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田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

宮沢賢治の思い出

2023-03-06 08:41:12 | ブックレビュー

小学4年生の時「雪渡り」の劇で、主人公の四郎を演じ、当時好きだった子がかんこを演じた。妙に意識して劇どころではなかった。
小学5年生の教科書に載っていた「気のいい火山弾」が好きだった。
中学校の教科書に載っていた森荘己池による賢治の評伝に興味を持った。
高校時代、『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など、諸作を文庫で読む。
大学時代、当時付き合っていた彼女から『宮沢賢治詩集』をプレゼントされた。

教科書に載っていた小説など 小学校編
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0bb43c3ac0cdbd70ba35ab809bd3d0d9

教科書に載っていた小説など 中学校編
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/795dcc7dc68aad0c8d735c73c481c0b5


 

 初めて務めた会社が築地の朝日新聞の隣のビル内に入っていたので、朝日新聞社が製作したアニメ映画『銀河鉄道の夜』(85)の宣伝をさんざん目にし、割引券をもらって見た。登場人物は全て猫という妙な映画(監督:杉井ギサブロー、原案:ますむらひろし、脚本:別役実、音楽:細野晴臣)だったが、当時のことを思い返すと懐かしい気分になる。


 

 

 井上ひさし作の舞台『イーハトーボの劇列車』(93)を見て、久しぶりに賢治熱が復活。著作を読み直したり、弟の清六の『兄のトランク』を読んだり、ビデオで『風の又三郎』(40)『風の又三郎 ガラスのマント』(89)を見たり、スーパーファミコン用ゲームソフトの『イーハトーヴォ物語』(93)をプレーしたりもした。

『イーハトーボの劇列車』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e3f784f72790f4908cfea3f8629292e

1940年代日本映画ベストテン その1『無法松の一生』『風の又三郎』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f8c5bb49bb177b6baf07ccf7da4f0c14


そして、94年についに花巻を訪れて賢治ゆかりの地を訪ねた。
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/69e3e6613bb427e181d428476024d9a2

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『映画の木洩れ日』(川本三郎)

2023-02-12 00:43:46 | ブックレビュー

 『キネマ旬報』連載の「映画を見ればわかること」の書籍化第6弾。

主な内容は、
音楽が聴こえる:『ウエスト・サイド・ストーリー』ほか
読書する映画:『ブックセラーズ』ほか
言葉、または文学について:『スリー・ビルボード』『砂の器』『マーティン・エデン』ほか
トルーマン・カポーティ:『ティファニーで朝食を』ほか
経済で説明できない幸せについて:『三度目の殺人』『天然コケッコー』『修道士は沈黙する』ほか
スパイものとミステリ:『オペレーション・ミンスミート』ほか
戦争はどこから来るのか:『ダンケルク』『花筐』ほか
ナチスの記憶:『否定と肯定』ほか
写真と報道:『ペンタゴン・ペーパーズ』『新聞記者』『MINAMATA』ほか
美わしき女優たち:『水を抱く女』ほか
シアーシャ・ローナンとシンクロニシティ:『若草物語』『ストーリー・オブ・マイライフ』『アンモナイトの目覚め』ほか
アジア映画が教える
アイデンティティはどこから来るのか:『ブレードランナー2049』『すばらしき世界』ほか
昔の映画が懐かしい:『シェイプ・オブ・ウォーター』『大アマゾンの半魚人』『張込み』ほか
ある映画人の回想、またはその作品について:大林宣彦、村山新治、佐藤忠男、畑暉男
歳を重ねるということ:『ラッキー』『長いお別れ』『ラスト・ムービースター』『ノマドランド』ほか
ドライバーというパートナー:『グリーンブック』『ドライブ・マイ・カー』ほか
家族について:『万引き家族』『アイリッシュマン』『梅切らぬバカ』ほか
やっぱり西部劇:『シェーン』『荒野の誓い』『クライ・マッチョ』

