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飯田市・塚原二子塚古墳 現地見学会11/15

2008年11月16日 | Weblog
 飯田市教育委員会は15日、同市桐林にある市史跡「塚原二子塚古墳」で現地見学会を開いた。1500年前に造られたとみられる同古墳は、長さ72mの前方後円墳で、古墳が多い飯田下伊那地方にあって、最大級の規模。
 今回の調査は、周囲に廻る溝や埋まっている埴輪、墳丘に取り付けられた葺石などを調べ、本来の大きさや形を調べる目的。遺構を崩すことなく細長い溝を掘って部分的に調べる調査で、昨年度は後円部の2カ所を掘り、今年度は前方部の6カ所を調査した。
 発掘調査で、墳丘の周りを廻る周溝や古墳の表面に積み上げられた葺石などが、新たに発見された。墳丘の上から壊れて落ちてきたとみられる埴輪の破片も見つかった。周囲の溝を含めた古墳の大きさが100m前後になるとみられている。
 参加者70人は、発掘を担当した同市教委の渋谷恵美子さんの解説を聞きながら見学。
 周溝は空堀で墳丘をさらに大きく見せるためとみられ、これまで調査で見つかった葺石や周囲の溝などから、墳丘の全長が72m以上の可能性が出てきたという。
 「数年前まで形もはっきりしなかったのに、前方後円形が出てきたので驚いた。」という住民もいる。
[参考:南信州新聞、中日新聞]

塚原二子塚古墳
 全長72mの二重周溝を持つ前方後円墳で、5世紀代の築造とみられる。周囲には16基の古墳があったとされ、塚原古墳群と呼ばれている。円筒および形象埴輪片が出土している。下伊那史によると同古墳から兜が出土したとされているが、現存していない。墳丘にある石材から、竪穴式石室があったと考えられているが、まだ埋葬施設は確認されておらず、埋蔵物が残っている可能性も残されているという。
 飯田市には県指定史跡の古墳が5ヶ所あるが、同古墳は昭和43.11.19に市指定史跡となった。また、飯田市の中での規模としては、県指定史跡である飯沼雲彩寺古墳(全長80m、前方後円墳)と高岡第一号古墳(全長76m、前方後円墳)に次いで3番目である。

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