鎌倉橋の近くでもう一枚集合写真を撮りました。
11時15分くらいになっており、予定よりだいぶ遅くなりました。そこから津田公民館に移動しました。
学校の教室の半分くらいの部屋でした。
教室の様子
子供に配ったジップ袋には落ち葉や果実が入っていました。
採集品
風で種子を運ぶ植物の例としてアオギリの果実を持ってきました。アオギリの果実は長さが10cm以上のある大きなもので、靴べらのような形をしています。あるいは中華料理で使うレンゲの付け根を扁平にしたような形のほうがわかりやすいかもしれません。付け根のほうが窪んでいて、そこに種子がついていますが、左右で種子のつき方がずれており、多くの場合は片方にしかついていません。これが落ちると、種子のついている付け根のほうが下になり、先の方は平らなので空気抵抗を受けます。この下に落ちる力と空中に留まろうとする力に左右の重さのズレが加わると回転することになります。実にうまくできており、その機能は美しい形として表現されています。
アオギリの果実。左側が付け根
アオギリの果実の回転の原理
このアオギリ果実がくるくると回転しながら落ちるところを見てもらいたかったのですが、天井が低い部屋だったので、一時外に出て脚立に上り、塩ビパイプの先にタッパーの容器をつけてアオギリの果実を入れ、落としました。風で流されましたが、くるくると回転したので、子供達は走って拾っていました。
アオギリの果実を落とす
拾おうとする子供たち
改めて部屋に入ってもらい、黒板に木と鳥とネズミを描きました。
板書
「木は根があって動けません。鳥やネズミは動きたければ動けますが、植物は動けません。でも子供、つまりタネは遠くに動かなければ広がることができません。そのために植物は工夫をします。さっきのアオギリや今日見たセンニンソウやタンポポなどは風を利用します。でも今日集めたナンテンやノイバラなどのような赤い実は鳥に食べてもらうんです」
それから準備していた教材を出しました。クリアーファイルに赤や青や緑の丸い紙切れを張ったものです。それを白い壁をバックに見せたら、それぞれが目立ちましたが、赤い布をバックにしたら赤い実は目立たなくなりました。
「でも林の中にはこういう赤い色はなくて、緑だよね」
と言ってバックを緑の葉っぱをつけたボードにしました。そうすると赤い実が目立ちました。
白のバック
赤のバック
木の葉のバック
「そういうわけで赤い実をつけて<ここにおいしい実がありますよ>と宣伝しているんです」
子供たちの中にはキョトンとした顔をしている子もいましたが、大人はうなずいていました。
子供たちの表情
「では次に3種類の果実を配るので、中に入っているタネの数を調べてください」
と言って、ヒヨドリジョウゴとマンリョウとジャノヒゲを配りました。
ヒヨドリジョウゴ(赤)とジャノヒゲ(青)
ヒヨドリジョウゴには30個以上の小さなタネが、マンリョウには大きい1個のタネが入っていました。ジャノヒゲは、果肉はなくて果皮しかありません。
「ヒヨドリジョウゴとマンリョウは、同じように赤い実ですが、中に入っているタネは数も大きさも違います。つまり全然違う仲間の花が同じような実になったということです。これが鳥に一番魅力的だということです。鳥はこれを見て<おいしそうな赤い実だ>と思うわけです。ところがジャノヒゲは果肉がないので栄養はありません。タヌキの糞にはよく出てきますが、これはタヌキが騙されているということになります。これは赤ではなく青い実ですがツヤツヤでタヌキにはおいしそうに見えるのだと思います。同じような実を食べておいしいので、これを見ても食べてしまうのでしょう。ジャノヒゲはサービスを省略してずるくタヌキを騙していることになります」
ジャノヒゲ
あとで、スタッフの坂本さんが言いました。彼女はタヌキによる種子散布で卒論を書きましたが、ジャノヒゲは人が食べても少し甘い味がするそうです。そうだとすればタヌキは多少満足感があるのかもしれません。
種子の取り出しの最後にアオツヅラフジを配りました。この中には不思議な形をした種子が入っています。その形はアンモナイトに似ています。種子を取り出した子供には実体顕微鏡で見てもらいました。
顕微鏡を覗く
虫メガネで見る
事前に豊口さんや参加者、高槻が集めていた果実を机と黒板の下に並べました。その解説の時間がなかったのは残念でしたが、「こんなに色々あるんだ」と皆さん、関心を寄せていました。
集めた果実類
つづく
集合写真
