思いますし、空港の売店などでも入手できるのではないでしょうか?お勧めのアイテムです。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
実際にクリスマス以降、北西部、北部、東部では雪が降り続け、また全国的に強風と低気温を保ってしまっています。びっくりするような低気温にはなりませんが、十分に「全国冷蔵庫」と命名してよいほどだと思います。
北西部、北部にはいわゆるフィヨルドが多いのですが、そのような場所では山が海岸線まで迫っていて、人が居住するのはその山裾と海の間の本当に猫の額のような平地に限られています。
相当量の積雪があると、このフィヨルドの山に雪が溜まり、それが雪崩となって海岸線に落ちていきます。この雪崩が人の居住する地域を襲ったらたままったものではありません。
1995年1月16日の早朝、北西部フィヨルド地域にある町スーザビークをこの雪崩が襲いました。当時のスーザビークは人口百人余りの小さな町(村)だったのですが、この雪崩で十四人の方が亡くなりました。その内八人が子供でした。
私はその当時まだアイスランドに来たばかり(三年目)でしたが、国中がこの事故を嘆き悲しんでいるのを見てびっくりしました。「びっくりした」というのは言葉が正しくないかもしれません。悲しい出来事であったことは確かですが、加えて国民の皆が心よりの哀悼の気持ちを表しているのを見て新鮮な驚き・感慨を感じた、と言った方がいいでしょう。
この小国では人の命はほんとうに貴重なものとして正しく計られています。良い悪いという論法を使うわけではありませんが、日本とは受け止め方に違いがあるのは事実だと思います。
ところがこの雪崩の直後(同じ日の夜)、日本では17日の明け方に起きたのが淡路阪神大震災でした。こちらの時間での17日の昼間の臨時ニュースで見た神戸地区からの映像にはショックを受けました。
私のそれまでの日本での生活の中では人が「何千」という単位で犠牲になった事件はありませんでした。もちろんそれは私の心にも重いものとなりました。
このスーザヴィークでの雪崩の出来事と淡路阪神大震災は、私の記憶の中では繋がっていて、考えるべきものを投げかけてきています。犠牲者の数の大きさが私たちの心に与える動揺というものをどのように考えるべきなのでしょうか?
さらに同じ年の十月、同じ北西部フィヨルドの町フラテイリでまた雪崩が起きました。今回は人口三百人の町で二十人が犠牲となりました。
そういうことがありましたので、今回のような積雪があると当局はかなり神経質になります。実際、このクリスマスからの時期にも雪崩があちこちで起きています。幸いに人の居住区には被害がありませんが、国道があちこちで寸断されています。
レイキャビクを含む南部地方では別の問題が浮上しています。それは溶けかけた雪が気温の低下で氷化してしまうという事態が広範な地域で起ってしまったことです。
行きつけのガスステーションのバックヤードもツルツル
この「スケートリンク化」は一見冗談のように思われるでしょうが、実際深刻な問題となっています。昨日のニュースでは数十人のツーリストの転倒事故が報じられています。
氷化したツルツル状態のことをHalka(ハウルカ)というのですが、担当大臣も「もう少しHalkaについての対策を検討しなくてはいけない」と述べていました。観光立国をめざす現在のアイスランドからしてみれば当然の見解でしょうね。
観光スポットだけでなく、庶民の足下も考えてくれよー!という気がします。この間、家から歩いて三分の所にあるスーパーに行こうと思って路上に出て後悔しました。何しろどこもかしこもツルツルなのです。怖かったー!
幸い札幌で買った「いざというときツメがひっくり返る冬用シューズ」を履いていたので、ツメを出してしのぎましたが、まさか家の真ん前でうろたえる羽目になるとは思いませんでした。これからこちらへの訪問を控えていらっしゃる方は、十分に気をつけてください。
こちらのスーパーでは靴の上から(実際には下から)被せるネット式のスパイクのようなものを売っていますが、日本でも北国の方ではそういうものを使うと思いますし、空港の売店などでも入手できるのではないでしょうか?お勧めのアイテムです。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com