鉛筆
僕が阿りなく,自由に,気儘に
胸の想いを伝播してゆく
掌の中の鉛筆にも
若しかしたら,
寿命の長短が有るのかも知れない
それが
あと10㎝なのか,30㎝あるのか
悠々と1mは有るのか
事実は残り5㎜しかないのか
想像は
ただ不安を駆り立てるけれど
それだから
いつ折れてしまったとしても
いつ指の間に挟めなくなっても
いつ文字を描けなくなっても
落胆しないように
後悔しないように
こうして鉛筆を握れる間は
こうして鉛筆に託せる間は
一心同体の鉛筆と
僕は
書きたいことを書きたいときに
休まず書いてゆくのだ