『プロ野球通訳奮闘記-涙と笑いの異文化交流』(中島国章)(94.日本放送出版協会)
ヤクルト・スワローズの通訳であるルイジこと中島国章氏による外国人選手に関する裏話集。かの悪名高きジョー・ペヒトーンに始まって、それぞれが魅力的だった、チャーリー・マニエル、デーブ・ヒルトン、レオン・リー、ロベルト・マルカーノ、ボブ・ホーナー、ラリー・パリッシュ、レックス・ハドラー…、そして今のジャック・ハウエル(なぜ彼を首にしたんだ。スワローズに明日はないぞ!)に至るまでのスワローズ歴代の外国人選手たちの興味深い逸話が明かされる。
先に、横浜ベイスターズの牛込惟浩氏が書いた『サムライ野球と助っ人たち-横浜球団スカウトの奮闘記』にも通じる、通訳という役割の大変さ、言葉を訳すだけにとどまらない選手たちとの交流の様子が垣間見れて興味深かった。大げさにいえば、外国人選手たちの活躍の鍵は、彼ら通訳が握っているといっても過言ではないのだ。
『サムライ野球と助っ人たち-横浜球団スカウトの奮闘記』(牛込惟浩)(93.三省堂)
大洋ホエールズから横浜ベイスターズで長く通訳を務めた牛込惟浩氏。通訳の大変さは、先に公開された『ミスター・ベースボール』(92)でも描かれていたが、こうした実際にご本人の声で、というのも、本音の部分が出ていて面白かったし、日米の人物交流ものが好きという自分の嗜好にも合っていた。
マイク・クレスニック(クレス)との不思議な友情、クリート・ボイヤーの素晴らしさ、ジョン・シピンの屈折などがにじみ出てくるあたりに、大洋という恵まれないチームでの牛込氏の奮闘ぶりがうかがえる。
【今の一言】95年に野茂英雄、01年にイチローがメジャーリーグにデビューし、大活躍したことから、日本の野球に対する見方も、これらの本が出た頃からは大きく変わった。そして今は大谷翔平である。来日する外国人選手たちも、昔のようにハナから日本の野球をばかにするような態度は取らなくなった。そして、通訳といえば、今はエンゼルスで大谷の通訳を務める水原一平氏の存在に注目している。
『ミスター・ベースボール』
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