田中雄二の「映画の王様」

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『がんばれ!! タブチくん!!』名投手・安田猛

2021-02-21 22:17:57 | 名画と野球のコラボ

 小柄な体格ながら、左のサイドスローから繰り出す変幻自在の投球で、右の松岡弘と共にヤクルトスワローズのエースとして活躍した安田猛が亡くなった。

 新人王、最優秀防御率(2回)を獲得し、王キラーとしてもならした名投手だが、ペンギン投法とも呼ばれたどこかユーモラスな動きのせいもあり、いしいいさいちの漫画『がんばれ!! タブチくん!!』では、デフォルメされて、魔球を操るヤスダとして描かれていた。

 『がんばれ!! タブチくん!!』は、映画も3本作られて楽しませてもらったが、今なら肖像権が問題になるだろうし、何より、果たして本人が笑って許すだろうかと思う。

『がんばれ!! タブチくん!!』(79)(1979.12.7.渋谷スカラ座)

 阪神時代の話を西武での話に置き換えて、なかなか笑わせてくれました。タブチくんの西田敏行、ミヨ子夫人の二木てるみ、ヤスダの青野武、ネモト監督の内海賢二、ヒロオカの羽佐間道夫らの声も面白い。

『がんばれ!! タブチくん!!第2弾 激闘ペナントレース』(80)(1980.9.22.渋谷パレス.併映は『1941』)

 去年見た『がんばれ!! タブチくん!!』の続編。現在、西武ライオンズが快進撃中なので、逆の意味で面白かった。しかし、一作目よりもお遊びが過ぎ、やり過ぎやしつこさを感じたが、プロ野球選手を茶化すというのは、今まであまりなかった発想なので、度を越さない限りは楽しめる。

『がんばれ!! タブチくん!!初笑い第3弾 あゝツッパリ人生』(80)(1981.1.12.丸の内東宝)

 『がんばれ!! タブチくん!!』の第三弾。2作目ですでに行き過ぎを感じていたので、あまり期待は持てなかった。いしいひさいちの原作をいくらか変えてはいるものの、落ちが分かってしまって笑えない。もはや限界か。まあアニメなのだからあまり深く考えることもないのかもしれないが…。

 とは言え、タブチくん、ヤスダをはじめ、ナガシマ、オウ、エガワ、ナカハタ(絶好調は傑作)、フルサワ、コバヤシ、カケフ、キダ、ツツミオーナー、ネモトカントク、ノムラ、そしてヒロオカ…楽しいキャラクターを生み出したことは、評価すべきだろう。

 本物の田淵幸一の離婚騒動の時、「女房が漫画のミヨコ夫人のようだったら…」と言っていたのを思い出す。確かに、陰ながらタブチくんの尻をたたく、ミヨコ夫人はほのぼのとしたキャラクターとして描かれていた。そう言えば、この映画、JAと一緒に見に行くはずだったのだ。彼女、もう見たかなあ。


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