玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

「七夕の日、東京が変わる!−蓮舫さんとともに多摩地域大集会」

2024-06-17 09:23:25 | イベント
6月17日に小金井で「七夕の日、東京が変わる!−蓮舫さんとともに多摩地域大集会」がありました。「はけの自然と文化をまもる会」の横須賀さんに声をかけてもらって市民トークリレーで発言することになりました。定員600人くらいの会場は満員で、予約なしに来た人も多く1000人ほどが集まったそうです。

満員の会場

事前から熱気がすごく、蓮舫さんが登場すると大声が沸き起こり、こういう場に不慣れな私はかなり驚きました。


熱く語る蓮舫さん

蓮舫さんは間違いなく華があり、人を惹きつけるものを持っていると感じました。「いつどこ誰が何を語って決めたかを透明にする」ということを強調し、賛同の声が沸き起こりました。彼女への期待があることはもちろんですが、このところ続いている不透明なトップダウンの決定に対する不満が沸々と湧き起こっているのだと思いました。それを打破してくれるのが蓮舫さんという期待があるのでしょう。

その後、プラカードを持って蓮舫さんが壇上で会場を背後にし、全員がプラカードを持って記念撮影をしました。それから市民トークリレーとして8人が登壇し、私も発言しました。大観衆を前にして、私は柄にもなくアガッてしまいました。ま、それもご愛嬌です。発言内容は文末にあげておきます。

 市民トークリレー話題は、地球温暖化、給食問題を含む多摩格差、生活困難者問題、飼育動物の殺処分、ハケの破壊道路計画、PFAS問題など多岐に渡り、皆さん熱弁を奮い、会場からも賛同の声が上がりました。
 それから、都議、国政関係者の登壇、発言がありました。菅直人元首相、小池晃共産党副委員長はさすがに話がうまく、笑いもとりながら蓮舫支持を訴え、このままいけば都知事選は間違いなく上手くいきそうな気分になるほどでした。
 現実にはそううまくはいかないと思います。しかし、市民の声が行政に届かないという意味では、今ほどひどい時代はなかったと思います。このままではこの国は民主国家とはいえなくなるようで気が重くなります。中国やロシアのように独裁者がいないだけにその改革が難しいともいえます。私自身としては、蓮舫さん個人を支持するというより、現状を打破したいという意味で、投票で意思表示をしなければならないと思いました。

++++++++++++++
 高槻と申します。大学で生態学を学んできた研究者です。蓮舫さんが「緑と共生する東京」を表明されたことを強く支持します。

 私は小平に住んでいるので玉川上水の動植物を調べてきました。
 東京に人口が集中した1960年代には小平には雑木林がいくらでもあり、里山の動植物に溢れていました。しかしその後は宅地化によって雑木林がどんどん減っていき、今ではごく限られた場所にしか残っていません。そうした中で玉川上水は羽村から杉並までの30kmにわたって細いながら繋がった樹林があり、そこには豊富な野草があり、昆虫や鳥がいて、いわば避難所のようになっています。そのことでどれだけ多くの都民の生活が豊かなものになっているかしれません。
 その玉川上水の中でも小平は特に状態の良い樹林があるのですが、ここに樹林を分断する道路計画があり、それができると野草や昆虫や鳥類が住めなくなってしまいます。この計画は昭和の高度成長期に立てられたものです。
 玉川上水の動植物の中には貴重な動植物もありますが、玉川上水の価値はそれだけでなく、かつてありふれていた武蔵野の雑木林の動植物が残っていることにあります。それが高度成長期に立てられた道路計画によって永遠に失われることになろうとしています。私はそれはしてはいけないことだと思います。それは私たちの世代の責任であり、私たちが選んだ行政の責任でもあります。
 これは玉川上水の一部でもある井の頭公園や、玉川上水ではありませんが、ハケに連なる野川公園など、多摩の残された自然に共通のことです。

 東京都は常に時代の変化を見極め、近未来、遠未来のあるべきビジョンを見据えながら、残された自然を次世代に引き継ぐ姿勢を持つべきです。そのことを蓮舫さんに期待し、支援したいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小平の玉川上水の自然が危ない 学習会3の記録

