田中雄二の「映画の王様」

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野茂の黄昏、“バンビーノの呪い”

2023-12-17 12:41:05 | 名画と野球のコラボ

野茂の黄昏(2004.9.9.)

 ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄が久々に勝ち投手になったゲームを見たのだが、トルネードと呼ばれた体の捻りもほとんど見られず、往年の彼を知る者にとってはいささか寂しい光景だった。去年はあんなに素晴らしかったのに…。

 実は以前のトレードの時もマイナー落ちした時もそれほど心配はしていなかったし、野茂もまた見事に復活してきた。だが今回はちょっと深刻な気がする。

 恐らく日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった野茂の存在がなければ、今のイチローも松井秀喜もメジャーにはいなかったかもしれないが、人は必ず老いる、そしてスポーツ選手は力が衰えたら引退しなければならないという事実がついに野茂にも忍び寄ってきたということか。

 ただ、伊良部秀輝や佐々木主浩のように日本に戻ってまでプレーをせず、メジャーリーガー野茂として完結してほしいと思うのはファンの勝手なエゴなのか。


“バンビーノの呪い”(2004.10.20.)

 シアトル・マリナーズのイチローが84年ぶりにシーズン最多安打の新記録を達成したと思ったら、今度はボストン・レッドソックスが85年ぶりに“バンビーノの呪い”から解放される可能性が出てきた。

 バンビーノとは、かのベーブ・ルースのこと。つまりレッドソックスは、1919年にルースをニューヨーク・ヤンキースにトレードしてからワールドシリーズを制覇していないので、それがルースの愛称から“バンビーノの呪い”といわれる。

 何度か惜しいところまでは行ったのだが、何故か最後のツメを誤ってしまう。そこがまたかわいい? とファンは思うらしいが、多くのオールドファンは生きている間に優勝を見られなかった。

 今年もリーグチャンピオンシップでいきなりヤンキースに3連敗して、またかと思わせたものの、2試合続けての延長サヨナラ勝ちを含む3連勝でついにタイに。なんだか神がかってきた。いよいよ明日決着。

 でも、この後ワールドシリーズもあるのだから、まさに10月のメジャーリーグはテンコ盛り。


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