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ザンビアの思い出 その2  車窓から見るザンビア2

2011年12月20日 | TICO ザンビア
TICO事務局の伏見です。

前回のブログでは、車窓の風景から見える「ザンビアと日本のつながり」や「変わりつつあるザンビア」について少し触れました。今回は、前回とはまた違った面について書いてみたいと思います

まず初めに、道路のわきにあった看板について。

軽い渋滞で車が動かなかったときに、ふと前方を見やると、仲よさそうにしている男女の写真が載った大きな看板が…(写真がなくて申し訳ありません)気になったのでよく見てみると、こんなことが書いてあります。

「私は結婚しています」

「でも私の夫はこの男性のことを知りません」


さて、これは一体何の看板なのでしょう?
実はこれは、エイズの予防に関する看板でした。最初はこの看板の意味が分からなかったので、現地の方に聞いてみました

これはあくまでその方の意見であって、ほかの意見ももちろんあると思いますが、その方いわくこの看板の要点は「Be honest(正直であれ)」ということだそうです。
ザンビアでは、部族・宗教・社会的地位によっては一人以上のパートナーを持つ人もいるそうです。「性交渉を持つ前に、自分と相手のエイズのステイタスを調べよう。そうしないと、自分のパートナーにも、そしてその他の人たちにも感染が広がってしまう。」ということでしょうか。この看板では女性が主体となっていますが、男性が主体のものももちろんあります。テレビでもキャンペーンのCMがあるらしく、この看板のような内容のものがいろんなバージョンで流されるそうです。

エイズは現在でも深刻な問題であり、その影響もあってザンビア国民の平均寿命は40歳をきっているそうです。女性の地位があまり高くなく、避妊を含めた家族計画の知識がまだあまりなじみ深いものになっていないことが、エイズの広がりの原因の一部とも考えられます。

さて、前回のブログでは急速に増えつつある車の数について少し触れましたが、交通事故は現在もザンビアでは死亡原因の上位の項目となっています。ミニバスの事故も多く、亡くなる方も多いとか…車に乗って外を見ていると、トラックの後ろの荷台に何人かの人が乗っているのをよく見かけます。車が速いスピードを出して走っていて、カーブでのところで荷台からふり落とされて亡くなる方もいるそうです(

また、雨の日には特に交通事故には注意が必要です12月から4月はザンビアでは暑い雨季になりますが、私の滞在中に大雨が降ったときに大型のトレーラーが横転しているのを見かけたこともありました
局所的に激しい雨がふることもあるそうで、道の半分では雨が降っているのにその反対側では降っていないのが目で見えることもあるとかないとか…。雨が降っているところと降っていないところが遠くからくっきり見えたときは、とても驚きました


(局所的な雨)
さらに雨の日には、舗装されていない道がぬかるんで車が動かなくなることもあるそうです。舗装されていない道は赤土が空の色に映えてとても美しいのですが、前に車が走っていると土埃で前が見えなくなります


(この時は土埃で前がまったく見えなくなりました)

雨は農業においても非常に重要なのですが、コンパウンドと呼ばれる無計画居住区/貧困地区では雨は深刻な問題を引き起こすこともあります。道がぬかるんで車が通れなくなり、ゴミや下水が道にあふれだしてしまうこともあるそうです。ショッピングアーケードが増えたりと発展をとげていくルサカですが、貧富の差が広がっていっているのもまた事実です。

変わりつつあるザンビアですが、変化が求められるところはまだたくさんあるように思われます。そしてそれは日本も同じであり、特に貧富の差の拡大などの問題においては、日本とザンビアにつながりが見えるように思いました。

文責:事務局(伏見)