レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

パウスカー来たー! パウスカー来るぞ!

2022-04-17 00:00:00 | 日記
Fridsaela paska! フリーズサイラ・パウスカ!

平和なイースターを! ということで復活祭のご挨拶です。今日、4月17日は西方教会(ローマンカトリックやプロテスタント教会)の復活祭の日曜日です。




今年はあえて「平和な復活祭を」とご挨拶
Myndin er eftir Easter©stockcreations | Dreamstime.com


普通の挨拶言葉はGledilega paskaグレージィレーガ・パウスカ「喜びのある復活祭を」なのですが、私個人は今年はFridsaela paskaに変えています。理由は言わずもがな。

ところで、ウクライナ正教会を含む東方教会(ロシア正教会やギリシャ正教会、その他)では、復活祭は今日ではなく、来週24日の日曜日となります。

日付がずれるのは、もともと復活祭は大陰暦を用いて決められていたので、毎年日付が移動する祭日、ということが基本にありました。その後、両教会がグレゴリウス暦を用い始めても、計算法とかで違いが生じるようです。

何度も調べたことがあるのですが、その度に忘れます。グーグればいつだかすぐわかるので、自分で調べる必要もないですしね。(退化!)

だいたいのところを言っておきますと、東方教会の復活祭は西方教会の一週間後になることが多いです。ただし、昨年は西方教会の4月4日に対して東方教会は5月2日でしたし、再来年の2024年は西方教会3月31日、東方は5月5日となり、かなりの「ズレ」が生じることもあります。

突っ込みたい方はウィキペディアでどうぞ。

計算方法については「コンプトゥス」を参照




ウクライナ正教会の復活祭ミサ
Myndin er ur Ukrinform.jp


私が現在居候しているブレイズホルトゥス教会では、毎年復活祭の日曜日は朝の8時からアイスランド語の礼拝があり、礼拝後に皆さんで朝食を摂ります。

その後、午後2時からは私と相棒のアニー牧師が担当する英語礼拝があります。一般的に復活祭の礼拝は朝早く持たれるものです。聖書のキリストの復活に関する記述が、早朝のものだからです。

私たちの英語礼拝が午後なのは、私が朝に弱いからです。というのはウソウソ。参加者の多くがバスを利用する人たちなので、朝早いと教会に来られないからです。復活祭には、バスの運行も遅く始まるのです。

さて、何度か書いてきていますように、私もアニーさんも、自分達の集会とは別に、ウクライナからの難民の人たちへのサポートを続けています。多のサポートは、教会の垣根を超えて、一般人たちとの共同作業です。現在の状況では「教会の独自性」とかは二の次で良く、いかに協力してサポートを進めるかの方が大切なのです。

ですが、ウクライナ難民の人たちの多くが、東方教会のバックグラウンドを持っていることはわかっていましたし、「復活祭をどう祝いたいですか?」ということは、かなり前から話題になっていました。

復活祭の礼拝を祝えるようにしてあげること、これはかなり「教会だからできること」に分類される事柄になります。




これはロシアの復活祭のパン- クリーチ
Myndin er ur e-food.jp


ですが、きちんとした東方教会のミサを持つには、どうしても東方教会の司祭が必要になります。レイキャビクにはロシア正教会があり、ロシア人の司祭がいます。ですが、今回はその司祭を呼ぶことは選択肢にはありませんでした。これも理由は言わずもがな。

ヨーロッパのウクライナ正教会から、誰か来てもらえないだろうか?というアイデアがあり、私たちの監督を通して打診がなされました。が、うまく進まず。

私たち下々の者は、ただ難しい状況の中にある難民の人たちが復活祭を自身の仕方で祝い、多少なりとも慰めを見出せれば、という単純な思いを持っているのですが、教会の上の方へ話しが上がっていくと、どうしてもくだらない教会政治や官僚的「忖度」が支配的になってしまうのです。

ということで、今年はきちんとした復活祭のミサは無理という見通しになりました。では、せめてウクライナ正教会のしきたりのようになっている、復活祭のパンを焼き、たまごを装飾してイースターエッグを作ることは可能か?ということになりました。

イースターブレッドやイースターエッグは、なんというか日本人が正月にお雑煮を食べておせちをつつくのと共通する部分があります。まったく同じではないですけど。






いずれもブルガリアでのイースターエッグ
Myndin er ur Wine-what.jp



このアイデアも一度は沈没しかけていたのですが、ロシア人の婦人たち数人が「私たちは復活祭のパンは毎年焼いているし、ウクライナの人たちにも食べてもらいたい」と申し出てくれて「復活」したのでした。

ちなみに、これらの婦人たちのように、「侵略には反対。ウクライナ人の人たちをサポートしたい」というロシア人も多くいます。この点「ロシア人はみんな人でなしだ!」などという感情論には決して流されませぬよう。

私は個人的には、戦争犯罪者のプーチンが一番恐れているのは自国の市民だと考えています。あの野郎の足元を直に揺することができるのは、ロシアの市民に他ならないからです。

それはさておいて、来週の日曜日、ウクライナ正教会の復活祭をどのように祝うことができるのかは、現在まだ協議中です。

もっとも祝うことができたとしても、それはレイキャビクとかの地域限定になってしまいます。全国漏れ無く、というのは今年の場合は時間的にも無理なことでした。

ですので、今年は復活祭来たー! 復活祭来るぞ! みたいな感じになっています。忙しくて、多少イライラも感じることがありますが、そういう時こそ「主の平安」が必要です。

ウクライナの平和、世界の平和を祈りますが、まずもっての一歩は自分自身の中に平和を創っておかないと...

皆さんにも良い復活祭の週となりますよう。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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Facebook: Toma Toshiki
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