道具立ての豪華さだけで…
1942年、仏領カサブランカで共にミッションを遂行したエージェントのマックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティアール)。2人は恋に落ちて結婚し、一人娘を得て英国で幸せな日々を送っていたが、マリアンヌにドイツのスパイ容疑がかかる。
ロバート・ゼメキス監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)や『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)『ザ・ウォーク』(15)など、最新の映像技術を駆使して過去をよみがえらせることを得意とする。本作も、第2次世界大戦を背景に、二大スターの共演で壮大なラブロマンスを展開させた、と言いたいところだが、残念ながら道具立ての豪華さだけで終わってしまった感がある。
それは、何としても妻の疑惑を晴らしたいと考えるマックスの気持ちは分からなくはないのだが、周囲を巻き込んでのあまりにも身勝手な行動に閉口させられ、本当にこれでいいのかという違和感が拭えなくなるからだ。人物設定に失敗したと思うのは俺だけなのか。