玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

コウモリの頭

2019-01-14 10:24:33 | 観察会
イベントの記録は こちら
 今回八ヶ岳のフクロウ巣材から、これまで検出されなかったコウモリの頭が出てきました。長さは20mmくらいです。こんな小さなものを見て、なんでネズミでなくコウモリだと言えるのか、と思うのは当然です。これが検出された頭部です。頭と下顎を分けました。




頭骨


下顎骨


これがアカネズミの頭部です。

アカネズミ頭部


アカネズミ下顎骨


 一番大きな違いは切歯(前歯)です。ネズミは齧歯類(げっしるい)、つまり齧(かじ)る歯をもつ哺乳類というくらいで、切歯がいようとも良いほど発達しています。その切歯が頭からも下顎からも伸びているのがわかります。コウモリにはこれがありません。
 また、下顎がネズミでは強い力で噛むために、臼歯が中央にあり、左右にも幅があります。ですから切歯と臼歯の間に広い隙間があります。これに対してコウモリでは切歯と臼歯はほぼ連続的です。そして印象的なのはキバ(犬歯)がよく発達していることです。頭骨の前方にある犬歯は長く鋭いものです。また下顎の臼歯も山脈のように鋭く尖っています。これは昆虫など動物食をするので、獲物を捉え、切り刻むためです。

 私が調べた限り、テングコウモリに一番似ているようです。もしそうなら、こんなコウモリです。これをフクロウが飛びながら捉えたと思うと、ちょっと感動的です。


http://egf.air-nifty.com/forest/2015/09/2015-09-14.htmlより


http://vacant-sky.jugem.jp/?day=20121006より
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