Indoor airplane world
 



 ホビーメーカーと共同開発を進めてきたインドア・マイクログライダーがようやくリリースできる運びとなりました。

 美しいフォルムをもつマイクログライダーの優雅な飛行は、入門者にもベテラン・フライヤーにも楽しめるインドア・プレーンとして仕上がっています。

 必要部材一式がセットになった Micro Glider All Kit と、自分好みにカスタマイズできる Midro Glider Kit の2種類を用意しました。

 Micro Glider Kitには以下の部材がセットされています。
 主翼、水平尾翼、胴体、ラダー、キャノピー、モータ、プロペラ、スピンナー、メカニカルファスナー



Micro Glider Kitの中身(ラダーはあらかじめカットされています)


 Micro Glider All Kitには以下の部材がセットされています。
  Micro Glider Kit
  2チャンネル赤外線受信機 IRX261S
  アクチュエータKIT PB1
  JSTベース付ピン2P(受信機の電池接続用)
  ケーブル赤黒(受信機の電池接続用)
  極細シュリンク・チューブ(JSTベース付ピン2Pとケーブル接続部の保護用)
  マグネットワイヤ(マグネット・アクチュエータの延長用)

■組み立て

 マグネット・アクチュエータKITの加工と組み立て



アクチュエータKITのプラスチック・パーツ(KITには2個入っている)


プラスチックパーツの余分な部分をカットして、コイルを瞬間接着剤で固定
マグネット2個をラダー側のパーツに左右からセット(まだ固定しない)


コイルのワイヤをマグネットワイヤを使って延長(画像はワイヤクリップを使用)


 やや高温にしたはんだごての先端に半球状になるように十分にはんだを盛り、そのはんだの中にすばやくワイヤの先端を挿し込むと表面の被覆がはがれます。その後ワイヤ同士をはんだ付けします。

 コイルワイヤの片方を1センチほど短くカットしてからはんだ付けすると、2本の線が重なったときにはんだ付け部分のショートを防ぐことができます。




私が愛用している接着剤


垂直尾翼とラダーにそれぞれのパーツをセットできるように加工してプラスチック用接着剤で固定


ラダーをはめ込む


 延長したマグネット・アクチュエータのワイヤを胴体後部の穴から通して、胴体底面の受信機取り付け穴から外に出しておきます。

 プロペラのカット



キットに入っているモータとプロペラとスピンナー


直径が40mmになるようにカット


 あらかじめプロペラの直径が40mmになるようにコンパスカッターなどを使ってカットしてからモータシャフトに圧入します。その際、プロペラバランスを確認してください。

 プロペラのバランスは穴径より細いドリルやピアノ線をプロペラ穴に通して、重いほうのブレード表面をカッターナイフの刃などで削り落としてバランスをとります。





 本格的にバランスをとる場合は上図のように0.8mmシャフトを加工してプロペラにセットし、両端をマグネットで支持するプロペラ・バランサーを自作すると良いでしょう。



コンパスカッター


 プロペラをセットしたモータを胴体にセットします。その際モータカンの周囲に少量のプラスチック用接着剤を塗ってください。モータのリード線はそのままの長さで使います。

 受信機の配線







 胴体底部の穴からアクチュエータとモータケーブルを通して受信機にはんだ付けします。モータからのケーブルは極性に注意してください。

 アクチュエータのワイヤはどちら向きでもかまいません。あとでマグネット・アクチュエータのマグネットの極性を入れ替えれば動作方向が変更できます。

 すべての配線を基板の内側に向けて配線してください。胴体底面に受信機をセットするときに配線が邪魔にならないようにするためです。電池につなぐコネクタケーブルをあらかじめはんだ付けおいてください。





 配線が済んだら受信機を胴体底面にプラスチック用接着剤を使ってセットします。
 電池はキャノピーのしたあたりにセットすることになるので、キャノピーは取外しできるようにします。
 画像ではキャノピーの着脱にメカニカルファスナー(キットに付属)を使っています。



胴体底面に受信機をセット


水平尾翼をプラスチック用接着剤で固定
マグネット・アクチュエータのワイヤもプラスチック用接着剤で胴体に固定


主翼をプラスチック用接着剤で固定して完成


インドアでフライトするときの重心位置
屋外でやや風があるときはもう少し前重心に(電池を50mAhにするなどして)


 キャノピーをメカニカルファスナーで着脱できるようにする場合は、メカニカルファスナーの厚さ(2枚で0.7mm)だけキャノピーの胴体に当る面を削ってください。

 メカニカルファスナーはせん断方向に強くはがす方向には弱いので、頻繁に開閉する今回の利用に向いています。ただし今回の利用方法では面積が少ないので、キャノピーを上から左右に動かしながら押さえて固定してください。

