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玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します
タチツボスミレ 閉鎖花
2016-05-01 04:33:12
|
5月の植物
タチツボスミレ 2016.5.20
5月に入ると
タチツボスミレの花
はなくなります。そして写真のようなものが見られます。これは花が終わったあとの果実かなと思います。実際、中には未熟な種子があります。しかしそうではありません。これは花が終わったあとに、それとは別に伸びてくる一種の花で、花びらがなく「開花」しないので「閉鎖花」といわれます。当然、自作の花粉を自分の雌しべに受粉するので、遺伝的には親とまったく同じものです。閉鎖花はタデなどの仲間やホトケノザなどでも見られます。
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コメント (3)
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3 コメント
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閉鎖花の存在意義?
(
cutiecircus
)
2016-05-21 20:25:17
高槻先生、お疲れ様です!
いつも興味深いレポートをありがとうございます!
閉鎖花・・・2回花をつけるうち、表と裏、ハレとケ、光と影、陽と陰の後者と感じる存在です。
生き物自身にとっての幸せを心配するのは余計なお世話という話もありましたが、それでも閉鎖花というものの存在意義が気になりました。
返信する
閉鎖花
(
高槻成紀
)
2016-05-24 06:29:22
コメントと質問をありがとうございました。
幸せであるかどうかは別としても、なぜそうなっているかとか、なぜそんなものがあるかを考えるのはすてきなことです。
閉鎖花は咲かないだけで、花であることはまちがいなく、花の中には雄しべも雌しべもあります。そして受粉しますが、自分の花の中のことですから、自花受粉ということになり、DNAの交換はおきません。閉鎖花えは他力本願でないので、花粉は確実に受粉できますから、普通の花(開放花)よりも花粉数が桁違いに少ないそうです。花びらもないので、いわば低コストで種子を作ることができるということになります。だから、ご指摘のように葉のわきにひっそりと咲く傾向があります。
これに対して開放花はまさに華やかで、昆虫に授粉してもらうためにコストをかけて目立つ花を作り、花粉もたくさん作りますが、種子はさほどできません。しかしDNAの交換ができますから、遺伝的劣化はおきないし、遺伝的な多様性が確保できます。
閉鎖花の存在意義は、天候不順のために昆虫が不活発などの理由で、開放花はうまく種子ができないときのための安全装置だという考えもあります。そういう年は毎年はないでしょうから、できるときは閉鎖花による遺伝的多様度の高い種子を作り、だめなときは閉鎖花でも種子を作っておけば、「家系は安全」と真田家のようなことをしているといえます。
ではなぜ一部の花にだけ閉鎖花があるのか?その説明はうまくできていません。自然はわからないことだらけです。
返信する
姉妹
(
cutiecircus
)
2016-05-24 06:32:19
早速のご回答有難うございます!艶やかな姉の陰に地味ながらしっかり者の妹あり・・・
返信する
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