『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021.12.6.ソニー・ピクチャーズ試写室) *ネタバレあり
『ゴーストバスターズ』(84)と『ゴーストバスターズ2』(89)の続編。今回は、両作の監督アイバン・ライトマンの息子のジェイソン・ライトマンが監督をした。
住む場所を失ったシングルマザーのカリー(キャリー・クーン)と息子のトレバー(フィン・ウルフハード)と娘のフィービー(マッケナ・グレイス)は、亡くなったイゴン・スペングラー博士から相続したオクラホマ州サマービルの荒れ果てた農家に引っ越す。
スペングラー博士(ハロルド・ライミス)はかつてゴーストバスターズの一員だった。彼らがニューヨークでゴーストたちを封じ込めてから30年。ゴーストたちがサマービルに出現する。フィービーと仲間たち(ポール・ラッド、ローガン・キム、 セレステ・オコナー)はゴースト退治を試みるが…。
これまでは父の映画とは一線を画すようなインディーズ系の映画を主に撮ってきたジェイソンが父にすり寄った感じがした。根底にあるのは、家族の絆の再生であり、祖父の秘密を知り、後継者たらんとする主人公のフィービーはジェイソンの分身なのかもしれないと思った。
さらに、オリジナルはもとより、1980年代のテイストが満載。特に、子どもたちの宝探しを描いた『グーニーズ』(85)や怪物が田舎町を荒らす『グレムリン』(84)といったアンブリンの製作映画をほうふつとさせる。ロブ・シモンセンの音楽もジョン・ウィリアムズ風に聴こえる。
ほかにも、『クジョ―』(83)と『チャイルド・プレイ』(88)の引用もあり、ラストは『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(83)を思い起こさせるのだから念が入っている。ジェイソンが子ども時代に見て楽しんだ映画を思い切り入れ込んだ感じがする。
おまけに、オリジナルメンバーの、ビル・マーレー、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、シガーニー・ウィーバー、アニー・ポッツが総登場し、ライミスも意外な形で現れるに至ると、「ずるいぞ」と思いながらも、ほろりとさせられた。
そして、タイトルの「アフターライフ」には、メンバーの中でただ一人亡くなったライミスへの追悼の意が込められていることに気付くのだ。
ただ、これは懐かしさからくる感慨であり、オリジナルを知らない若者たちの目にはどう映るのだろうかと思った。惜しむらくは、ちょっとシリアスになり過ぎて、コメディ味が薄れたところか。
そういえば、メインキャストの4人を全員女性にした女性版の『ゴーストバスターズ』(16)が作られたが、あれはなかったことにしたのかな。
『ゴーストバスターズ』から『ゴーストバスターズ2』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0f18add7c816a94df3cd707926616924
『ゴーストバスターズ』(16)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/31d50ab32823b5545d36a588c729ec82