玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

22.7.2 参加者の感想

2022-07-03 06:35:37 | イベント
関根麻美

暑い中観察会をありがとうございました。残念ながら私は用事があり、今回は夫と娘で参加しました。帰宅した娘に感想を聞くと、
「疲れたけど、楽しかった! モンシロチョウやハチやアリやバッタや色々な虫が見られて良かった。ミツバチ役ができて嬉しかった。」
とのことでした。
夫も、初めての観察会を体験して、刺激を受けたようです。
暑さ対策に、キュウリのキューちゃんの漬物や塩分補給の飴も頂いたみたいで、ごちそうさまでした。娘がキュウリが美味しかった♪と言っていました。
 高槻先生の素敵な絵のカードも、ありがとうございました。お花達が可愛くて、本当に素敵に描かれていますね。写真立てに入れて、飾らせて頂きますね。


 暑い中、主催される側は色々大変だったと思います。本当にお疲れ様でした。楽しい時間をありがとうございました。

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稲葉のぞみ (7/4受)

土曜日は大変な暑さの中、興味深い観察会をありがとうございました。
1つの花にくる虫を定点観測する…というのは初めての体験でした。いろんな虫が飛んでくるものなのですね。また、花の形により、飛んでくる虫もさまざまだということも、初めて知りました。
 家の前の道路脇にタチアオイが群生しているところがあるのですが、観察会後に眺めたとき、飛んでくる虫のことがとても気になりました。
「あ、触覚が長めだから、これはハチだね」
とか
「花粉だらけになってるから、しっかり花粉を運んでいる昆虫なんだな」
とか。ほんの少し、花と虫の見方が変わった気がします。

もっとゆっくり昆虫を定点観測できたら良かったですが、さすがに暑かったですね。
でも、家族揃って、土曜日としてはありえないくらいの早起きをして、終日鷹の台を満喫しました。玉川上水沿いの遊歩道は、とてもいいですね。樹液のにおいって、あんなに強烈なのだなあと…また、虫好きのお子さんがたくさんいて、みんな身の乗り出し方が力強くて、そういうのを見ているのも面白かったです。

解散後、鷹の台駅まで歩く途中、たくさんの巣箱が設置されているのに気づきました。
どんな鳥がやってくるのかなあと興味が湧きました。

ぜひまた次回以降のワークショップにも、参加したいです。
貴重な体験と、そして、歩きながらの講義、本当にありがとうございました。

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リー智子 (7/6受)

 とても暑くなりそうだという予想から、いつもよりかなり早い時間に開始しました。玉川上水の自生野草観察ゾーンまでは、わき目もふらずにどんどん歩いて行こうと計画していましたが、実際に歩いてみると、タヌキのフンや、カブトムシの死骸を見つけたりなどの思いも寄らない出会いがあり、どうしてもその場での解説が必要になりました。高槻先生の解説は、とても面白いので子供たちは前のめりで聞き入っていました。そういうことで時間を取られ、実際の訪花昆虫の調査が終了した頃には、子供たちは少し疲れてしまったのではないかと思います。でも、虫をじっくりと見つめるという行為は、なかなか普段やらないことなので、それだけでもいい経験だったのではないかと思います。高槻先生の虫コスチュームでの解説には子供たちは喜んでいたようでした。終了後には、「また参加したい!」という声をいくつかいただきました。疲れたけれども楽ししく、得るものは多かったことは確かだと思います。

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新野葉子 (7/8 受)

 2日の観察会のスタッフの方々、この間は酷暑の中本当にありがとうございました!
 いただいた塩分チャージのタブレットが効いたのか、玉川上水が日光を遮っていたからか、私は元気に楽しむことが出来ました。待ち合わせに向かう途中、虫取アミを持っているせいか、3人もの方に
「おっ!何捕まえるんだ?」
とか
「今年も虫取始まったか~」
などと声をかけられました。そんなことでもなんだか嬉しくなりましたが、虫取アミを持って自然を探検できる場所が近くにあるなんて、改めて嬉しくなりました。
 花の前で10分来る虫を観察する体験は初めてでした。大人の私より娘の方がシビアで、「ママ、動かないで!」とか「きっちり10分測らないと!」等々言われてしまいました。あんなに小さい虫たちで、脳ミソもあるのかな…と思ってしまいますが、自分に相応しい花を見つけて蜜を吸いに来る。生き物て凄いなと思いました。

暑い中一生懸命に観察会を良くしようとしてくださるスタッフの方々や高槻先生にも感動した日でした。ありがとうございました。

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上野夏穂、滉太、泰子 (7/12受)

