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奈良市・平城宮跡 東方官衙地区から檜扇12個が出土

2009年08月08日 | Weblog
 奈良市の平城宮跡の「東方官衙地区」から、ヒノキの薄い板を重ねた奈良時代の「檜扇(ひおうぎ)」12個が見つかった。
調査した奈良文化財研究所によると、檜扇が宮内でまとまって出土するのは初めてで、過去に出土したものより状態が良く、具体的な形が分かる貴重な発見という。「鈴守」木簡が出土したのと同じ遺構で見つかった。
 檜扇は厚さ0・3cm、長さ約10~30cmの板が3~7枚、木のくぎや細い糸で結んで束ねられ、字の練習をしたとみられる跡や人名のメモの跡が残っていた。
 現場からは、兵士に関連する施設「衛府(えふ)」に関係する木簡が大量に出土。平安時代の儀式書「西宮記」(10世紀)には、「衛府から檜扇が天皇に献上される」と書かれており、奈良時代から衛府で扇が作られていた可能性があるという。
 檜扇は奈良時代ごろに登場し、平安時代には現在のような紙張りの扇に変わっていく。
[参考:朝日新聞、毎日新聞]

過去のニュース・情報
 2009.8.5奈良市・平城宮跡 東方官衙地区から駅鈴の鈴守に関する木簡が初出土
 2009.1.14平城宮跡 ごみ捨て穴から過去最多、数万点の木簡が出土

その後の関連記事
2011.2.20
 前述の、平城宮跡・東方官衙地区から出土した檜扇を奈良文化財研究所が復元した。
 平城宮跡資料館(奈良市佐紀町)で開催中の発掘速報展で展示している。
[参考:奈良新聞]

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