"toki"の忘れ物-anatae-
昨日の先の闇の堆積物の中に
大切な"toki"の忘れ物を
してきたような悔恨が残る
それは反面
確かに前進の一歩の動力になるのだが
切ない想いを空蝉の昨日へと
引き戻す契機ともなる
思い描いた平穏の儘なら
きっと手にしていたに違いないのに・・
改めて自戒する
明日という時間など
何ひとつ万全ではないのだと
唯唯,果て無く続く一本の棒でしかない
曲がっている,割れている,折れている
僕らは何時でも
その棒の先が無くなる危惧を抱えて
瀬戸際の不安定にしがみ付いているに過ぎない
けれど,頼るものは
その一本の棒より他に無い
されば,そこにtokiの枝を芽生えさせ
その枝から葉を拡げ
inochiを慈しみ,花を咲かす夢に
祷りを捧げるしかない
それ故に
tokiの遺失の観念は
澱のように胸腔に滞留する
ああ,願わくば明日よ
棒の未来の何処かに
見い出せる一枝の福音を!!