 電池もメカニカルファスナーで固定できるようにすると、電池による重心位置の移動や、飛行中の重心位置移動を防ぐことができます。電池搭載位置の胴体部分を発泡スチロール等で少し高くすると電池がセットしやすくなります。

 スピンナーはプロペラにパチッとはめ込み式になっています。プロペラを回しながら最も振れの少ない位置を出して瞬間接着剤で固定してください。


■動作テスト

 30mAhリチウムポリマ電池FR30を受信機の電源コネクタにつなぎます。そのとき受信機のバッテリモニタLEDが一瞬赤く点灯します。送信機のスロットル・スティックを上下に動かしてモーターの回転が変化するかチェックします。

 次にグライダーを後ろから見て、送信機のスティックを左右に倒したときにラダーが左右に動くか確認します。もしスティックを倒した方向と反対にラダーが動くときは、ラダーを一度はずして2個のマグネットの向きを入れ替えます。

 ラダーが正常に動作することが確認できたらマグネットを瞬間接着剤で固定します。

 ラダーはブラブラした状態ですが、飛行中は空気の流れで押し戻される力とラダースティックの動作角によるトルクでバランスするので、きめ細かい旋回動作ができます。

■滑空テスト

 電池をキャノピー内部にセットしたまま電池のコネクタをはずします。

 グライダーを目の高さで水平に持ち、そのまま水平に機体を押し出して、滑空状態を確認します。

 このグライダーはかなり遠くまで滑空してくれます。電池を前後させてきれいに滑空するようにしてください。

 もし、部屋の中でテストを行う場合はカーテンに向かって低い位置から滑空テストします。ただしカーテンにぶつかって落下したときに機体が破損しないように、床面に毛布や座布団などを敷いて下さい。

 安全にテストするにはやはり体育館など広い場所で行ったほうが良いでしょう。

■動力フライト

 バレーコート1面の広さがあれば十分に飛行を楽しむことができます。

 マイクログライダーのパワーユニットはとてもパワフルで、中スローで十分に飛行できます。フルパワーでは急上昇しますから、送信機のスロットルを上げすぎないように気をつけてください。

 もし中スローでもなお上昇しすぎると感じた場合は、水平尾翼の後縁を少し下げてください。また、左右の旋回ぐせがある場合は主翼にねじれがないかを確認して修正してください。

 旋回癖がある場合は、主翼後縁のフラップ部分で調整します。たとえば右に旋回癖がある場合は、グライダーを後ろから見て右側の主翼の後縁(フラップ部分)を少し下向きにします。

 リリース前の飛行テストでは、30mAh Li-Po電池(FR30)を搭載してバッテリモニタLEDが点灯するまで9分を超えるフライトができました。

■マイクログライダーのスペック

 主翼翼幅 292mm(投影時)
 主翼面積 1.05dm2(投影面積)
 水平尾翼面積 0.21dm2
 全長210mm
 全備重量 6.3g(FR30リチウムポリマ電池搭載時)
 翼面荷重6g/dm2
 飛行時間 約9分 (FR30リチウムポリマ電池搭載時)

■屋外でのフライト

 曇天や朝夕の穏やかな屋外なら赤外線による飛行が可能ですが、周囲の条件によって通達距離が大幅に変化するので、飛行に際しては十分な確認が必要です。

 条件さえ良ければ驚くほどよく飛んでくれます。マイクログライダーは受信機が胴体底面にセットしてあるので、上空では全く問題なくコントロールできますが、目線より低い高度では受信機の受光素子に送信機からの赤外信号が到達しにくいため、十分にコントロールできないことがあります。



超小型FM受信機MINOR-FLATを搭載


 超小型FM受信機を搭載すれば、風の穏やか日ならいつでも屋外で飛行を楽しむことができます。ただしサーマルの発生には十分気をつけてください。どんどん上昇して大切なグライダーが回収不能になることがあります。

■追記2008/03/07

 かなりの風がある中での、としちゃんの屋外でのフライト

 2007年3月2日藤沢市片瀬しおさいセンター体育館で行われた飛行会でのフライト

 マイクログライダーがリリースされるまでの開発に関するメモも参考になるかもしれません。 

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コメント
 
 
 
Unknown (Simonovic Dragan)
2009-01-08 00:58:08
Dear sear,

If you have one modell for me i will bay.

I'm from SERBIA (Europe)

Simonovic Dragan
Brace jerkovica 197/27
11000 Belgrade
SERBIA,europe

Thank.s
appa@verat.net
duca91@nadlanu.com
 
 
 
キットについて (Unknown)
2013-01-06 13:32:00
忙しい所すいませんがマイクログライダーの販売予定はもうありませんか?
 
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