佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

歳。

2010年12月25日 01時53分50秒 | 日記・エッセイ・コラム
 
 どうして、世の書店には、
自己啓発本とか、ビジネス書とか、
ああいうものがあんなに沢山売っているのか、
不思議でした。
 
 
 少し前、
合唱指揮コンの前に、
そういった類いの本を買ったと書いた記憶があります。
要は、必要に迫られるから、というだけのことなのですが。
 
 
 最近、自分の関わるところ、
そうでないところも含めてほぼ全て、
「大人」が集まるところというのは、
どうして一枚岩になれないのだろうと感じることが
非常に増えてきました。
人間関係や、仕事のやりとりで、
本当に問題なく上手くいっているというところって、
どのくらいあるものなのかなと感じます。
あからさまな破綻をきたすこともありますが、
人が、というか大人が集まっていると、
大なり小なり、色々な問題が生じるものだと思います。
 
 
 学生の集まりで生じることとちょっと違うんですよね。
学生の場合は、
そういう集まりや輪から離れたりとか、
それこそそういう人と関わらないとか、
そういう選択肢が存在する場合が多いのですが、
大人の集まりの場合、
仕事に限らず、放棄したり辞めたり、
関わらないとか無視するとか、
そういう方法を取ることが出来ない場合が多い。
嫌でも何でも目の前にあることをやらないといけない、
大人はそういう立場に立つものなのだと思います。
 
 
 要は、上手くいかないということが前提で、
それを解決するにはどうしたら良いのか、
ということで上記のような本が書店にたくさん並ぶ訳です。
 
 
 あとは、一般的な傾向として、
大人はプライドが高い、
歳をとることによって思考が偏るというか固まる、
ということもあると思います。
言っていることが正しいか間違いか、
という議論での衝突もありますが、
そもそも皆自分が正しいと思っているから、
当然衝突が生じる訳ですね。
 
 
 だからといって、
そういう本を頼りたくはないのですが、
頼りたくなる気持ちが少し分かってきた、
という感じ。
 
 
 
 
 あと、
 
 
 自分の力ではどうしようもないことが増える、
のも歳をとって感じることです。
 
 
 歳をとると、
仕事に限らず、それなりに役職が上がって、
好かれるだけ、ただ純粋なだけでは
仕事にならなくなってきます。
批判されるたり陰口を叩かれたり、
そういう矢面に晒されることが増えてきます。
 
 
 音楽家であれば、
例えば自分の関わった演奏に対して、
聴いた人は色々なことを好き勝手に言う訳です。
当たり前ですが。
それが個人事業主、
ソロの演奏家だったり指揮者だったりすれば、
自分自身にモロに跳ね返ってくるということ。
 
 
 そういう部分では、
どういうジャンルでも、
嫌われたり批判されたりすることは一流の証、
と言うこともあるでしょう。
そういう立場に立てば立つほど、
自分ではコントロール出来ないことが増えていく訳で、
それに対してどうするかということ。
結局は自分の信じることを
正しいと思うことを必死にやっていくしかない、
ということに行き着くのだろうと。
 
 
 誰かがああ言っていたとか、
雑誌がこう書いていたとか、
それを気にすることが、
結果的にマイナスになることも多いでしょう。
だからと言って耳を貸さないのが良い訳じゃないですが、
結局は結果で示すしかない、
という結論に行き着くのだろうと。
 
 
 35歳になって(驚。。。)、
来年年男で(涙。。。)、
少しずつ、そういうことに直面する機会が増えている、
そう感じます。
必然的に、
「自分とは何か」
という問いと格闘することになるでしょう。
否、もう始まっています。
  
 
 歳だ。
 
 
 ハッキリしていること、
曲げてはいけないこと。
 
 
「音楽」は嘘をつかない。
「音楽」に嘘はつけない。
 
 
 
 
 
 あ、クリスマスだ。