続・てんしん日記2022

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おひとりさまの在宅死

2013-10-12 23:27:00 | 勉強会
 「在宅ひとり死準備セミナー」に上野千鶴子さんが基調講演するというので予約をし、出かけました。300人の参加者は高齢の方が多かったです。
 参加された方々は「死ぬとき、誰かに手を握っていてほしいか。子や孫に取り囲んでほしいか」の上野さんの問いに「ノー」と言う方が多く、私は不覚にも何の準備も考えもなしで参加し、多分「さようなら」と言ったり、「ありがとう」と言ったりするのかなあと漠然と考え、冷や汗が出ました。多分そんなことないよね、一人で死ぬのだったら。すごい人たちが参加されているのだとまず感じました。

 場所は多摩市でした。回数を重ねていて、今回は在宅医療機関それぞれの医師2名、在宅介護専門の看護師兼ケアマネと上野さんのパネルディスカッションもありました。市長も参加されていて、途中質問に答える形で参加されていました。

 24時間体制で介護の手があれば自宅で、家族の介護を当てにせず、ひとり身でも死を迎えることができるという究極を追及していることは、介護の質が全体で上がることでもあるでしょう。現在は深夜のヘルパー手当が安すぎてまだまだだと問題が出されましたが、すでに各地で取り組まれてきているようです。

 医師のお一人が「近所に友人をつくるのがいい」との発言に、上野さんは「いやや、近所と仲良くはいらない、毎日安否確認できる友人がいれば」と都市生活者として反論され、ケアマネが「本人のたしかな意思が自宅介護を選ぶことが必要」ということに対しても、上野さんは「できるだけ、ぐずぐずだましだましがキーワード」と介護する側、介護される側の意見があり、興味津々でした。トータルライフマネージメントに意思決定はいらない、という上野さんの考え方ははるか進んでいるように思えます。認知症の度合い、病気の進行を考えても、どの辺にいてどうなるかの予想は誰もわからないはずだからです。ケアマネからは介護度により具体的な費用も出されて、施設に入ることを想定せず、いまのままで老い、死を迎えることが可能になるのも遠くないと思えるようではありましたが、病気せず、死ぬまで仕事しながら、は理想でしょうね。
 おくればせながら上野さんの書いた最近の本を何冊か読んで勉強しているところです。



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