 旧知の畑さんについて書かれているのがうれしかった。

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『地上最強の男-世界ヘビー級チャンピオン列伝-』(百田尚樹)

2023-01-04 09:49:30 | ブックレビュー

 世界ヘビー級の初代王者ジョン・L・サリバンから、黒人初のチャンピオンとなったジャック・ジョンソン、ジャック・デンプシー、ジョー・ルイス、ロッキー・マルシアーノ、モハメド・アリ、ジョー・フレージャー…といった、26人の王者たちの栄光と悲哀、因縁を描く。

 この人の思想的な部分には付いていけないが、ボクシングを題材にしたものは、ファイティング原田を描いた『「黄金のバンタム」を破った男』に続き、今回も面白かった。以下、昔見たジョンソンとルイスを描いたドキュメンタリー映画について。


『史上最強のボクサー ジャック・ジョンソン』(70)(1991.11.19.)

 

 ボクシングを扱った、とても優れたドキュメンタリーが続けて放送された。まずは、黒人として初めてヘビー級のチャンピオンとなったジャック・ジョンソンを描いたもの。

 以前、マーティン・リット監督、ジェームズ・アール・ジョーンズ主演の『ボクサー』(70)(1978.7.31.月曜ロードショー)を見ていたので、ジョンソンについては全くの無知というわけではなかったが、このドキュメンタリーの方が、より鋭く、彼が生きた時代や、彼の生きざまを捉えていた。しかも、よくこんなフィルムが残っていたなあと思うほど、当時の映像が生々しく使われていたことにも驚かされた。

 そして、ジョンソンを追うことで、当時の世相が浮き彫りになってくるところがすごいし、「グレート・ホワイト・ホープ」という『ボクサー』の原題が、実はジョンソンを倒すことを期待された白人挑戦者たちのことだったという皮肉の意味も知ることができた。

 音楽は、先頃亡くなったマイルス・デイビス、ジョンソンの声を代弁するのが名脇役のブロック・ピータース。どちらも黒人である。70年代初頭に吹き荒れたブラックパワーが生んだともいえる、力のこもったドキュメンタリーだった。


「不滅のヘビー級チャンピオン ジョー・ルイス物語」(88)(1991.11.9.)

 続いて、ジョンソン以来の黒人チャンプとなったジョー・ルイスを描いたドキュメンタリー。

 ここでは、ジョンソンとは違った形の“黒人の立場”が浮かび上がってきた。ひたすら白人に反抗することで自己表現をしたジョンソンとは対照的に、ルイスは白人社会と同化することで、ステータスを築いていった。

 だが、徴兵に応じた結果、軍や国に食い物にされてボロボロになっていく。そこに、反抗しようが同化を図ろうが、結局は悲劇につながってしまった彼らの哀れを感じて切なくなってしまった。彼らが行った挑戦が実を結ぶのは、カシアス・クレー=モハメド・アリの登場まで待たなければならなかったのだ。

 この二本のドキュメンタリーが描いたものは、今の黒人全盛のヘビー級戦線からは想像もつかないが、確実に存在した歴史の悲しい断片である。

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『東京人』2022.12.特集「東京映画館クロニクル」

2022-11-07 15:23:42 | ブックレビュー

 『東京人』の最新号は「特集 東京映画館クロニクル なつかしの名画座から令和のミニシアターまで」
自分が、今はなくなった映画館の回顧をし始めた途端に、こんな特集が出るとは、うれしい偶然だ。

https://www.toshishuppan.co.jp/tokyojin

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『東京人』2022.11.特集「鉄道をつくった人びと」開業150年!