2023-12-03 10:22:09 | イベント
2023年12月3日に学習会3を開催しました。

小平市の中央公園の東側 を南北に走る道路の計画があり、開通すると中央公園と 玉川上水の樹林が伐採され、多くの動植物が失われることになります。私たちはたくさんの人にこの場所の価値を知ってもらうために、学習会を始めました。第1回は道路問題を考えることを、第2回は野草をテーマにしました。そして第3回として野鳥を取り上げることにしました。
ここには80種あまりの鳥類がいることが確認されました。この数は明治神宮や皇居の森に匹敵します。また小平市の鳥であるコゲラも、玉川上水のうち、小平で一番多く見られます。今回はこの小平の玉川上水沿いで⻑年鳥類 調査をしてきた大出水幹男さんのお話と、玉川上水の4カ所で樹林調査と野鳥調査をした調査結果についての高槻成紀さんのお話を聞くことにしました。

以下は発表者からの要旨です。

++++++++++
小平の玉川上水の鳥類を調べて
大出水幹男
玉川上水の野鳥観察を通年150日から200日記録している大出水幹男と申します。
なぜ、観察するようになったかと言うと、この東京の緑少ない中で、細い河岸の緑地帯を散歩していると四季の移り変わりがよくわかり、都会の雑踏を忘れさせてくれるからです。
 樹木の豊かな、この玉川上水での、留鳥はどのぐらい暮らしていて、季節の野鳥は何がいるんだろうと考えるようになりました。早朝5時半から6時の間、40分程度、中央公園から一橋大学脇までの往復を繰り返して観察し確認できた数と種別を記録してデータにしています。玉川上水で出会った野鳥は、おおよそ90種確認できています。今日は、林で出逢った野鳥のことを交えてお話します。

++++++++++
玉川上水の樹林管理と鳥類
高槻成紀
以下の共同研究の紹介をします。
高槻成紀・鈴木浩克・大塚惠子・大出水幹男・大石征夫. 2023. 玉川上水の植生状態と鳥類群集. 山階鳥類学雑誌 (J. Yamashina Inst. Ornithol.), 55: 1-24. こちら

<論文要旨>
玉川上水の樹林管理は場所ごとに違いがある。本調査は 2021年に玉川上水の樹林管理が異なる4カ所(小平,小金井,三鷹,杉並)で鳥類の種ごとの個体数の調査と樹林調査を実施した。鳥類群集は上水沿いの樹林帯と周辺の樹林も豊富な三鷹と小平で豊富であった(図1)。


図1. 玉川上水4カ所の鳥類のタイプ別個体数

緑地が両側を交通量の多い大型道路に挟まれた杉並では,鳥類の種数と個体数が少なかったが,オナガ,ハシブトガラス,ドバトは比較的多かった。サクラ以外の樹木を皆伐した小金井では鳥類群集は4カ所中最も貧弱であった。とくに森林性の鳥類が少なく,都市環境でも生息するムクドリ,スズメなどがやや多いに過ぎなかった。これらの結果は,玉川上水の鳥類群集が植生管理の影響を強く受ける可能性を示唆する。
+++++

高槻はこれに続けて以下の点に触れました。

 小平の玉川上水樹林はは玉川上水全体で見ても状態が良く、そのおかげで鳥類の種類も個体数も最も豊富で、特に樹林性の鳥が多いということです。一方、小平市はコゲラを「小平市の鳥」に選びました。このコゲラも小平市が4カ所中最多でした(図2)。


図2. 玉川上水4カ所のコゲラの個体数

ここに大型道路がつくことは、自然破壊という点で極めて重大で、失うものは計り知れません。それは小平市におみならず東京都にとっても大きな損失になります。その意味で私たちはこの道路計画を見直してもらいたいと強くのそみます。

 これで発表は終わり、意見交換をすることにしました。今回は参加者が少なくおよそ20人ほどでした。鳥について大手水さんに質問があり、鳥の中で好きなものはなんですかという質問にはカラスという返事で、カラスは大手水さんのことを識別していて、育雛期には攻撃してくることもあるということで、会場には笑いがもれました。オオタカのことフクロウのことなども話題に上がりました。
 今年が暑かったことについても樹林との関係で話題があり、高槻は秋の結実がよくないのは暑すぎて花の生育に不順があったのではないかと答えました。
 最後に水口さんが、2013年の署名活動のことに触れて、その時も自然を守りたいという動機で活動したが、その時には鳥類も植物も情報が限られていたが、今ではいくつか論文にもなったので、状況が変わってきた。今後、これらに基づいた署名活動をするつもりなので協力をいただきたいと締めくくりました。
 アンケートはこれまでと同じものを配布して回収しましたが、数が少なかったので、次回、まとめて報告します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タネを運ぶ鳥たち 感想

