玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

感想 スタッフ

2020-12-06 23:27:25 | 観察会
足達千恵子

子どもたちは木の実をたくさん見つけていましたが、他の生きものもいろいろと見つけて楽しそうでした。土の中で見つけた幼虫を手にしてはしゃいだり、向こう岸にいる猫に呼びかけてみんなで盛り上がっていたり、ヤモリを2匹捕まえたと言って自慢げに見せてくれたり。先生が説明しようとすると子どもがいないなんていうこともあったようですが、あまりうるさく言わずに楽しく公民館まで行けたのはよかったと思います。

高槻先生は「木は100歳でも200歳でも子どもを産む」とドングリの説明をされ、なるほどと思いました。植物は人間とは違った生き方をしていて、すごい能力をもっていると感じます。黒い実は人間の目には地味で目立たなくても鳥には見つけやすい色で、そのため赤だけでなく黒い実も多いというお話もなるほどと思いました。ゴンズイの実は赤と黒で、すごく見つけやすいのでしょうか。

 ムラサキシキブの実はきれいな紫色をしていて、とくに黄色い葉っぱが残っているとコントラストが鮮やかでとても魅力的に見えました。美しいな~とぼんやり眺めていて、あ!と思いました。今読んでいる『植物と叡智の守り人』(ロビン・ウォール・キマラー著)という本の中に「アスターとセイタカアワダチソウ」という話があり、その色の組み合わせと同じだったのです。ネイティブアメリカンの著者が大学の森林学部の導入面接で「どうして植物学を学びたいんだい?」と訊かれ、「植物学を選んだのは、アスターとセイタカアワダチソウを一緒にするとどうしてあんなに美しいかが知りたいからだ」と答えると、指導教官は「それは科学的じゃないよ。植物学者はそんなことには興味がない。美について学びたいなら美大に行くべきだね」と言います。でも、後に著者はこの二つの花の色、紫と黄色は補色で、互いに引き立て合う関係にあり、人間だけでなくミツバチの目にも似たように見えることを知ります。つまり一緒に生えていることでミツバチ(受粉者)を惹きつけるとしたら、科学的な疑問と言えるのではないか?と思うのです。紫と黄色の組み合わせは鳥も惹きつけるのでしょうか。鳥や虫の目にはどう見えるのかという視点も面白いですね。

 アオギリの果実が、くるくると空高く上昇していった光景は忘れられません。やじろべえの工作は懐かしく、カラスウリの種を出してみたり、シカの角を頭につけてみたり、盛りだくさんの内容でした。子どもによって興味のあるものが違うでしょうから、何かひとつでも惹きつけられるものがあったらいいなと思います。そこから興味を広げていけるような、心の種まきになっていたら素敵ですね。楽しい時間をみなさんと一緒に過ごさせていただきました。ありがとうございました。
(ムラサキシキブは葉が落ちてきていて、あまりよくとれていませんが、一応写真を添付します。)



坂本有加
 事前のスタッフ連絡の中で、木の実を採ったことのない子供もいるはずということが書いてありました。そうなの?と考えてみれば、私も草の実とか木の実を気にして採るようになったのは大学生になってからでした。「採り方を教えた方がいいのかな?」とも思いましたが、玉川上水では子供たちはナンテンやムラサキシキブなどをプチプチと外して、こぼさないようにチャック袋に入れていたし、ドングリを拾うときは穴の開いていないものを選りすぐっていて、慣れているようだったので、採り方は教えなくても大丈夫そうでした。
 後で気付いたのは、− 玉川上水には無いかと思いますが−ウルシなど触ってはいけないもの、とげのあるもの、季節によっては毒のある虫に気を付けないといけないでしょうから、そちらに注意して見守ることで、これは私の次の課題となりました。そして私だったら、「外で摘んだこの実は食べてもいいのかな?」といつも考えます。子供たちは普段そんなことは考えないようで、その場で食べようとする子はいませんでした。
公民館の教室では、前もって採集しておいた木の実たちも並べられました。高槻先生から、「この実は食べてもいいよ。」と私が多めに持って行ったフユイチゴの紹介があると、早速おいしそうに食べる子供たち。それも何度も取りに行く女の子を見て、「持ってきてよかった!」と思いました。きっと初めての経験となったでしょうし、これからは野イチゴを見つけたら素通りはできないと思います。「しめしめ」。でも食べるのは大人に確認してからにしてほしいです。
 実からタネを取り出して数を数えるときに、子供同士がピンセットを巡ってケンカしていたので、止めに入りました。ピンセットは先が尖っていて危ないので、「やめなさい」と私が子供の手から取り上げた形になりました。スタッフとしてしたことといえばそれだけですが、よその子供に注意するという普段ないことをして緊張したのと、何より二人の手が温かかったことが、今回いちばん印象に残っています。最近は体温と聞くと、検温や発熱の方に考えが向きますが、ほんとうは人は体温があって当たり前で、元気な証拠なんだということを再認識しました。
 公民館でのアオギリパフォーマンスとても面白くて、アオギリの羽根(実とタネ)がまさか上に飛んでいくとは思わなかったのでびっくりしました。後日、麻布大学に行く機会があったので、私も高槻先生と同じアオギリの木から拾ってきました。
 全体を通して、子供たちが楽しそうにしていることと、子供たちと同じくらいお父さん、お母さんたちも楽しんでいることが嬉しかったです。お父さん、お母さんたちは子供たちよりも興味があって、採集やメモに夢中になっていたかもしれません。大人が楽しそうにしていると、子供にも伝わるのだと思います。