 訪花昆虫の観察会ありがとうございました!!
 今回は、初めての子どもだけの参加をさせてもらって、親なしでどんなことを学んでくるだろうとワクワクしてました!
 会が終わって、子どもと再開したとき、充実した時間があったようでうれしかったです。
 今回は酷暑の中の開催ということで、娘のの感想は、やはり、「暑かったー!」というのが一番でした。でも、腕の中には、大きな笹の葉に包まれた、いっぱいのラズベリー*と色とりどりのお花を抱えていました。普段、足早に通り過ぎるだけだった玉川上水でも、ゆっくりじっくり、観察しながら進むと、こんなに沢山のお気に入りに出会えるんだと、感心してしまいました!!

笹の葉に包まれたオカトラノオの花、エゴノキとナワシロイチゴの果実

 息子は、訪花昆虫よりも、それらを迎え撃つ生物に夢中だったみたい。やれ、「カマキリがいたっ!」「トカゲを捕まえるために飛び込んだっ!」と、観察に邪魔になってはいないかと、心配になる感想がいっぱい。。。温かく見守ってくどさった皆様、ありがとうございました。 
 
 今回の観察会は、子どもたちに普段の忙しい生活から、一歩離れ、ゆっくり玉川上水と向き合う素敵な時間になったようです!虫のデータを見ながら、わが家の花にはどんな虫がやってくるのか、観察してみます。

* キイチゴの仲間をラズベリーと言います。玉川上水にはモミジイチゴ、ニガイチゴ、ナワシロイチゴ、エビガライチゴ、カジイチゴなどいろいろなキイチゴがありますが、多くのものは既に果実も落ちています。ナワシロイチゴは遅い方で、今がちょど春です。花は小さいのですが、イチゴのつぶつぶはむしろ一番大きいくらいです。この仲間はRubusというグループで、Rubusというのはラテン語のrubo(赤)ということから来ていて、要するに赤い果実をつけるということです。宝石のルビーも同じ語源です。そういえばナワシロイチゴの果実はルビーみたいです。ついでに言えば口紅をルージュといいますがこれも同じです。
それにしても、花や果実を笹の葉に包んだかほちゃんセンスは素晴らしい。高槻

ナワシロイチゴのルビーのような果実

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新村一家(7/12受)

しんむらそうすけ(6歳)
糞虫にあえて懐かしかった。
10分間でいっぱい虫が花に来た。
絶滅危惧種の白い花*を見れてよかった。

しんむらたかし(父)
花の形によって寄ってくる虫が違うことがよくわかって、面白かった。花にも種類によって生き残る戦略が違うことも、面白かった。途中の道を歩きながら、色々な虫などを探して先生にその場て教わるのも楽しかった。

しんむらあいこ(母)
10分間の中で昆虫が訪れてくれると、なんだかとても嬉しかったです。花に、お皿形と筒形があって、虫の訪れ方がそれぞれであることにびっくりしました。先生のデモンストレーションが分かりやすかったです。

*白い花というのがオカトラノオだったら絶滅危惧種ではありません。高槻

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近藤ちえ(7/15受)

先日は、偶然お声かけていただいたご縁から、観察会で大変貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。虫や玉川上水の解説もさることながら、薬草茶やきゅうりの漬物、本当に美味しかったです・・・!!おかげで酷暑の中も乗り切れました。

小学1年の息子と2人で、初めて観察会に参加しました。酷暑の中でしたが、緑多い玉川上水の遊歩道を散策しながら高槻先生の説明を聞くことができ、本当に貴重な経験ができたこと、大変感謝しております。

カブトムシの死骸の散らばったのを見ながら、どんな状況だったかを探ったり、道端の糞を広げながら糞虫を見つけたりすることも新しい体験でした。花の咲く場所での10分の観察は日向のため、かなりの忍耐を要しましたが、リーさんやスタッフの皆さんから飲み物を分けていただいたりしながらなんとか乗り切ることができました。

観察会の持ち物に「双眼鏡」とあったので、何に使うのだろうと思いながら持ってきていたのですが、少し藪の中にあったアキカラマツを観察するのに役立ちました。何もいないと思われていた花の中に、小さな甲虫が隠れていたのを見つけた時は息子と2人で声をあげて喜びました。

公民館でも花と虫との関係性を、わかりやすく解説していただきました。「ファーブル」という携帯用の顕微鏡で、採集した虫をその場で観察でき、子どもも熱心に顕微鏡を覗いて、虫の大きさや、毛の生えた足などに驚いていました。