2023-03-12 10:23:28 | イベント
青木計意子
高槻成紀先生
検出された種子の写真、素晴らしい世界が詰まった写真、美しくて、、しみじみとみてしまいます。。知らないことばかり、学ぶことばかり、で、、
そういう場や学びのきっかけを与えてくださっていることに感謝です。
本当に有難うございました。論文もゆっくり読ませていただきます。

高槻:いつも撮影をありがとうございます。

++++++++++++++++++++++++++++++++
青木野枝
3月11日はありがとうございました。大人3人で初参加しました。3人とも参加して本当によかったと思っております。
 最初に見せていただいた緑色の自然がどんどん減って飛地となっていく図は、そこで動物がどのように生きていくのかを考えさせられる内容でした。わかりやすい図解でした。
 そして鳥に歯が無いと初めて認識しました。そういえば無いなぁ!と。その他、砂肝の砂は砂だったのだ、等など私にとっては凄い発見で、知らないことだらけでした。
 樹種はエノキ担当で、あれからエノキ見ると親近感が湧きます。近寄って見てしまいます。鳥がいると何食べてるかなぁ、と。
 種子とはなんと不思議で素晴らしいものでしょう。あの小さい中に全てが詰まっているようです。先生の送ってくださった「検出された種子」の写真は、本当に美しいです。
 この講義を経験して、自分のいる場所が全く違う場所に見えてきました。住んでいる空間が人間のものだけではない、と頭でわかっていても全然理解できていなかったのだと実感しました。論文もありがとうございます。興味深いです。ゆっくり読ませていただきます。本当にありがとうございました。
 リー智子さんにも大感謝です。続けてくださることで、たくさんのこどもたち(大人も)が貴重な経験をしていけるのだと思います。ありがとうございます!

++++++++++++++++++++++++++++++++
稲葉のぞみ
 あれだけの量の木の実(タネ)をつぶさに見る、という行為そのものが初めてのことだったかもしれません。大量のタネを見分けるのはなかなか難しいものだなと感じました。「分類」...という作業ですよね(『キュッパのはくぶつかん』という絵本のことを思い出しました。森で拾ってきた大量の“あらゆるもの”を分類する、小さな丸太の男の子のお話です)。
高槻:「分類」というのは2つの意味があります。生物学で分類学というのはtaxonomyといって、種(しゅ)を土台として例えばサクラならヤマザクラとかイヌザクラなどが同じグループ(サクラ属)に属し、他の属(例えばバラ属)などとまとめてバラ科に属すなど、上のグループを分けます。このような単位をtaxonといい、それを研究するのがtaxonomyで牧野富太郎はこの分類学者です。今回行ったのも「分類」ですが、これは仕分けをしただけですからsortingです。

 もう少し時間があればいいなと思いました。そうしたら、タネの特徴が少しずつわかりかけてきていたので、納得いくまで分類ができたような気がします。たくさんあるタネも大事ですけれど、よくわからないタネ(不明のタネ)を把握しておくことも大事ですよね。もうちょっと、そちらのほうにもエネルギーを注げればよかったなと思いました。
高槻:大人向けのイベントとして種子の違いなどの実習をするのがいいかもしれません。子供(特に低学年や幼稚園児)にはちょっと難しいです。

 あと、備品の大切さも痛感しました。透明のカップは、少数派の「不明のタネ」を入れておくのに必須ですよね。多めに用意するにこしたことはないのだなと感じました(小さめの透明のチャック付き袋も同様)。
 「自分で動けないなら、動ける誰かに助けてもらえばいい」という生き方をする植物がいるということ。この講座で改めて知りました。とてもしなやかで、素敵な生き方ですよね。ヒトの暮らしにもあてはまるかと思うのですが、一人ですべてやろうとしたら、疲れます。いろんな人に頼れるほうが、楽なこともあります。植物のそういう生き方の大切さを、この講座を通して教えてもらった気がします。
 鳥の種類により、好みの実が違うというのもとても面白いです。公園の樹木の名前のところにも、「この木の実は、ムクドリのお気に入りです」とか、
よく来る鳥のことまで書いてあったらいいなと思いました。公園に「よく来る鳥」の看板は見かけますが、木ごとに「よく来る鳥」を表示したものは見たことがないので。
 この季節になると花をついばむ鳥もよく見かけますが、鳥ごとに好みの「花」も、きっと違うのでしょうね。家の前の公園でも、河津桜をたくさんのメジロがついばんでいましたが。「木と鳥の組み合わせ」にも、もうちょっと注目して見るようにしたいと感じました。
 タネを数える作業、私は個人的にすごくやりがいを感じましたので、もっと時間があったら、ぜひ、徹底的にやりたいと思いました。
 今回も、とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

