『ベッドかざりとほうき』(71)(1990.1.18.)
第二次世界大戦中、イギリスの小さな村に疎開した三兄妹を預かったプライス(アンジェラ・ランズベリー)は、新米の魔女だった。プライスと子どもたちは、イギリスを救う強力な魔法を見つけるために、漫画の動物が支配する不思議な島、ナブンブ島へ向かう。
ディズニーの実写映画の最高傑作『メリー・ポピンズ』(64)を、ちょっとひねって小粒にしたような映画だが、この時期のディズニー映画の舞台はイギリスが多い。それは当時ベトナム戦争の渦中にあったアメリカでは、この手の映画を舞台として受け入れる余裕がなかったからだろうか。
そして、ベトナム戦争の終結後にスピルバーグらによって、こうした映画が違った形で復活し、逆にディズニーの実写映画が衰退していったのだから皮肉なものである。それを立て直すには、スピルバーグを起用するのが得策ではと思ったが、彼は自身でアンブリンを作ってしまった。
ところで、この映画でも、デビッド・トムリンソンがコメディリリーフとして大活躍を見せてくれた。ちょっと「パイプス・オブ・ピース」のミュージックビデオのポールに似ていることに気付いた。最近は見掛けないが元気だろうか。まさかテリー・トーマスのように、知らないうちに亡くなっていたなどという淋しいことはないだろうなあ。
【今の一言】トムリンソンは2000年に83歳で亡くなった。