天皇陛下の靖国神社御親拝を希望する会会長

日本人の歴史認識は間違っています。皇紀2675年こんなに続いた国は世界の何処を探しても日本しかありません。

穴沢利夫陸軍大尉の婚約者への遺言

2016-11-22 14:06:52 | 歴史

福島県出身 中央大学卒 陸軍特別操縦見習士官1期 陸軍特別攻撃隊 第20振武隊 昭和20年4月12日沖縄周辺洋上にて戦死 23才




穴沢利夫大尉遺書

「婚約者への遺言」

二人で力を合わせてつとめてきたがついに実を結ばずに終わった。

希望を持ちながらも心の一隅であんなにも恐れていたのだ。 時期を失する といふ事が実現してしまったのである。

去年十日、楽しみの日を胸に描きながら池袋の駅で別れたが、帰隊直後、我が隊を直接取り巻く状況は急転した。発信は当分禁止された。転々と所を変えつつ多忙の毎日を送った。そして今、晴の出撃の日を迎えたのである。

便りを書き度い、書く事はうんとある。

然し、そのどれもが今迄のあなたの厚情に御礼を言う言葉以外の何物でもないことを知る。あなたのご両親、兄様、姉様、妹様、弟様、みんないい人でした。至らぬ自分にかけて下さったご親切、全く月並みの御礼の言葉では済み切れぬけれど、「ありがとうございました」と最後の純一なる心底から言っておきます。

今は従に過去に於ける長い交際のあとをたどりたくない。問題は今後にあるのだから。常に正しい判断をあなたの頭脳は与えて進ませてくれる事を信じる。しかし、それとは別個に婚約をしてあった男性として、散ってゆく男子として、女性であるあなたに少し言って征きたい。

「あなたの幸せを望ふ以外に何物もない」 「従らに過去の少義に拘るなかれ。あなたは過去に生きるのではない」 「勇気をもって過去を忘れ、将来に新活面を見出すこと」「あなたは今後の一時々々の現実の中に生きるのだ、穴沢は現実の世界にはもう存在しない」

極めて抽象的にながれたかも知れぬが、将来に生起する具体的な場面場面に活かしてくれる様、自分勝手な一方的な言葉ではないつもりである。純客観的な立場に立って言うのである。今更何を言うかと自分でも考えるが、ちょっぴり欲を言ってみたい。

1、読みたい本「万葉」「句集」「道程」「一点鐘」「故郷」

2、観たい画「ラファエル 聖母子像」「芳崖 非母観音」

3、智恵子。会いたい。話したい、無性に。



 伊達智恵子(旧姓孫田)さん
2013年享年90歳

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