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鳥取県大山町・豊成叶林遺跡 旧石器時代の石器製作の跡や炉跡が出土

2011年11月03日 | Weblog
 県埋蔵文化財センターは1日、大山町豊成の豊成叶林遺跡(とよしげかのうばやしいせき)で後期旧石器時代(約4万~1万2000年前)の石器製作の跡2カ所、炉跡1カ所、石器83点が出土したと発表した。 同センターによると、「旧石器時代のムラ」と考えられ、県内最古の遺跡という。
① 出土した石器は最長2・8cmのナイフ形石器7点、石刃(せきじん)2点、小石刃6点など。 材料は松江市玉湯町周辺で採れる玉髄(ぎょくずい)で、隠岐で採れる黒曜石製は長さ3・3cmのナイフ形石器が1点あった。
② 石器などは約2万8000年前に鹿児島湾北部の噴火でできた姶良(あいら)丹沢火山灰層のすぐ下から見つかったため、2万8000年以上前のものと分かった。 当時は氷河期とも重なるため、海面が今より100mほど下がっていたとされ、当時の人たちは歩いて隠岐の島や島根と行き来していたのではと推測されるという。
③ 石器製作の跡は、完成品から砕片まで集まっている石器ブロックで、2・5m離れて2カ所あり、いずれも直径約1mの円形であった。 1カ所は炉跡と一体化していた。 石器ブロックは、西に約4km離れた2004年の「門前第2遺跡」(同町門前)以来2例目。
④ 旧石器時代の焚き火などをした炉跡が見つかったのは県内初で、生活の場だったことが確認された。

 「豊成叶林遺跡」と近くの縄文、古墳時代前期(約1,700年前)の集落跡の遺構などが発見された「倉谷荒田遺跡」(大山町倉田)の現地説明会は3日(木・祝)に実施された。
 県立図書館(鳥取市尚徳町)では、9~23日に出土旧石器の速報展が開かれる。
[参考:日本海新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、鳥取県埋蔵文化財センター]

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