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TICO合宿に参加して(jaih-s合宿)

2013年10月01日 | 地球市民教育
この5月に実施されたjaih-s(日本国際保健医療学会学生部会)の合宿について、
以下のとおり報告がありましたのでご紹介させていただきます

報告者:福岡女子大学国際文理学部食・健康学科3年 松崎凜子さん



【日時】2013年5月2日~4日
【場所】TICO道場(徳島)
【参加者】11名
【プログラム】
5月2日 TICO集合
5月3日 *農作業 麦畑の草取り 朝食のための野菜の収穫
      ~朝食~ 
     *TICOについてのお話
      ~昼食~
     *ワークショップ(ラクの物語)
      ~夕食~ 
     *懇親会
5月4日 *農作業 畑の草むしり 朝食のための野菜の収穫
      ~朝食~
     *さくら診療所の見学
     *ワークショップ(宇宙ステーション)

私にとって初めての四国は今回のTICO合宿の参加だった。約1か月前のキックオフミーティングから8期後半の
運営委員をさせていただくことになったのだが、その時に、紹介されていたこのTICO合宿。
TICOってどんなNGOなのか、どんなところでどんなことを学ぶのか、正直よくわからないまま、「何か面白そ
うな合宿があるらしい。」ということで参加を決めた。また、国際保健医療に興味がある友人は少なく、
その中で、同じ興味をもって頑張るjaih-sの運営委員のメンバーと一緒に「国際保健医療」について学ぶことが
できる機会があるという思いで、参加を希望した。
農作業体験
 1日目の夜に到着した私にとっての初めての活動は、農作業体験をすることから始まった。早朝、眠い目をこ
すりながら国際保健医療と農作業体験ってどんなつながりがあるのだろうかと少し疑問に思いながら道路
をまたいで反対側にある畑に向かった。道場の近くでの農作業体験ということで、家庭菜園のような畑かと思い
込んでいたが、案内されたのは大きくて立派な畑。今日は麦畑の草取りということで、約30分、せっせと
草取り行った。麦が列になって植えられている間には雑草がびっしり生えており、抜いても、抜いてもなかなか
前に進むことができなかった。農作業の後は、朝食の食材として畑の野菜を収穫し、参加メンバーで道場のキッ
チンを借りて朝食を調理した。
ラクの物語
 午前中は「ラクの物語」という貧しい女性とその子供の命の話を用いたワークショップを行った。ワークショ
ップをすることは初めてのことではなかったが、今回のワークショップではポストイットに書いたそれぞれの言
葉がどのようにつながっているのかということを突き詰めて考えていく作業に焦点を当てていた。突き詰めれば
突き詰めるほど、女性の置かれた状況がどのような原因で生じているのか、その根本にあるものは何なのかと考
えていくのが難しくなる一方で、これが現状でもあると改めて感じさせられた。また、メンバーと話しながら作
業をすることを通して新たな視点をえることが出来たり、自分の考えを伝えることができた。確かに、ワークシ
ョップの話は一例であり、話を進めるときはA4サイズ1枚の情報しか与えられていない。しかし、一人の女性に
ついて考えるだけでも、文化や習慣の違いや生活環境や経済状況など、最初の原因は何なのか、何が根本なのか
と考えると、堂々巡りになってしまう。また、このような状況で何を変えればうまくいくのか、自分に何が出来
るのかということが見えなくなってしまいそうになった。そんな時に、ワークショップをするメンバー内での多
分野や多職種との協働を考えることで自分にできることや協力してもらいたいことなど、一人では変えられない
状況とそれを変えるためにはどう協力していくかということを考え、これは机上での話であると自覚しつつも、
現場に出て考えるときにはこのような視点が需要になることを痛感した。
宇宙ステーション
 最終日の午前中には、宇宙ステーションで人間が生きていくためには何が必要かということを考えた。宇宙船
の規模は何でもいい、どんな宇宙船にするかは自由という設定で2つのグループに分かれ自由に議論を行った。
エネルギーは何にするのか、通貨を作るのか、政治はどうするのか…生き延びないといけないという条件で、
より良い宇宙船、持続可能な生活にするために熱く話し合った。
「自給自足の生活をするなら農業を始めないといけないね。」「農薬はどうする?」
「エネルギー源は何にしようか。」「原子力は危ないんじゃない?」
私たちが最後の人類で生き残りをかけたとなると、考えも慎重になり、どれだけ持続可能な生活ができるかとい
うことに焦点を当てるようになった。
その時の吉田先生からの質問に私ははっとした。「じゃあ、何で、農薬や原子力を使わないの?」
その答えに私は「やっぱり、取り返しがつかなくなると思うので…」とあいまいな答えしかできなかった。
宇宙ステーションでは「取り返しがつかない」からやめようと思うことを地球では平気でやってしまう、地球
では「取り返しのつくふり」をしている自分に気が付いて、「はっ」としたのだった。
地球のことなんて、規模が大きすぎて普段考えることもなく、こんなことを友人と話したら照れくさいような話
を持続可能な宇宙ステーションを考えるということに置き換えて真剣に話すことで、国際保健医療の分野を志し、
世界の命を考えるにあたって、地球のことを考える視点も必要だということを感じた。
自分にできること
 3日間の合宿を通して、国際保健医療に興味があると言いつつも普段はあまり考えることのない、地球規模の
問題について考えることで、新たな視点を得ることができた。今の自分にとって、国際保健医療に興味を持ち世
界の命に貢献したいと願う一方で、資源を大切にしていなかったり、環境に配慮した生活をしていなかったこと
をふりかえると、矛盾してしまっていた気持ちになった。
 また、お話の中で、与えられたことをがむしゃらにやる、日本の最先端を学び一流になってから途上国に行っ
た方がいいというお話もあり、今の自分をふりかえった時に、あれもこれも興味がある、ちょっとやってみて違
うなと思ったことは力を抜いてしまうなど、目の前のことなのに目の前のことに一生懸命になれていない自分が
いることに気づいた。
 熱い仲間と国際保健医療や地球規模の問題、将来について熱く語る中で、今の自分に足りないことや伸ばして
いきたいことを見つけ、さらに新たな視点を得るとこができ、素敵な時間を過ごすことができた。
また、地球規模で国際保健医療に考えることや多職種との協働が重要となることなど、新たな視点を得ることが
できた。
この合宿で得られた学びや経験を、今後の活動や自分の進路に活かしていきたいと思う。



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