18
信号が変わる。ギアを入れ、走り出す。交番の前を通ると、ようじは「ここ、ここ。ここも俺たちの思い出の場所になったな」と言った。
「そやなぁ。高1ん時の、山に捨ててあった、ヤマハの125な。」
それは、たまたまイトウとチャリでフラフラしている時やった。舗装もしてない山道を上がった草むら中に、ナンバーを外した単車があった。それを見つけたイトウと俺は、単車の具合を見て、あんまり錆びてもおらんし、走りそうやと思って、一月位様子を見て、移動してなかったら拾いに行こうと計画した。単車は、捨てたのかもしれんし、盗まれたもんかもしれんけど、ずっとそこにあって、俺とイトウは、計画通り、一か月後、単車を拾いに行き、空き家の軒にいれて、家からガソリンやらオイルやら工具やらを持ってきて、足らん部品は、町のホームセンターにいって、ためていた小遣いで買うた。
それで、イトウと俺は、部品を外して灯油で洗ったり、部品を交換したりしながら、キックスターターを蹴ってたら、マフラーから煙が出てきて、エンジンがかかった。
今思えば、それがあかんだと思う。
エンジンは一回火が入ると、調子ようなり、ようじやマサカズ、キヨヒコも呼んで、皆でお金出しあって、パンクしていたタイヤもきっちりを治して、交代で農道を乗りまわした。
それからは俺らのええ遊び道具になった。
こがんでもアクセルひねれば、スピードが出る。しかも、向かい風も関係なしに、目の前の風景が、後ろへ飛んでく。もう、それだけで、面白かった。
新しい遊びを手に入れた俺らは、夢中になって、なにを思たか、公道に出て、駄菓子屋まで行って、みんなで菓子を食うまでになった。そしたら、ある日、なんでかわからんけど、突然、ポリさんが駐在バイクでやって来た。
信号が変わる。ギアを入れ、走り出す。交番の前を通ると、ようじは「ここ、ここ。ここも俺たちの思い出の場所になったな」と言った。
「そやなぁ。高1ん時の、山に捨ててあった、ヤマハの125な。」
それは、たまたまイトウとチャリでフラフラしている時やった。舗装もしてない山道を上がった草むら中に、ナンバーを外した単車があった。それを見つけたイトウと俺は、単車の具合を見て、あんまり錆びてもおらんし、走りそうやと思って、一月位様子を見て、移動してなかったら拾いに行こうと計画した。単車は、捨てたのかもしれんし、盗まれたもんかもしれんけど、ずっとそこにあって、俺とイトウは、計画通り、一か月後、単車を拾いに行き、空き家の軒にいれて、家からガソリンやらオイルやら工具やらを持ってきて、足らん部品は、町のホームセンターにいって、ためていた小遣いで買うた。
それで、イトウと俺は、部品を外して灯油で洗ったり、部品を交換したりしながら、キックスターターを蹴ってたら、マフラーから煙が出てきて、エンジンがかかった。
今思えば、それがあかんだと思う。
エンジンは一回火が入ると、調子ようなり、ようじやマサカズ、キヨヒコも呼んで、皆でお金出しあって、パンクしていたタイヤもきっちりを治して、交代で農道を乗りまわした。
それからは俺らのええ遊び道具になった。
こがんでもアクセルひねれば、スピードが出る。しかも、向かい風も関係なしに、目の前の風景が、後ろへ飛んでく。もう、それだけで、面白かった。
新しい遊びを手に入れた俺らは、夢中になって、なにを思たか、公道に出て、駄菓子屋まで行って、みんなで菓子を食うまでになった。そしたら、ある日、なんでかわからんけど、突然、ポリさんが駐在バイクでやって来た。