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松江市・キコロジ遺跡 平安初期の「賀太」と書かれた墨書土器が多数出土

2010年08月27日 | Weblog
 松江市教委は26日、キコロジ遺跡(同市朝酌町)で、平安初期(9世紀頃)の墨書土器29点や漆器の皿3点、土製の馬などが見つかったと発表した。
 墨書土器は、直径約12cm、高さ約1.3cmの須恵器。「賀太」と書かれている土器が大半を占めており、「出雲国風土記」など古代の文献には見られず、複数の筆跡があるため、地名か人名などの固有名詞の可能性が高いという。ほかに、「南」「草」の字など。
 墨書土器は、国府跡など役所の跡から見つかる例が多いが、集落跡などでまとまって出土するのは希という。
 このほか、古墳時代後期(6世紀後半頃)の漆塗りの刀の柄頭2点も出土した。1点は未完成品のため、周囲に工人がいた可能性がある。緑釉陶器なども見つかり、周辺に豪族などの有力者が住んでいたことを示す貴重な発見とする。
 ほかに、田下駄や火おこしの道具などの木製の生活品も多く見つかった。
 同遺跡は、長善寺(ちょうぜんじ)ため池改修に伴い5月から調査。低湿地にあり、周りの平地から転落したものが遺物として残ったとみられる。
 出土品の一部は28、29両日9時~17時、朝酌公民館(同市朝酌町92-1)で展示される。午前10~11時には調査担当者による調査結果の発表もある。
[参考:読売新聞、山陰中央新報、中国新聞、NHK、松江市HP]

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