自ら実名と顔出しでレイプの被害者が記者会見をした。
強姦、婦女暴行をレイプと呼ぶが、事件の立証は同意の解釈とその有無から非常に困難を極める。
被害女性はレイプによる精神的苦痛やトラウマから記憶を呼び覚ます事が再び同等のダメージを受けるセカンドレイプにもなり得るので、裁判の証言時も細心の注意が求められる。この様な理由やその後の本人の生活を考えて通常実名顔出しは控える。
未成年のレイプは被害者の精神状態にダメージを与え、罪悪感、自傷行為、自殺に至る事例もあり、事件そのものを隠す傾向にある。
そんな中にあって実名、顔出しでのレイプ被害の会見は加害者への怒りと言うよりも、性犯罪全体、被害者全ての思いを代弁しているようにも感じる。
しかしながら一点だけ「共謀罪より優先して欲しい」の言葉だけが、政治的発言で、共謀罪阻止の為の政治利用とも取られかねない。この一言の為に実名顔出しの意味が全て政治的発言となってしまい、背景にあるものが性犯罪被害者ではなくなってしまうからだ。
再燃した慰安婦問題に関しても同様の違和感を感じていた。日本軍の慰安婦は圧倒的に日本人が多くその割に女性の人権被害者として名乗り出る者はいない。
そもそも戦時レイプを防止する為の慰安婦であり、現在の様に日本軍が悪では無かった時代の目的を持った慰安婦、しかも兵士の何倍もの給料を得ての慰安婦なので、恥じる気持ちが人権を超えているからであろう。
朝鮮人慰安婦を如何にすれば戦時売春婦から被害者となりうるか、それは強制的に慰安婦にさせられ、その主体が日本軍である事が必要条件である。つまり、「軍による強制性」が被害者となり得る慰安婦である。
歴史認識の軍国主義否定、悪の日本帝国軍の共通認識から現日本政府に対する賠償、謝罪の政治的目的に女性の人権を利用している。
あくまでも慰安婦問題を再燃したのは日本人であり、根底に女性の人権がある。
この伊藤詩織さんは山口氏を告発したが昨年7月に不起訴処分になっており、山口氏も今年4月からインターネットメディアに登場している。
通常不起訴に対し直ぐに不服申し立てをせずに何故今頃になって会見を開いたのか?との疑問を推測すると、TBSを退社したことが一つの理由で恐らく退社を社会的制裁と考え一旦は溜飲を下げたのだろう。
しかし、今年4月より山口氏の露出が増えそれを見るにつけ知名度もあがり沸々とした気持ちになったとの推測が可能だ。
もしこの被害を共謀罪との政治的な言葉を伊藤氏を利用して言わせたフィクサーがいるとすれば、被害的なレイプ犯罪はあまりにも犯罪性が疑われ慰安婦問題にも似た女性の人権を利用した政治的主張となってしまう。
しかも、性犯罪全体の代弁者から山口氏だけの憎悪という個人的動機での実名顔出しである。つまり、過去のTBS時代の山口氏の蛮行に「山口氏の強制性」があったとして現日本の司法に訴えるとの慰安婦と同じ構図が見えてくる。
要するに「顔出し」の効果は『少女像』と同じ実態を知らない者へ強烈に被害者の存在を知らしめ、「レイプ」の言葉は『性奴隷』のようにその被害性が一人歩きする。
しかしながら、慰安婦は職業であり、伊藤氏は犯罪である。現警察の性犯罪に対する捜査手法への不備をも訴えていることとなり、限りなく売春に近い風俗や性犯罪を抑止するという建前のAVや漫画が公然と営業され販売されている。
これらあまりにも女性の人権を軽視した現在の風俗産業は野放しのままであり、性犯罪は後を絶たない。私はこれこそが男尊女卑であり、女性蔑視、女性の人権の軽視であると考える。
伊藤氏の顔出しは1日でも早く、これらの法整備と人権保護が必要であると言っているように思えてならない。