「これで、僕にどうしろと? 」
伊佐木は、黙って神殿に向かうと、柱の上に飾られていた鬼神の能面を外し、澪に渡した。
「これは。」
「能面をつけてみなさい。」
澪は、ためらいながら鬼神の能面をつけると、身体と脳が活性し、鬼神の能面をつけて戦った代々の者たちの壮絶な戦いがダウンロードされるように脳内に入り込んだ。
「父さん。」
「行きなさい。力は解放した。小学生の時、全国制覇をしたであろう。あの後、自信過剰にならぬように意図的に力を封印したのだ。」
試合中に肝心なところで身体が動かなくなる。その理由は理解した。それでも、澪は半信半疑であった。己の技術不足が全てだと思い込んでいたものが、力の封印によるものだと分かったところで、身体は自由に動くようになるものなのかと。
「しかし。」
「疑うな。自身の力を信じろ。そうすれば、鬼神は戦い方を教えてくれ、手にしている盾と矛を自在に操れる。」
その時、戦闘機の轟音が窓や扉を揺らしたが、澪は驚きもしなかった。鬼神の能面をつけた事で、自身の宿命を理解したからだった。
遠くから爆発音が響いてきた。澪は八咫鏡を袖にしまい、草薙剣を右手に握った。
「始まったようだ。さあ、行きなさい。『巨神兵』は、もういるはずだ。」
「わかりました。では」
澪は、立ち上がり、社殿の扉を開けると、晴れ渡った空を見上げ、ふわりと体を浮かせた。
伊佐木は、黙って神殿に向かうと、柱の上に飾られていた鬼神の能面を外し、澪に渡した。
「これは。」
「能面をつけてみなさい。」
澪は、ためらいながら鬼神の能面をつけると、身体と脳が活性し、鬼神の能面をつけて戦った代々の者たちの壮絶な戦いがダウンロードされるように脳内に入り込んだ。
「父さん。」
「行きなさい。力は解放した。小学生の時、全国制覇をしたであろう。あの後、自信過剰にならぬように意図的に力を封印したのだ。」
試合中に肝心なところで身体が動かなくなる。その理由は理解した。それでも、澪は半信半疑であった。己の技術不足が全てだと思い込んでいたものが、力の封印によるものだと分かったところで、身体は自由に動くようになるものなのかと。
「しかし。」
「疑うな。自身の力を信じろ。そうすれば、鬼神は戦い方を教えてくれ、手にしている盾と矛を自在に操れる。」
その時、戦闘機の轟音が窓や扉を揺らしたが、澪は驚きもしなかった。鬼神の能面をつけた事で、自身の宿命を理解したからだった。
遠くから爆発音が響いてきた。澪は八咫鏡を袖にしまい、草薙剣を右手に握った。
「始まったようだ。さあ、行きなさい。『巨神兵』は、もういるはずだ。」
「わかりました。では」
澪は、立ち上がり、社殿の扉を開けると、晴れ渡った空を見上げ、ふわりと体を浮かせた。