2022-10-16 16:48:29 | ブックレビュー

印象に残ったものは、
鉄道の父 井上勝の見た夢(江上剛)
[発掘調査が進行中]高輪築堤は東京の「原初」のかたち
[井上勝と「市民」の対話]高輪築堤につくられた通船口の秘密(広瀬美智子)
など。

 江上は、珍しく井上を主人公にした『クロカネの道をゆく 「鉄道の父」と呼ばれた男』という小説も書いている。これも読んでみる。

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ピーター・ボグダノビッチの本

2022-09-17 22:02:23 | ブックレビュー

 一度整理した本を偶然再入手した。ピーター・ボグダノビッチの『ハリウッド・インプレッション-映画、その日その日。』(高橋千尋訳・91・フィルムアート社)である。これは映画評論家から映画監督になったボグダノビッチの映画に関する文章をまとめたもの。

 ボグダノビッチの著書は、ほかにも『インタビュー ジョン・フォード 全生涯・全作品』(高橋千尋訳・78・九藝出版)、『私のハリウッド交友録 映画スター25人の肖像』(遠山純生訳・08・エスクアイア マガジン ジャパン)がある。

 いずれも興味深い内容なのだが、翻訳に分かりづらいところがあり、文章の流れもよくないのが難点。従って、読むのに時間がかかって骨が折れる。多分、一度整理したのは、その性もあったのだろう。

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『炎環』(永井路子)

2022-08-14 22:29:17 | ブックレビュー

 1979年の大河ドラマ「草燃える」の原作となった永井路子の直木賞受賞作で、頼朝の異母弟・阿野全成を主人公にした「悪禅師」、頼朝の寵臣・梶原景時に焦点を当てた「黒雪賦」、北条政子の妹・保子の半生を描く「いもうと」、頼朝を補佐し、後に2代執権の座に就いた北条義時を主人公とした「覇樹」からなる連作短編集。

 同時代を、異なった4人の人物の視点から描き、どれも読み応えがあるが、とりわけ、頼朝の異母弟・全成の目を通して語られる「悪禅師」、いつもは憎まれ役の梶原景時を気骨のある人物として描いた「黒雪賦」が出色。

 「鎌倉殿の13人」の脚本の三谷幸喜自身が、「草燃える」の影響を口にしているのだから、当然原作となったこの小説も、大きな影響を与えていると思う。

 こちらもドラマに影響されて、また読んでみようかと思っている。


「鎌倉殿の13人」と「草燃える」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d1c36450859482d0466097e0b3b053b3

伊豆長岡「鎌倉殿の13人」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b1079bf8c5c4e478f7db5800506e6f80

【インタビュー】「鎌倉殿の13人」三谷幸喜(前編)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c7da9b5b02ac56987b16cbf63b901204

【インタビュー】「鎌倉殿の13人」三谷幸喜(後編)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/00c5fbc4696195e085877a8224fa89f5

 

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「ウルトラマン」関連本

2022-08-07 23:45:27 | ブックレビュー

『怪獣大図鑑』(朝日ソノラマ・1966.10.1.)

『写真で見る世界シリーズ 怪獣画報』(秋田書店・1966.12.5.)監修・円谷英二

『写真で見る世界シリーズ 図解 怪獣図鑑‐続・怪獣画報‐』(秋田書店・1967.3.1.)大伴昌司

『怪獣解剖図鑑』(朝日ソノラマ・1967.3.10.)

『世界怪物怪獣大全集』(キネマ旬報・1967.5.15.)監修・大伴昌司

『月刊ぼくら』付録『怪獣大百科事典』(講談社・1967.6.)

『別冊少年サンデー 怪獣怪物大特集』(小学館・1967.8.1.)

『写真で見る世界シリーズ『カラー版怪獣ウルトラ図鑑』(秋田書店・1968.5.30.)大伴昌司

 これらは、今でいうメディアミックス。功罪はあるが、怪獣ブームの仕掛け人は紛れもなく大伴昌司だったと思う。このうち『図解 怪獣図鑑』は、浩宮時代の今の天皇が買ったことでも話題になった。それほど、怪獣ブームはすごかったということだ。

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『完全試合-15人の試合と人生』『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』

2022-04-10 23:32:19 | ブックレビュー

 佐々木朗希の完全試合を見て、思い出した本。彼の場合は、運や偶然がほとんど感じられなかったのがすごかった。

『完全試合-15人の試合と人生』(北原 遼三郎)東京書籍
(1994.2.14.)

