「なんだって・・・・。」
澪は、ため息を吐くように呟いた。その者が語る物語、父が語った物語、どちらも、信じがたい事ばかりであった。
「なんだ。虚偽だとでも言いたいのか? だとしたら、何故虚偽だといえる。」
その者は鬼神の能面の中の澪の感情を読み取っていた。その事に、焦りと苛立ちを覚え、ここで話を断ち切り、怒りのままに剣を振るう事も考えた。しかし、戦う理由のない相手に対し刃を向けるは、剣の道ではないと自制を働かせた。
「ほう、少しは成熟しているとみえるな。では、話を続けようか。開発者は自身のコミュニティーに被害が及び始めたという情報をいち早く聞きつけ、ナノマシンに活動無効プログラムを発動させたが、独自に進化を遂げたナノマシンには受け入れられず、開発者の望んだ通り、マシンの痕跡を残すことなく、人類と共に滅んでいったのだ。皮肉なものだろう。敵対する者を滅ぼすために開発した兵器が、自身をも滅ぼす事になったのだからな。」
どちらかに真実はある。それによって、これから、その者と剣を交えるとしても、巨神兵との戦いとは、違う意味合いを持つのではないかと澪は思った。
「ハイテクノロジーを手にしても、自身の感情すらコントロールできない。人類とはじつに愚かなものだろう・・・。だから、君達の祖先は原始からやり直す事を選んだのだよ。だが、歴史はどうだ。同じことを繰り返しているとは思わないか。」
澪には返す言葉がなかった。その者はいったい何が言いたいのかという疑問が頭の中をぐるぐる回っていた。
澪は、ため息を吐くように呟いた。その者が語る物語、父が語った物語、どちらも、信じがたい事ばかりであった。
「なんだ。虚偽だとでも言いたいのか? だとしたら、何故虚偽だといえる。」
その者は鬼神の能面の中の澪の感情を読み取っていた。その事に、焦りと苛立ちを覚え、ここで話を断ち切り、怒りのままに剣を振るう事も考えた。しかし、戦う理由のない相手に対し刃を向けるは、剣の道ではないと自制を働かせた。
「ほう、少しは成熟しているとみえるな。では、話を続けようか。開発者は自身のコミュニティーに被害が及び始めたという情報をいち早く聞きつけ、ナノマシンに活動無効プログラムを発動させたが、独自に進化を遂げたナノマシンには受け入れられず、開発者の望んだ通り、マシンの痕跡を残すことなく、人類と共に滅んでいったのだ。皮肉なものだろう。敵対する者を滅ぼすために開発した兵器が、自身をも滅ぼす事になったのだからな。」
どちらかに真実はある。それによって、これから、その者と剣を交えるとしても、巨神兵との戦いとは、違う意味合いを持つのではないかと澪は思った。
「ハイテクノロジーを手にしても、自身の感情すらコントロールできない。人類とはじつに愚かなものだろう・・・。だから、君達の祖先は原始からやり直す事を選んだのだよ。だが、歴史はどうだ。同じことを繰り返しているとは思わないか。」
澪には返す言葉がなかった。その者はいったい何が言いたいのかという疑問が頭の中をぐるぐる回っていた。