老いの考察
心と体のあらゆる部分に
細胞の一個や、神経の一本や
感情の一束や、血液の一滴や
筋肉の一筋や、思念の一介や
思惑の一点や、希望の一念や
詰まり
自分を形成する部分の
一つ一つに、錘のように
凝りや、滓や、澱みや、錆や、綻びや、爛れや、
腐れや、目詰まりや、が生じてゆく事
それで、それが、
少しずつ動きを奪い、気を瘠せらせ、意を萎えさせ、
活力を細らせてゆく
きっと
老いの道順とは
その何れかの、項目や細目に当て嵌まりながら
そんな風に下り道を
当たり前のように、本然のように
終点までの道程を、辿ってゆく事