子供は道すがら、いろいろな昆虫をつかまえられたところと、カブトムシの死骸の観察をできたところが楽しかったようです。



今回得た知識を普段の散策にも活用しつつ、また機会がありましたら参加したいと思います。

<記録>
観察した1本目はオカトラノオでした。チョウやアリが集まっていました。
オカトラノオとヤマトシジミ

2本目はアキカラマツを観察しました。こちらは、なかなか虫の姿が見つか
りませんでしたが、双眼鏡でしばらく探したところ、ようやく5mm程度の小さな甲虫を発見しました。


アキカラマツ


アキカラマツに来ていたハムシ

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22.7.2 花にくる虫しらべ 3 結果

2022-07-03 04:22:49 | イベント
野外での観察は こちら 
室内での説明は こちら

酷暑でしたので、作業は最低限で抑えましたが、皆さん熱心に観察してくださいました。
 記録してもらったのは花の前に10分間立って、その花に来た昆虫をチョウ、甲虫、ハチ、ハエなどのグループで記録してもらうというもので、選んだ花はオカトラノオ は全員(8家族)、アキカラマツが2、そのほかのタカトウダイ 、ノブドウ、ノカンゾウ、ノアザミは1例だけです。この日は暑すぎて熱中症の心配もあったので各班に2例だけ記録してもらいました。比較するには不十分だったので7月7日に私が3例を追加したものも補足しています。
 それを集計したのが表1で、この表では合計値を出しており、記録数が多い花は虫の数も多くなっています。これは平均値にすると記録数が多くても数が少なすぎる花があるためです。訪花昆虫の数が最も多かったのはオカトラノオで50匹、次いでタカトウダイが32匹、ノブドウ20匹、ヤマハギ16匹と続き、あとは少ないという結果でした。

表1. 訪花昆虫の記録


このうち数が多かった上位の4種について説明します。

<オカトラノオ>
 まずオカトラノオです。名前のトラノオ(虎の尾)は花が長くのびる(花序という)からです。そこに小さな花が100個くらいついて、付け根の方から開いています。

オカトラノオ

 一つの花は小さく、さまざまな昆虫が訪れます。

オカトラノオにハチ

オカトラノオにチョウ(セセリチョウ)

 一つの花を取り出して撮影してみました。そのきれいさにちょっと驚きました。

オカトラノオの一つの花

 その断面を見ると、花はくぼんでいますがそのくぼみは浅く、底の方に蜜があって舐めたらほのかに甘みがありました。これならハエのような短い口の昆虫でも舐められそうです。

オカトラノオの花の断面

<タカトウダイ>
 タカトウダイはトウダイグサというグループの1種です。トウダイというのは灯台ですが、海を照らす灯台ではなく、昔、部屋でロウソクを立てるのに使った灯台のことです。というのはこの花が平板な面になっているのが特徴的だからです。一つの花が平板の上にあり、それがいくつかあって合わさってそれも台の上にあり、そのだいがまた集まって茎から放射状に出るという複雑な作りです。

タカトウダイ 

花をよく見るとメシベがあって、蜜が出ているのがわかります。花の周りはよい香りがしていました。


タカトウダイの花

 こういう花ではアリやハエのような口が短くて蜜をなめる昆虫でも蜜が利用できます。実際アリが来ていました(ただし、この写真は別の時に撮影)。

タカトウダイの花にきたアリ

観察会でも32匹の昆虫のうちアリが19匹を占めていました。

<ノブドウ>
 次に多かったのがノブドウでした。ブドウの仲間ですからつる植物で、ススキなどの植物に絡まっていました。

ノブドウ

 まだ咲き始めでしたが、それでも昆虫20匹が確認され、一番多いのはアブでした。

ノブドウの花

この花も蜜が表面で舐められそうです。

<ヤマハギ>
ヤマハギは低木で高さが2メートルくらいになり、小さな花がたくさん咲いて綺麗なので、秋の七草にも選ばれています。

ヤマハギ

その花はマメ科の「蝶形花」と呼ばれ、複雑な形をしています。エンドウなどと同じ作りで形の違う5枚の花弁でできています。

ヤマハギの花

これを取り出してみました。左側の先が濃くなった花びら(舟弁)は舟のような形で、その上にピンクの花びら(翼弁)が2枚あり、中央に縦に立つ大きめの花弁(旗弁)があります。その奥に筒のようなものがありますが、舟弁はここから始まっています。


