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韓国の前方後円墳 海南龍頭里古墳を発掘調査 6世紀中頃築造

2008年11月22日 | Weblog
海南・龍頭里古墳
 11月21日、朝鮮日報(インターネット版)の記事に、今回の海南・龍頭里古墳の記事が出ていた。
 タイトルは、「海南・龍頭里古墳」 任那日本府 亡霊から抜け出した前方後円墳 13ヶ所中7ヶ所発掘「倭色濃厚だが任那日本府説反証」 である。
 現在まで把握された韓半島の前方後円墳13基中7基が姿を表した・・・と始まり、前方後円墳の性格を簡単に触れた上で、韓国で確実に把握された古墳13基を下記のように整理している。 ◎は調査が行われた古墳( )内は調査した機関
  全北高敞郡七岩里古墳
  全南霊光郡月山里月桂古墳.
  潭陽郡古城里古墳(月城山古墳)および声月里古墳(月田古墳)
  咸平長年里長鼓山古墳
  咸平馬山里杓山古墳群第1号墳
 ◎咸平礼徳里新徳古墳(国立光州博物館)
 ◎光州明花洞古墳(国立光州博物館)
 ◎光州月桂洞1および2号墳 (全南大博物館)
 ◎霊岩郡チャラボン(자라봉)古墳 (韓国精神文化研究院)
 ◎海南方山里古墳 (国立光州博物館)
 ◎海南龍頭里古墳 (国立光州博物館)

 これらの築造時期は、論議があるが最近では6世紀半ばに集中して造成されたという点には学界が大概合意している。前方後円墳は日本列島から由来したということには異論はない。前方後円墳は1980年代に入る前まではこの地球上でただ日本列島にだけであったが、その後、前方後円墳が韓半島にも存在するという事実が次から次へ表れ、さらに実際の発掘成果でも「倭色」が濃厚に現われたという事実が明確になるに連れて、古代韓-日関係史、特に「任那日本府説」と関連して、両国学界で非常な関心を集めた。「任那日本府説」は虚構であると自信を持っていた韓国学界としては困惑を隠すことができなかった。
 こういう「憂慮」を最も克明に見せた事件が咸平新徳古墳(6世紀前半)発掘である。この古墳は1991年3月国立光州博物館が現地実測調査をして盗掘穴があることを発見して、同じ年6月17日以後7月18日まで約一ヶ月の間発掘調査を実施した。盗掘被害を受けたが、後にその盗掘品を相当数回収した上に収拾遺物も侮れず、最も多い成果を出したと記している。

 韓国に現れた前方後円墳は明らかに日本のものだが、出現時期が6世紀であり、任那日本府説にはあてはまらないと言いたかったわけなのだろうか。


[11月20日掲載分]
 国立光州博物館(館長・趙現鍾조현종)が20日、前方後円墳である海南龍頭里古墳(해남 용두리고분)を発掘調査し、その成果を発表した。
 栄山江流域を中心に、湖南地方には前方後円墳10基余りが分布しており、そのうち一部は発掘結果で出土遺物や埋葬構造に倭色が濃厚に現れて、韓国と日本の古代史学界や考古学界の非常な注目を浴びてきた。
 龍頭里古墳発掘調査では数回にわたる盗掘で、出土遺物は石室内部と封土そして墳墓周辺を巡らす溝から、土器類若干と玉類、鉄器類をわずかに収集しただけであった。
 したがって今回の調査は、古墳の築造過程と性格を究明して今後遺跡整備復元の基礎資料を確保するのに注力したと話す。
発掘調査結果、龍頭里古墳は典型的な前方後円墳で全長41.3m、後円部は直径24.3m、高さ5.2mであり、前方部は幅17.5m、高さ3.8mであった。
 墓中央では、横穴式石室が確認された。この石室は自然地表面から1m以上の盛土で底を作った後、長台石を敷いた。さらに、石室の4つの壁面は、割石と黄白色粘土を満たして上に行くほど狭くなるように築造したことが明らかになった。石室規模は、長さ3.43m、幅2.17~2.38m、高さ1.8mであった。
また、墳墓上の封土を保護して装飾効果を出せるように板石を置いたことが分かった。
 博物館は今回の調査結果「築造技法と墳墓様式を解明することができたし、さらに墳墓頂上部で祭祀跡とみられる資料を確保した。築造時期はすでに調査した他の前方後円墳墓の咸平(禮里) 新古墳、光州・明花洞古墳等の出土遺物と石室構造などと比較すると、6世紀半ばと考えられる」と話している。
 現場説明会は21日午後2時開催される。
[参考:聯合ニュース]
コメント
 貼付されている写真には、土器として鉢形器台(발형기대)、玉類として、勾玉1個、管玉数個、様々な色の大小の玉類が写っている。

2013-02-20
 康津郡永波里で14番目の前方後円墳を確認。(全南・康津永波里古墳)
 残存全長が67m。

2013.10.10
 全南羅州佳興里新興古墳(나주 가흥리 신흥고분)で5世紀半ば築造の前方後円墳(全長約30m)を確認。

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