豊口信行
今日はありがとうございました。
天気に恵まれ、事故もなく、アオギリが空の彼方へと吸い込まれていく様を目撃することができ、楽しい一日となりました。

長﨑 薫
観察会では子供たちの果実を見つける速さに驚きました。走り回っているだけかと思いきや、戻ってきたときにはチャック袋にたくさんの種が入っていました。自分も探していたのですが、だいたい先を越されてしまい、子供たちの探索眼には脱帽でした。
 また、集合場所から公民館までの短い道のりで思っていた以上に多くの種類の果実が集まったことにも驚きました。都市部の中の一部に玉川上水のような環境が残されていることで生育できる植物が多くあるのだと気づきました。開発等を行うとしても、元ある自然環境を少しでも残すことが重要であると感じました。
 室内での作業で印象に残っているのはアオギリの種子が風に乗って揚がっていったことです。自分以外にも多くの参加者の方々が印象に残っているのではないでしょうか。ゆっくり落ちることは想像していましたが、上がっていくのは予想外の出来事でした。風に乗って種子を飛ばせるとはいえ、下に落ちるだけではそこまで遠くまでは飛ばないと思っていましたが、上に揚がることで数キロ離れた地にも生息地を広げられる可能性を感じました。
 ドングリを使った工作も非常に良い経験になりました。自分が子供のころには近くにドングリの生る木があったので、ドングリごまやヤジロベイを造って遊んでいましたが、都会に住む子にとっては当たり前ではない体験になるのだと知ることができました。今後、都会の子供と遊ぶ機会があれば一緒に作ってみたいと思います。
 フユイチゴやカマツカを食べている子もいました。フユイチゴは採取の際に一口食べたのですが、野生の植物がこんなにも美味しいのか!と驚きました。人間にとっても美味しい果実ばかりではないですが、目立つ色で美味しくなることにより動物に食べてもらうことで、種を運ぶことを実感できたように思えます。
 最後に部屋を出る際に「マンリョウ落ちてたよ」といって拾ってきてくれた子がいました。自分の目には先生の話はそこまで聞いていないように見えていましたが、ちゃんと名前を覚えて帰ってくれる子がいることに感心しました。自分も仕事で小学生相手に解説するときには聞いていない様で実はしっかりと吸収している子もいることを考えながら話したいと思います。

藤本 優
先日は観察会に参加させて頂きありがとうございました。
私自身もたくさん勉強させて頂きました。
特に黒い実の意味に納得しました。ついつい自分の見え方だけで物を見てしまいますが、もう少し違った視点で考えてみたいと思います。

外での活動では、子どもたちがどんどん木の実を見つけるので、こんなにいろんな実があるのか、と驚きました。子どもの目ってすごいですね。そして元気ですね。
他の子より早く木の実を見つけたくてどんどん走って行っちゃうのですね。
私にも覚えはありますが、私のお母さんはどうやって私を止めていたのだろうと思いながら追いかけていました。

途中、先に行っちゃう子に、「先生の話きこうよ」と言ってみたら、「もういい」と言っていました。「それよりシジュウカラがいっぱいいる!」と言ってきたので、(よくシジュウカラ知ってるなぁと思いつつ)「鳥の方が好き?」と聞いてみました。すると「うん!」。
そこで、「シジュウカラも木の実食べてるんだよ?何食べてるか気にならない?」って言ってみたら、「気になる…」と言って先生のところに走っていきました。
あ、素直だな、と思いました。
子どもって、自分の気持ちとか興味に本当に素直なのですね。もっと関心を引けるように子どもと話せるようになりたいです。

スタッフとして疑問に感じたことがあります。
子供にやっていいことといけないことの基準が不徹底でした。
例えば、「柵を越えちゃいけない」はみんなわかりましたが、「柵を上っていいのか」がわかりませんでした。みんなと離れて上る子を、止めるべきが止めないべきが迷いました。
散歩やランニングの方が沢山いたので、観察会を見て迷惑に思うのではなく、微笑ましく見物してもらえるように開催できるといいな、と思います。

全体としては、子どもたちが本当に楽しそうだったので、良い会だなと感じました。
ありがとうございました。

リー智子
 今回の観察会だけではなく、高槻先生と一緒に木の実草の実を探すということを始めてから、玉川上水にこれほど多様な実がなっているのだということを知り、とても驚いています。こどもたち、お母さんたちにも知ってほしいという願いが、今回の観察会になりました。
 普段歩いているだけでは、これほどまでに多様な植物がここにあるということに気がつく人は少ないと思います。実は小さく赤いものが多いのですが、割ってみると中身はそれぞれ違います。色も、朱、深いえんじ、紫がかったもの、青、くろ、茶色様々で、時には水色から青、紫に変化していくものもあり、本当に綺麗です。歩きながらみんなで探して回るのはとても楽しそうでした。こどもたちはいつも玉川上水を散策しているのに、これほどの実が見つかることに面白さを覚えたのか、先へ先へと探しにいってしまいます。フィールドでの時間はあっという間にすぎてしまいました。 
 室内での、体験を通じた解説も、遊びを通じて大事なことを学ぶという工夫に感心しました。詳しくは先生が報告にまとめられていますが、大人も勉強になる会だと私はとても満足な気持ちでした。
 これは特別な不思議体験でしたが、高槻先生の実験で、アオギリの実がおちてこなくなったことです。同じ場所でくるくるまわっていて、そのうち舞い上がり始め、ゆっくりゆっくりと高く舞い上がり空に消えてしまいました。その日は無風だとおもったのですが、わずかな上昇気流があったのかもしれないです。こんなに不思議な体験を、こんなに身近でできるんだなと思いました。
 高槻先生の観察会は、いつも学ぶことが多く、今度はどんな工夫があるのかなと毎回楽しみです。



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