 完全試合。それはどう達成され、それを行ったピッチャーは、その後の人生をどう生きたか。藤本英雄から槙原寛己まで、全国に取材を敢行したノンフィクション。

 偶然見掛けた新聞記事によってこの本と巡り合ったのだが、少々うがった見方をすれば、去年(94年)の槇原(巨人)の完全試合がなければ、日の目を見なかった企画だったのかもしれない。

 とはいえ、内容的には、槇原以前に完全試合を達成した14人への取材だけでも、十分なものがあった。そこには、完全試合とは、ちょっとした運や偶然の積み重ね、巡り合わせ、人生の綾などが微妙に絡み合って始めて起こる一種の奇跡だということが書かれ、達成者各々のその後の人生に与えた意味にまで迫っていたからだ。

 加えて、この筆者は野球をよく知っていると感じさせるような、試合経過の描写が見事で、それだけでも読み応えがあった。筆者にとっては、地道な取材から出版へとつながるきっかけとなった槇原の完全試合こそが、奇跡の出来事だったといえるのかもしれない。

完全試合を描いた映画『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/22d17e0ac185bc365f650deda217a5ce

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藤子不二雄A『まんが道』

2022-04-08 14:13:58 | ブックレビュー

 『忍者ハットリくん』『怪物くん』『魔太郎がくる!!』『笑ゥせぇるすまん』『プロゴルファー猿』…。藤子不二雄Aのブラックな話とごつごつした感じの画調は、盟友・藤子・F・不二雄のほのぼのとした話と柔らかい画調とは対照的で、よくこの2人が共作をしていたものだと思った。自分は、どちらかと言えば藤子・F派なのだが、不二雄Aの作品で大好きなものが一つある。半自伝漫画として描かれた『まんが道』だ。

 これは、藤子不二雄Aこと安孫子素雄をモデルにした満賀道雄と、藤子・F・不二雄こと藤本弘がモデルの才野茂が富山県高岡市の小学校で出会ってから、上京してトキワ荘で漫画家生活を送るようになるまでの、若き日々を描いたもの。

 この漫画は、もちろん、2人を中心にトキワ荘の住人を描いた青春群像漫画としても面白いのだが、当時2人が見た映画が、紙上で再現されるところが興味深かった。

 『大いなる幻影』(37)『駅馬車』(39)『荒野の決闘』(46)『第三の男』(49)『チャンピオン』(49)『アスファルト・ジャングル』(50)『遊星よりの物体X』(51)『雨に唄えば』(52)『革命児サパタ』(52)『君の名は』(53)『ヴェラクルス』(54)『血槍富士』(55)『OK牧場の決斗』(57)…。

 藤子不二雄はもちろん、手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫…、皆映画が大好きで、パロディ的なものを描いたり、漫画の中に映画的な技法や見せ方を取り入れたりもした。映画が衰退し、漫画が発展する中、「本来は映画監督になるような才能の持ち主が、漫画家になってしまった」と嘆いた映画関係者もいたという。

 後にNHKの銀河テレビ小説でドラマ化された「まんが道」(86・87)も、満賀(竹本孝之)が勤める立山新聞社の虎口部長(蟹江敬三)、先輩の西森光男(イッセー尾形)。トキワ荘仲間の手塚治虫( 江守徹)、寺田ヒロオ(河島英五)、赤塚不二夫(松田洋治)、森安直哉(森川正太)。ケーシー高峰、頭師孝雄、赤塚真人、北村総一朗、高田純次らが演じた出版社の漫画担当の記者たちなど、満賀と才野(長江健次)を取り巻く人々が皆魅力的に描かれ、忘れ難いドラマとなった。長渕剛の曲を竹本がカバーしたテーマ曲『HOLD YOUR LAST CHANCE』も印象深い。この中でも、トキワ荘の住人たちが、見てきた映画を熱く語る場面があったと思う。

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