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上野国新田郡庁跡 正殿跡と石敷き通路が発見

2009年01月14日 | Weblog
 太田市教育委員会は13日、国指定史跡「上野国新田郡庁跡」(同市天良町、約2・08ヘクタール)で正殿跡と石敷き通路が発見されたと発表した。
 同史跡は、奈良・平安時代の郡役所である新田郡衙の中心施設。2007年5~12月の発掘調査で、7世紀後半~9世紀前半のものとみられる一辺約50mの大規模な建物跡が敷地の東西南北で確認された。国内最大級の貴重な古代官庁遺跡として、08年7月に国史跡に指定された。
 同年11月から進められている第二期調査で、四方を長屋群に囲まれた中央部の建物跡に、礎石が据え付けられた跡が10カ所発見された。奈良文化財研究所にも見てもらったところ、柱の配置から、郡司が政務を行った正殿跡であることが分かったという。
 大きさは、横15m、奥行き7m程度で、ほぼ同じ場所に掘立柱建物の遺構も確認されたため、早い段階ではこの掘立柱の建物が正殿に使われ、後に礎石を使って正殿が建てられたとみられる。
 その南側で出土した石の遺構は、長さ10mにわたり、10~20cmの石が敷き詰められ、早い時点の正殿への通路と推定された。
掘立柱でなく、礎石の上に柱を立てる方式が使われており、このような正殿や石敷き通路の発見は、これまでに確認された全国の郡庁跡約40カ所ではいずれも初めての事例という。
 このほか、国指定区域の西側では、納税された米を蓄えるための「正倉」跡も4棟発見され、10m四方大の正倉10棟以上が2列で整然と並んでいた可能性が高いこともわかった。
 24日午前10時~午後3時に現地説明会が開かれる。問合せは市教委文化財課へ
[参考:読売新聞、東京新聞]
[関連] 上強戸遺跡群

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