テトキチワールド

 松山在住のテトキチの食べたり、旅したりの記録。ときどき、シャム社長のおともをします。

ちょっとはずした山形の旅⑧~芋煮のまぼろしの味を求めて

2013-06-05 07:54:54 | 国内旅行ー北海道・東北
 米沢というと、米沢牛というブランド牛の産地です。その米沢牛隆盛の基礎をつくった恩人・ダラス氏の顕彰碑が上杉公園にありました。碑文をよく読んでみると、良質の種牛を海外から移入したとか、画期的な飼育方法を伝えたとかではなくて、単に米沢の牛のおいしさを横浜の外国人たちに教えたということ(だけ)のようです。これで、大々的な顕彰碑をつくるのだから、米沢の人たちは人がいいなあ。



 そんなわけで米沢市内には、精肉店、ステーキ店、焼肉店などが建ちならんでいます。店先に牛の置物がある店が何軒もありました。こんなところで食べ歩きをしたら、お金がかかりそうです。



 山形に行くことになり、たのしみだったのは、実は山形の郷土料理・芋煮です。本来、秋のものだから、大幅に時期をはずしているのですが。学生時代、米沢で合宿したことがあります。宿泊は小野川温泉で、街はずれで活動したので米沢の市街地は知らないに等しいのですが。その時、夕飯にでた芋煮のおいしさが、いまだに忘れられません。



 ということで、ステーキでも焼肉でもなく、芋煮を目指しました。米沢の人たちにとって芋煮は、おそらくは料理屋で食べるものではなく、家族や仲間で川原にて鍋を囲むものなんでしょうが。川原でひとり食べるわけにいかない私は、米沢駅前の「まるぶん」に入りました。伊予小松駅前にも「マルブン」があるけれど、駅前食堂の定番的な名称だったのだろうか。



 芋煮定食(1500円)です。芋煮のねぎが煮込まれていないで、シャキシャキ感を残しているのは、なんだか料理店っぽいです。



 さて、期待に胸ふるわせて食べてみると、うん、なんだか味が薄い。学生時代に食べたものとちがって、出汁に甘みがない。こんなんじゃな~い、という思いが心を満たしました。隣の机では、中年の夫婦らしき人たちの奥さんの方が、牛鍋を食べて「おいしーいー。たまにはゼータクしなくちゃね。ほんと、おいしー」と、奇声をあげまくっています。その声を聞けば聞くほど、納得できない気持ちが膨らみました。



 米沢で納得できなかった私は、山形でも芋煮を食べてみることに。霞城セントラルの1階に入っている「いのこ家」です。場所がら、観光客や出張客相手のお店だろうなと思ったら、予想通りでした。



 芋煮(680円)です。こちらは、小ぶりの鉄なべに入れられて登場。



 出汁をすすると、やっぱりふつうの醤油仕立て。なんの変哲もありません。「もう煮えていますから、そのままお食べください」といわれましたが、まだ半生の里芋もまじっていました。牛肉の肉質もよくはなく、米沢のお店はそれなりの肉を使っていたんだな、ということが確認できました。



 翌朝、山形にて宿泊したホテルの朝食会場に行くと、なんと芋煮が鎮座していました。それだったら、観光客相手の店になんか行かなくてもよかったな、と思ったのですが後の祭りです。



 ごっそりぶんどって、食べてみました。無料ですから、さすがにお肉は固いです。でもいもはよく煮えています。ねぎも鍋で煮られていて、大鍋で出ているせいか、なんだか一番芋煮っぽかったです。でも、やっぱり味つけは、甘みがなかったなあ。



 ということで、思っていたような芋煮を食べることができませんでした。小野川温泉で食べた芋煮の味は、記憶の中で美化されているのであろうか。でも同宿だった者は、あの時、「スキヤキの割下のような味だね」といっていたので、かなり甘みをおびた出汁であったことは間違いないと思うのだけれど。もし、次に米沢出張の機会があれば、小野川温泉に宿をとろう。季節は、秋に。そんなに都合よくいかないだろうなあ。


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