「本当に隣の芝生は青い」のか…
プランBエンターテインメント製作、マイク・ホワイト監督による、父と子のボストンへの旅を描いたロード&バディムービー。
47歳のブラッド(ベン・スティラー)は、息子(オースティン・エイブレス)の大学見学のため、ボストンを訪れる。中年の危機を迎えているブラッドは、成功した大学時代の友人たちに比べると、自分は負け犬だと思っている。
だが、それを見ているこちらにしてみれば、良き妻、優秀な息子にも恵まれ、十分に幸せなはずなのに、それに気付かないだけじゃないか。「一体何が問題なんだ?」と問い掛けたくなる。挫折したと思っているエリート故の、ぜいたくな悩みだと思えなくもない。上を見れば切りがない。いわゆる「隣の芝生は青い」ということだ。
そんなこの映画は、現実の描写に、主人公ブラッドのモノローグ(心の声)とイマジネーション(勝手な想像)を入れ込み、彼の心の旅を描く風刺コメディーの趣もある。
【付記】マイク・ホワイト監督にインタビューした際、「英語にも同じ意味のことわざがある」と言われた。
「the grass is always greener on the other side of the fence」