歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

御所市・巨勢山古墳群 ゴルフ場拡張工事で少なくとも4基の円墳を破壊

2010年06月07日 | Weblog
 御所市の国史跡、巨勢山古墳群(5~6世紀)で、隣接する秋津ゴルフ場の拡張工事に伴って、文化財保護法に基づく文化庁の許可を受けずに一部の古墳、少なくとも4基が破壊されていたことがわかった。市民からの通報で発覚した。同庁などはゴルフ場運営会社「秋津原」(同市)に古墳を元に戻すよう指導した。市教委と文化庁は6月中に復旧委員会を立ち上げ、本格的な回復方法を検討する。
 同古墳群は、市南部の東西約3.3km、南北約3.5kmの丘陵地帯に約700基の小古墳が集中し、国内最大級の規模という。地元有力豪族の葛城氏や巨勢氏との関連が指摘されている。02年12月に国の史跡に指定された。
 ゴルフ場の「秋津原ゴルフクラブ」は、昨年11月、打ちっ放しの練習場を拡張するため、所有地である史跡指定地の山の斜面を約5400㎡にわたって崩した。この際、直径十数mの円墳4基(170~173号墳)の一部を壊し、2基は半壊していた。4基とも未調査だった。
 通報を受けた市教委は同月26日、工事中止命令を出し、斜面の崩落を防ぐため、防護ネットを張るなどの仮復旧工事を今年5月末までに実施した。
 ゴルフ場側は「重要な古墳だとは知っていたが、一昨年4月に経営者が代わり、前の経営者から工事ができる部分がどこかを引き継いでおらず、認識が曖昧だった」などと曖昧な話しをしている。
 文化庁は「論外の行為。古墳を元に戻すよう求めた」としている。
[参考:読売新聞、時事通信、朝日新聞、テレビ朝日、NHK、FNN、産経新聞、毎日新聞]

2010.6.9 毎日新聞は、9日下記のように報じている。
 奈良県建築課は、昨年12月に御所市から連絡を受けてゴルフ場側から事情を聴き、その後数回にわたり指導したが、現在も申請していないという。ゴルフ場側は、文化財保護法に基づく現状変更許可申請も文化庁に出していないことが分かっている。[参考:毎日新聞]

国内最大級の古墳群壊す…ゴルフ場拡張工事(読売新聞) - goo ニュース
ゴルフ場拡張工事で古墳損壊 奈良・御所の国史跡(朝日新聞) - goo ニュース
ゴルフ場工事で古墳4基損壊=国史跡、無許可で掘削―奈良・巨勢山(時事通信) - goo ニュース
ゴルフ場拡張で国史跡の古墳破壊 奈良、許可得ず工事(共同通信) - goo ニュース

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 京畿烏山 先月発見された朝... | トップ | 鹿嶋市・塚原館跡 水槽のよう... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事