ヤマハギの花を横からみたところ

 その花の翼弁を外し、手前の花弁をとるとこうなります。長いおしべとめしべがあり、舟弁からはみ出しています。舟弁は左右に2枚あってそれが両手を合わせるようにくっついておしべ、めしべを包んでいます。こういう作りになっていますから、旗弁を目印によってきた昆虫は舟弁の奥にある蜜を吸うために舟弁にとまって口を伸ばします。多分その時に口の周りに花粉がつくのだと思います。


ヤマハギの花の内側

 実際にヤマハギにきたミツバチの写真を見ると、そのように見えます。

ヤマハギで吸蜜するミツバチ

<比較>
 そこでこの4種に来た昆虫の比較をしてみました(図1) 。オカトラノオ 、タカトウダイ、ノブドウの3種の花はいずれも「浅い」形なので、口が短くて舐めるタイプの昆虫でも利用できますが(説明はこちら)、実際の結果もそうなっていました。図1では長い口の昆虫を濃い青、短い口の昆虫を水色で示しましたが、これらの花にはどちらの昆虫も来ていました。それでもタカトウダイはアリが、ノブドウはアブが多いという違いがあり、オカトラノオは特に飛び抜けて多いものはないようでした。これも花の作りとの関係がありそうです。
 これらに対してヤマハギは筒型の花なので、口の長い昆虫でなければみつを吸うのは難しそうでしたが、実際ハチが多く、一例だけキチョウが来ました。


図1. 4種の花へ訪れた昆虫の数

 今回は酷暑条件の中でできることが限られましたが、私がヤマハギの追加調査をして花の形と昆虫の訪問とに関係がありそうだということは示せたように思います。「花の前に立って10分観察する」ということはやればできることです。ぜひ近所で試みて、報告してください。
 花の前で昆虫がくるのを待つという体験が、子供たちに「生き物を調べること」の記憶として何かを残してくれたらいいなと思いました。

*写真の一部は「玉川上水花マップ」のものを使わせてもらいました。




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22.7.2 花にくる虫しらべ 2 室内でのまとめ

2022-07-02 20:34:50 | イベント
 皆さん、炎天下にもかかわらず熱心に観察してくださいました。オカトラノオともう一つの花を見てもらい、公民館に移動することにしました。

 そこで、今日の観察の説明をしました。そのために私は「教材」を準備していました。一つは昆虫の触覚です。それを子供につけてもらいました。

触覚をつけてもらう

 あとでこの「触覚」をつける子もいました。

 

「いろんな花があって、いろんな虫が来るわけですが、大きく分けると花には2タイプがあります。一つは皿型のもので、もう一つは筒型のものです。今日見たもらったオカトラノオは皿型のほうです。」

それから「複眼」とハエの口を模したものをマスクに付けました。

ハエの口

 それから息を吹くと紙の筒がビューンと伸びるおもちゃをチョウの口に見立てました。それをペットボトルで作った筒状の花に突っ込みました。

筒状の花を吸う蝶

「チョウはこういう口を持っているから蜜が吸えますが、ハエは舐める口なのでこういう花の蜜は吸えません」
「これはチョウやハチはどうぞ、でもハエやアブには意地悪をしているわけです。いろんな昆虫が来てくれた方が花粉を渡してもらうのにいいのに、なぜそんな意地悪をするのでしょうか」
「それには訳があって、いろいろな虫がくるのはいいけど、その虫は別の花に行く可能性が大きく、それでは花粉を確実に渡してもらえません。その点、チョウならチョウに限定すれば、そのチョウが同じ花に行ってくれる確率がずっと高くなる訳です。言ってみれば、皿型の方は安い一杯飲み屋、筒型の方は高級バーみたいなものです。一杯飲み屋は値段が安い分、お客さんにたくさん来てもらって売り上げにします。そういう商売もあるし、高級バーのように客の数は少ないけど、高いので商売が成り立つ商売もある訳です」