・・・・・
種子のお写真、ありがとうございました。素敵ですね。あの小さなトレイの中に、こんなにもいろんな形、色、大きさの種があったとは、感動です。「種の教室」みたいですね。小学校の一教室の集合写真のようです。雑多な感じが、やはり見ていて楽しいですし、面白いです。実際の世の中も同じなのでしょうね。これが同じ種ばかりになってしまったら、味気ないような気がします。いろんなものが存在する世界、大切にしたいです。
次のワークショップも、楽しみにしております。

++++++++++++++++
作道夕海子
 ハゼの木の種分類をしました。最初、バットの中を見た時には、全く種の区別がつかず、どう分ければよいのだろうと戸惑いましたが、一つ種を見つけ、その種が何の種なのか認識出来ると、その種を見分けて探し出せるようになり、少しずつ分類が出来るようになりました。気が付くと親の方が夢中で探していました。前に参加した、木の実草の実やふくろうの時もそうでしたが、今までは認識していなかったものが、認識できるようになると、見える世界の彩度が増すというか、見える世界が豊かになる様に感じます。今回も、とても豊かな体験でした。また、機会があれば参加したいです。
貴重な体験をありがとうございました。

++++++++++++++++
櫻井
 土曜日の講座ありがとうございました。
 お家でふりかえりをした際に、家族で話したことは、都市での木と動物の関係でした。私たちが住む都市部において、たぬきと鳥の生活圏である木がある場所は、人間が自分たちの住処を作り込み過ぎてしまった為に減っています。鳥たちが運ぶタネの落ちる場所が、アスファルトや痩せた土でなく、豊かな生態を育める土であったなら、どんなに多様な植物と動物が育ち、わたしたち人間も自然の一部となって暮らせる場所であったかと思わずにはいられません。
 瀬良は、鳥やたぬきのために(人間が)もっと木を植えなきゃいけないよねと言っていました。私は、都市で元来ある生命のサイクルが活性化する為には、土も重要だと思いました。鳥たちが運んだタネが自然と芽吹き、人間以外の植物や生き物が都市に増えると想像してみたら、わくわくしてきました。
 地球の未来のために、どこか遠い自然保護区ではなく、人間が密集する都市部においても、自然のサイクルを考慮した環境作りに努めたいと考えを巡らす今日この頃です。

+++++++++++++++++++
世古成子
 これまでに高槻先生のお話を聞く機会は、何度かありました。地道な観察やその後のデータ処理に裏付けされたお話は、説得力があり、頷かされることが、多々ありました。
 今回、タイトルに惹かれて、漠然とした気持ちで参加いたしました。2時間ほどで、室内で一体何をするのだろうと思いながら。実際は、高槻先生の日頃の観察・収集をもとに、種の数を調べるという活動でした。にわか研究者(?)の端くれを味わいながら、データ収集をしながらの発見の面白さと途轍もない労力の必要性を実感いたしました。
 鳥の糞に含まれている種を調べるものと思い込んでいた私は、始めのお話で、吐き出されたものであると知ったことが衝撃的でした。
 そして、とても地味な活動にも関わらず子どもたちが熱心に活動していることに驚きました。親御さんの関心やら理解があってのことだと感心いたしました。
 高槻先生が、カメラを常時持って撮影されていると知り、それなら私にもできそうだと思いました。自ら進んで、収集やらデータ処理はハードルが高過ぎてできそうもありません。
 また、このような機会があれば、参加して、目を開きたいと思います。ありがとうございます。
 いただいた写真図鑑(?)、実によくできていて素晴らしいですね。持ち歩きの宝物にします。

高槻私も退屈な作業を小さい子がどのくらいできるか不安もあったのですが、思いがけず楽しそうにしていました。冊子の写真は私が日ごろうつしているものですが、折り畳みの妙はリーさんのおかげです。

+++++++++++++++
古川佐和子(小6)
自分が普段食べる果物は、実の部分が多くて種は小さいものが多いけれど、今回触った鳥が運ぶ種は実自体が小さくて実の部分が小さく種の部分が割合として大きいので驚いた。鳥が食べた後に口から出していることも知らなかったので勉強になりました。色々な種を知ることが出来てよかったです。


