情感のumi
否応なしの便宜上の歳と
それぞれが
その人生に持ち得るinochiの歳とは
きっと,食い違っている
後になり先になって交点を残し
直角だったり斜めだったりに交接し
離れたり近づいたりしながら交心する
例えば,僕は
古来稀なる歳を越えてしまったので
体の彼方此方の部品は草臥れ
体の其処彼処の部位は病み始め
心身の五情六感は
幾らかは錆びついてきたけれど
けれど,それらを統括する
この意思の瑞々しさは如何だ!
想念を廻らせるこの回転の素早さは
ペンを走らすこのエネルギーの厖大な熱量は
吾がコスモスの豊穣の色合いの多彩さは
吾が脳裏の鮮烈の白亜は如何?
Homo sapiensなら誰でも
きっと,永遠の四季を抱ける
胸に麗しい
情感の海さえ喪失しなければ・・