11時15分くらいになっており、予定よりだいぶ遅くなりました。そこから津田公民館に移動しました。
学校の教室の半分くらいの部屋でした。
教室の様子
子供に配ったジップ袋には落ち葉や果実が入っていました。
採集品
風で種子を運ぶ植物の例としてアオギリの果実を持ってきました。アオギリの果実は長さが10cm以上のある大きなもので、靴べらのような形をしています。あるいは中華料理で使うレンゲの付け根を扁平にしたような形のほうがわかりやすいかもしれません。付け根のほうが窪んでいて、そこに種子がついていますが、左右で種子のつき方がずれており、多くの場合は片方にしかついていません。これが落ちると、種子のついている付け根のほうが下になり、先の方は平らなので空気抵抗を受けます。この下に落ちる力と空中に留まろうとする力に左右の重さのズレが加わると回転することになります。実にうまくできており、その機能は美しい形として表現されています。
アオギリの果実。左側が付け根
アオギリの果実の回転の原理
このアオギリ果実がくるくると回転しながら落ちるところを見てもらいたかったのですが、天井が低い部屋だったので、一時外に出て脚立に上り、塩ビパイプの先にタッパーの容器をつけてアオギリの果実を入れ、落としました。風で流されましたが、くるくると回転したので、子供達は走って拾っていました。
アオギリの果実を落とす
拾おうとする子供たち
改めて部屋に入ってもらい、黒板に木と鳥とネズミを描きました。
板書
「木は根があって動けません。鳥やネズミは動きたければ動けますが、植物は動けません。でも子供、つまりタネは遠くに動かなければ広がることができません。そのために植物は工夫をします。さっきのアオギリや今日見たセンニンソウやタンポポなどは風を利用します。でも今日集めたナンテンやノイバラなどのような赤い実は鳥に食べてもらうんです」
それから準備していた教材を出しました。クリアーファイルに赤や青や緑の丸い紙切れを張ったものです。それを白い壁をバックに見せたら、それぞれが目立ちましたが、赤い布をバックにしたら赤い実は目立たなくなりました。
「でも林の中にはこういう赤い色はなくて、緑だよね」
と言ってバックを緑の葉っぱをつけたボードにしました。そうすると赤い実が目立ちました。
白のバック
赤のバック
木の葉のバック
「そういうわけで赤い実をつけて<ここにおいしい実がありますよ>と宣伝しているんです」
子供たちの中にはキョトンとした顔をしている子もいましたが、大人はうなずいていました。
子供たちの表情
「では次に3種類の果実を配るので、中に入っているタネの数を調べてください」
と言って、ヒヨドリジョウゴとマンリョウとジャノヒゲを配りました。
ヒヨドリジョウゴ(赤)とジャノヒゲ(青)
ヒヨドリジョウゴには30個以上の小さなタネが、マンリョウには大きい1個のタネが入っていました。ジャノヒゲは、果肉はなくて果皮しかありません。
「ヒヨドリジョウゴとマンリョウは、同じように赤い実ですが、中に入っているタネは数も大きさも違います。つまり全然違う仲間の花が同じような実になったということです。これが鳥に一番魅力的だということです。鳥はこれを見て<おいしそうな赤い実だ>と思うわけです。ところがジャノヒゲは果肉がないので栄養はありません。タヌキの糞にはよく出てきますが、これはタヌキが騙されているということになります。これは赤ではなく青い実ですがツヤツヤでタヌキにはおいしそうに見えるのだと思います。同じような実を食べておいしいので、これを見ても食べてしまうのでしょう。ジャノヒゲはサービスを省略してずるくタヌキを騙していることになります」
ジャノヒゲ
あとで、スタッフの坂本さんが言いました。彼女はタヌキによる種子散布で卒論を書きましたが、ジャノヒゲは人が食べても少し甘い味がするそうです。そうだとすればタヌキは多少満足感があるのかもしれません。
種子の取り出しの最後にアオツヅラフジを配りました。この中には不思議な形をした種子が入っています。その形はアンモナイトに似ています。種子を取り出した子供には実体顕微鏡で見てもらいました。
顕微鏡を覗く
虫メガネで見る
事前に豊口さんや参加者、高槻が集めていた果実を机と黒板の下に並べました。その解説の時間がなかったのは残念でしたが、「こんなに色々あるんだ」と皆さん、関心を寄せていました。
集めた果実類
つづく
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