「酒は安いが客が多い」一杯飲み屋と「客は少ないが値段が高い」高級バー

 この説明は子供にはわからなかったような気がしますが、大人は笑顔で納得したようでした。

「いろいろな花がいていろいろな虫が来る訳ですが、そこには花が虫に来てもらうための工夫があり、その結果、花の形に応じて来る虫が違うというルールがあるようなのです」

 机の上に今日採集してきた昆虫をシャーレに入れて置きました。

シャーレに入れた昆虫

そしてルーペや小ったい顕微鏡でのぞいてもらいました。
「うわあ、でかい!」
「こうなってるんだ」
子供も大人も歓声を上げていました。

ルーペや顕微鏡でのぞく

 子供たちに調査の意味がどれだけわかったかはわかりませんが、それでも花の前で昆虫が来るのを待った体験が子供たちの心に何かを残してくれたらいいなと思います。テレビなどで豊富な情報が流れますが、そういう受け身の情報ではなく、自分自身で生き物のことを調べて自然のことを理解することが楽しいことだということに気づいてくれることを期待したいと思います。

* 写真の公開は了解を得ています。


 
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22.7.2 花にくる虫しらべ 1 野外観察

2022-07-02 18:39:21 | イベント
調べた結果は こちら
室内でのまとめは こちら
参加者の感想は こちら 


以下のようなチラシを準備しました。


 当日の朝、8時半に鷹野橋に集まり、うさぎ橋に移動して、9時に挨拶、説明をしました。
 挨拶では主催者「びちち」のリーさんから、趣旨、気をつけること、特に暑さ対策の説明があり、私は玉川上水の価値、今日のテーマである訪花昆虫の意義、記録の仕方などを説明しました。

落ちていたノウゼンカヅラで受粉の説明をする

ついでにジャノヒゲの花が咲いていたので、解説しました。

 それから歩き始めましたが、しばらくすると子供が何かを見つけたらしく、地面を指差しています。近づくとイヌの糞らしいものがありました。でもよく見るとそうではなさそうでした。というのはピンセットを取り出してバラすと甲虫の翅などが入っていたからです。ドッグフードを食べている犬は昆虫などまず食べません。それにそういう犬の糞はベトついていますが、これはパサついていました。私はタヌキの糞分析をしているので、夏になると昆虫が出てくることを知っています。そういうことからこれはタヌキの糞である可能性が大きいと思いました。

糞を調べる

 いずれにしても、興味があったのはその糞にきていた糞虫です。2匹いて、1匹はメスで名前はわかりませんでしたが、もう1匹はこの辺りによくいるコブマルエンマコガネではなく、クロマルエンマコガネでした。

 
コブマルエンマコガネ    クロマルエンマコガネ

 その後である子が樹液に来ている虫を採ってきました。ヨツボシオオキスイという長さ1cmくらいの光虫ですが、後で接写して拡大してみて驚きました。名前の通り、翅に4つホシ(点)があるのですが、ただ色が黄色だけでなく、象嵌(はめ込み)になっていて、黒っぽくザラザラした翅の中に半透明な宝石のような別物が埋め込まれたようになっていました。

ヨツボシオオキスイ

 こういうことをしていると先に進まないので、説明を終えて進むことにしました。ところがまたしばらく進むと、子供たちが集まっています。去年、ナラ枯れが起きたためにコナラの木が伐採されて、その切り株があります。そこに何かあったというので見ると、イヌザクラの種子でした。
「これはサクラのタネで、落ちただけではこんなにかたまっていないから、これは鳥がここで、糞をしたか、口から吐き出したものだよ。こうしてタネを運ぶんだよ」
 その先でまた切り株を囲んでいる子がいました。見るとメスのカブトムシの死骸で、バラバラになっていました。きっとカラスにでも食べられたのだと思います。

切り株にあったカブトムシの死骸

 子供たちは大人以上に自然の中から何かを見つけるのがうまいものですが、この時もそう思いました。「次に何があるかな?」と思ったのか、先を競って走りだす子もいました。例外なく男の子です。

 木陰を歩いたのですがそれでも30度を超えました。よく歩く道なのですが、いつもより長く感じました。

暑い中を歩く

ところどころ樹液の匂いがしました。カナブンを見つけてとろうとしましたが、この時はうまくいきませんでした。

虫を見つけてとろうとする子と見つめる子供たち

ようやく小川水衛所につき、そこで右岸に移って四阿(あずまや)で説明をしました。

四阿(あずまや)で説明

「この先は野草保護観察ゾーンといって明るい場所にはえる野草を戻すために上にある木を伐採したんです。今オカトラノオ という白い花が咲いているので、ここで観察をしてもらいます。花の前で10分間待って、昆虫がきたら時間と虫の名前を記録してください」

そうして家族ごとにオカトラノオ数本分をみてもらうことにしました。


「あっ、きたよ!」


「あそこにもいたよ』

ノカンゾウを見る家族

「よく見てね』

花と昆虫のスケッチ


* 写真の公開は了解を得ています。

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