歴歩

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向日市・元稲荷古墳 西求女塚古墳(神戸市)と形も規模もほぼ同じ

2013年03月01日 | Weblog
 向日市埋蔵文化財センターが28日、3世紀後半築造の前方後方墳の元稲荷古墳(京都府向日市)が、同時期の西求女塚古墳(神戸市灘区)と双子のように形も規模もほぼ同じことが分かったと発表した。 それぞれの被葬者は大和政権の同じランクに属し、どちらも政権が派遣した同じ職人集団が設計したのではないかとしている。
 元稲荷古墳はこれまでに、同時期の卑弥呼の後継者壱与(台与)の墓説がある西殿塚古墳(奈良県天理市)の2.5分の1の相似形で、築造技術も似ていることが判明し、また、卑弥呼の墓といわれる箸墓古墳の約3分の1の規模であることがわかっている。
 1月からの調査で、後方部の西側で基底石や葺き石が出土し、墳丘の西端の位置を突き止めた。その結果、元稲荷古墳の全長が94m、後方部の幅、長さが50m、後方部とつながるくびれ部の幅は23m、前方部前端の幅47mと判明した。前方部は、これまでの調査で長さ約42mとしている。
 西求女塚は全長98m、後方部長さ・幅は50~52m、くびれ部幅が25m、前方部前端の幅49mで、2つはほとんど同じ大きさ。 細長い石を積み上げて葺く工法も似ているという。
 現地説明会は3月3日(日)午前10時半から開かれる。
[参考:共同通信、京都新聞、産経新聞]

過去の関連ニュース・情報
2012.9.21 元稲荷古墳 全長94mの前方後方墳と確定
 五塚原古墳(全長90mを超える前方後円墳)、元稲荷古墳、寺戸大塚古墳の順で築造されたことが判明。
2012.2.15 元稲荷古墳 西殿塚古墳の2.5分の1で造営
 前方部の形が西殿塚古墳と酷似し、2.5分の1サイズと分かった。
 前方部と後方(円)部の長さの比率が、箸墓古墳とほぼ同じと分かった。 
2010.9.23 元稲荷古墳 くびれ部で葺石が多数出土し、造り方の技法が大和の大王級古墳と相似
 中山大塚古墳(天理市)や黒塚古墳(同市)と造り方が相似
2010.2.27 元稲荷古墳 葺石の構築方法に違い、複数の集団が関与か
2009.2.19 元稲荷古墳 後方部でも敷石が見つかり墳丘表面全体を石で覆う
 箸墓古墳の約3分の1の規模だったことが確認された。
 讃岐産の祭儀用土器片が出土。被葬者と讃岐地方との関連がうかがわれる。
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