++++++++++++++++++++
高田悠佑(2年生)
思ったより鳥によって持ち込まれた種は、少なかったです。今度は、ハゼノキ、トウネズミモチ、エノキ以外の木も調べてみたいです。また、都会でなくても、森や林でも、鳥たちは、種を運んでいるんですか。そして、表を見ると、数が少ない種類もありましたが、これはどういうことですか。
高槻:想像してみてください。その木のタネが多いのはわかりますね。その木に来る前に鳥が食べていたタネを吐き出すので、あまり多くありませんが、周りにその木がたくさんあれば少し多くなります。木によって果実の数が違うし、一つの果実の中にあるタネも1個から20個くらいまで違うので、木があまりなくて、果実も少ないと運ばれる数は少なくなります。

高田稜生(5年生)
種を数えるのが楽しかったです。木から落ちてくる実が多いことを楽しく実証できたことがよかったです。

高田奈津(母)
次男と参加したフクロウの会に長男も興味を持ったので、今回は兄弟で参加させていただきました。最初は兄弟で揉めたりしていましたが、途中からは種を観察したり分類したり数えるのに夢中。1000を超えた時は大盛り上がりでした。
 どんな質問にも先生が真摯に答えてくださるので、わからないことがあるとすぐに質問するようになった次男の姿が印象に残っています。
 自然の力を借りながら植物が種を運ばせることはなんとなく知識としてありましたが、実際に鳥や風が運んだであろう小さな種を手にすると、こんなささやかな営みで大昔から子孫を繋いできたのかと、改めて途方もないことに思えました。次回もまたぜひ参加したいです。ありがとうございました。

+++++++++++++++
古川久美子(保護者)
 講座のはじめの緑の写真のスライドが印象的でした。自然あふれる田んぼの風景、家はあるけれどもすぐ隣に畑や山があるまだ素朴な風景、そこから一気に東京の都心のほとんど緑のないビルの立ち並ぶグレーの景色、、胸がキュッとなりました。小平を上空から撮った写真が出てきてここに残る貴重な緑がこのままあり続けますようにと思いました。とても分かりやすい写真でしたので子どもたちも何か感じてくれていたらと思います。
 そして大量の種に最初はぎょっとしましたが、見慣れてくると違う種類の種も分かるようになり冊子から該当する種類を探して名前を見つけるのは楽しい作業でした。種を運んで豊かな自然をつなぎ続けている鳥や動物や虫たちに感謝です。
 参加させていただきありがとうございました。

++++++++++++++++++++++++ 
渡部 丈(小学1年)
とりのたべたものを しらべました。
エノキのみが279こでした。たのしかったです。むくどりやひよどりが すきなみでした。



渡部 杏(年中)
たねをかぞえるのがたのしかった。


渡部 岳(父)
 普段は見過ごしてしまう小さなものから広がりのある調査や研究ができることに驚きました。

渡部 絢音(母)
 地道な情報集めを重ねる中で、分かることがたくさんあるということを実際に体験して知ることができました。どうもありがとうございました。


+++++++++++++++++
リー智子(主催者)
 (子供向けのイベントをしてきましたが、これは)初めての内容でした。まず驚いたのはタネの数が膨大ということです。その何百とあるタネの中から、違う種類のタネをより分けるというのだからびっくりです。こどもたちにはどんな体験になるのかとちょっぴり不安でしたが、楽しかったとの感想を聞き安心しました。
 「大変そうだな~」と思いつつ、実はこういう地味な作業から学ぶことはたくさんあると私は思っています。またこれだけタネを見つめたのだから、今後この子達は知っているタネは見分けられるようになるでしょう。一つ一つは小さなことですが、これを積み上げていくと、いつかは自然界のストーリーを読み解いていく力がつくのだと羨ましく思いました。なかなか新しいことは覚えられない私ですが、いつかは自然界のストーリーを読み解けるようになりたい、というのがこういう企画を継続している一つの原動力にもなっています。

++++++++++++++++
高槻成紀
 今回、皆さんが数え残した種子を数えたら4000個余りでした。実は私はこのテーマで論文を書きました(もうすぐ印刷)。4種類の樹木で、12月から2月まで毎週回収し、合計は1万4000個余りでした。皆さんの感想は「すごいたくさん」のようですが、自然を調べる作業としてはこのくらいは大したことはありません。「単純作業をやらされる」と感じれば退屈極まりないことですが、「これが分かれば、自然の話が聞ける!」と思えばこんなに胸躍ることはありません。子供が意外と退屈しないのは、もしかしてそのこと(ホンモノを触っている!)を直感しているのかもしれません。大人が本気でやっていることを見てもらうのも大事だと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タネを運ぶ鳥たち データ

