玉川上水はかつては上水を汚さないように両岸の植物は刈り取りをして育たないように管理されてきましたが、戦後は緑地として林を育てる保護的な管理をされてきました。そのために林の下には武蔵野の雑木林に生える植物が生き残っています。一方、橋の両側や意図的に上層の木を伐る管理をしている場所もあり、そういうところには草原に生えるような植物が多くなります。また林の縁(林縁)には林と草原の両方の植物が生え、特につる植物が多くなる傾向があり、玉川上水にはそういう要素もあります。
そういう背景から5月20日の観察会では玉川上水の緑の幅の広い小平の小平市中央体育館あたりから創価高校あたりまでの林の下で1m×1mの方形区を12個とって、出現した植物の被度(植物が覆う面積割合%)と高さを記録しました。その数字の積をバイオマス指数とし、CHで表しました。この数字が大きいほど植物量が多いことを意味します。
その植物を草本と木本、その大小、常緑、洛陽などによって類型しました。草本のうちイネ科は別扱いにし、またつる植物も別にしました。そして、種ごとのバイオマス指数の平均値と類型ごとの合計値を計算しました(生データは付表につけました)。
その結果、12カ所で54種が出現したことがわかりました。バイオマス指数の平均値で大きい値をとったのは、アズマネザサ、スイカズラ、ウグイスカグラなどでした。
これをこれまでとってきたデータと比較してみました。
玉川上水の森林とオープンな場所での下生えのバイオマス指数
グラフは類型をさらに単純にして4類型だけを示しています。ここには5月19日に久右衛門橋の近くでとった明るい場所でのデータも示しています。
それを見ると上木がないオープンな場所ではバイオマス指数が6000とか8000もあり、草本(シダを含む)、イネ科、つるが非常に多いことがわかります。5月19日の久右衛門橋近くのデータもそれに近いですが、ここにはススキはなくノカンゾウが多かったため、イネ科が少なくなっています。これに対して森林の下生えは3000くらいで半分ほどで、木本が多いという結果です。これはムラサキシキブ、アオキ、マルバウツギ、コゴメウツギなどです。しかし20日に調べたところは木本は非常に少なく。合計値も1000にも達していません。この理由は明らかで、この辺りには低木が少なめだということもありますが、この日は典型的なところをとろうと、低木の茂みを避けるように調査区を選んだからです。実際には上記の低木類もありましたから、それらも含めてとれば木本がもう少し多くなったはずです。
<まとめ>
重要なことは上層の木の有無で下生えの植物が大きな影響を受け、量だけでなく、種類も大きく変化すること、その中でつる植物が多いことは玉川上水の特徴の一つだということです。
こういうデータを積み重ねることで、玉川上水の緑地はいかにあるべきかを論じるときの根拠を得ることができると思います。
付表
そういう背景から5月20日の観察会では玉川上水の緑の幅の広い小平の小平市中央体育館あたりから創価高校あたりまでの林の下で1m×1mの方形区を12個とって、出現した植物の被度(植物が覆う面積割合%)と高さを記録しました。その数字の積をバイオマス指数とし、CHで表しました。この数字が大きいほど植物量が多いことを意味します。
その植物を草本と木本、その大小、常緑、洛陽などによって類型しました。草本のうちイネ科は別扱いにし、またつる植物も別にしました。そして、種ごとのバイオマス指数の平均値と類型ごとの合計値を計算しました(生データは付表につけました)。
その結果、12カ所で54種が出現したことがわかりました。バイオマス指数の平均値で大きい値をとったのは、アズマネザサ、スイカズラ、ウグイスカグラなどでした。
これをこれまでとってきたデータと比較してみました。
玉川上水の森林とオープンな場所での下生えのバイオマス指数
グラフは類型をさらに単純にして4類型だけを示しています。ここには5月19日に久右衛門橋の近くでとった明るい場所でのデータも示しています。
それを見ると上木がないオープンな場所ではバイオマス指数が6000とか8000もあり、草本(シダを含む)、イネ科、つるが非常に多いことがわかります。5月19日の久右衛門橋近くのデータもそれに近いですが、ここにはススキはなくノカンゾウが多かったため、イネ科が少なくなっています。これに対して森林の下生えは3000くらいで半分ほどで、木本が多いという結果です。これはムラサキシキブ、アオキ、マルバウツギ、コゴメウツギなどです。しかし20日に調べたところは木本は非常に少なく。合計値も1000にも達していません。この理由は明らかで、この辺りには低木が少なめだということもありますが、この日は典型的なところをとろうと、低木の茂みを避けるように調査区を選んだからです。実際には上記の低木類もありましたから、それらも含めてとれば木本がもう少し多くなったはずです。
<まとめ>
重要なことは上層の木の有無で下生えの植物が大きな影響を受け、量だけでなく、種類も大きく変化すること、その中でつる植物が多いことは玉川上水の特徴の一つだということです。
こういうデータを積み重ねることで、玉川上水の緑地はいかにあるべきかを論じるときの根拠を得ることができると思います。
付表