2023-03-12 09:10:05 | イベント

皆さんに数えてもらったタネの数と、対象とした樹木から落ちたタネを私の方で数え直したのが下の図です。ハゼノキは外から運び込まれたのが11.8%でしたが、その中でトウネズミモチが多くありました。トウネズミモチは96%がトウネズミモチで、エノキは運び込みが13.8%でした。つまり大体9割がたがその木から落ちてきたもの、1割ほどが外から運び込まれたものだったということです。



 それを数字で示したのが下の表で、上の3つは調べた木そのもののタネで上から落ちてきたものです。それ以下のものが運び込まれたもので20種ほどがありました。木ごとに見ると、ハゼノキが14種、トウネズミモチとエノキは10種でした。ハゼノキではトウネズミモチが、トウネズミモチではマンリョウが、エノキではイヌツゲが多いのが目立ちました。
 外から運び込まれた種子のほとんどは鳥が食べるタイプのものでしたが、ケヤキだけは風で飛んできたものです。鳥や哺乳類が食べて運ぶのは多肉果と呼ばれる、食べておいしい果実です。多くのものはジューシーですが、ハゼノキは水気はなくて脂質が豊富なので、エネルギーを必要とする鳥類が食べます。センダンなどもそのタイプです。鳥は目がいいので、目立つ赤系の色や黒系の色の果実が多く、多くのものは直径6,7ミリで鳥がひと飲みできるものが多いです。


 この調査は、こういう果実が都市の緑地で鳥に食べられて種子を運んでもらっている(あるいは運ばせている)ことの実態を示したことになります。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タネを運ぶ鳥たち 2

2023-03-11 08:35:42 | イベント
データは こちら
感想は こちら

「机の上にバットがあるので、このタネを入れます。その木のタネがほとんどですが、その中に少しだけどそれとは違うタネがあるはずです。それが、その木に来る前に鳥が別の木で食べて運び込んだものです。それをを探して、取り出して、小さな容器に入れてください」

 「私はいつでもカメラを持っていて果実があると写真を撮ります。それと小さいチャック袋を持っていて果実をとって5ミリ間隔の格子のついたシャーレの上に置いて写真を撮り、その後で茶こしに入れて果肉をとって種子を取り出してその写真も撮ります。その、野外、果実、タネの写真を並べました。それを(主催者の)リーさんがうまいこと冊子にしてくれました。


冊子を見る(A 青木さん撮影)

「これを見ながら出てきた種がどれか当ててみてください。もちろん質問してくれたら教えます」
と言って作業に入ってもらいました。参加者は大人、子供を合わせて30人余りでしょうか。6つの机に分かれて作業をしてもらいました。



  A

  A


「これなあに?」A

顕微鏡をのぞく(A)

 私は日頃から種子を採集しているので、今回出てきそうな種子をポリ袋に入れてファイルに並べておきました。

標本を見比べる(A)

絵を描いたよ(A)

 色々質問があり、おしゃべりしながら、40分くらいでしょうか、だいたい取り出しが終わったようでした。

「ではまだのところは作業を続けてもらって、たくさんあったタネの数をかぞえてもらいます」
「えーっ!」
「それにはこのカウンターを使います。」
と言って使い方の説明をしました。子供たちは興味を持ったようでした。ある班では1000個を超えたようで男の子が大きな声で「やった!1000を超えた!」と言っていました。それから黒板にタネの種類ごとに数を書き出してもらいました。

「数は少ないですが3本で15種類もタネが運ばれていました。木によって多い少ないがありますが、これは来る鳥の好みによって食べる果実が違うからですね。またその木の周りにある木がどういう木が多いかによっても影響されます。いずれにしても住宅地という海の中に浮かぶ島のような緑地を鳥が行き来することでタネを運んでいるのは確かだということがわかりました。」

「今日はこの前のようにおみやげがなくて申しわけないんですが、リーさんが作ってくれたこの冊子はいいおみやげになると思います。この前はフクロウの人形をあげたけど、今日は石粉粘土という粘土を少しずつ上げるので後で鳥など作ってみてね。」

鳥を作る(A)

「乾くと石膏みたいに硬くなって、絵の具や色鉛筆でぬれるからね。それから大人にはオリジナルの野草の絵葉書を持ってきたのでどうぞ」

絵はがき(A)

 そうこうしているうちに時間になったので、子供たちと記念撮影して解散としました。今日も「楽しみながら学ぶ」ができたように思います。




青木計意子さんによる写真はAをつけました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする