TAMO2ちんのお気持ち

リベラルもすなるお気持ち表明を、激派のおいらもしてみむとてするなり。

読書メモ:『エクサスケールの衝撃』

2017-01-08 22:36:00 | 読書
 『エクサスケールの衝撃』(齊藤元章著、PHP)

 ベンチャービジネスでスパコンを作り、消費電力の少なさで注目される著者の未来論。はじめは、レイ・カーツワイル氏の書物を紹介し、それを元に著者の未来論を展開する。一言で言うと、それは言葉の本来の意味での共産主義社会に至る道筋である。


 未来学者であるカーツワイル氏によると、テクノロジーを得た人類は、次には「テクノロジーと人類の知性は融合」する段階を迎え、そして次に「宇宙は覚醒する」らしい。何のこっちゃである。最後はともかく「テクノロジーと人類の知性は融合」するのは、数十年先で、それは『特異点』と呼ばれる。カーツワイル氏にしてもそれは明確な定義、あるいは未来像を描けている訳ではないらしい。で。著者はスパコンがエクサスケール(エクサはペタの1000倍)を超える時を「前特異点」と名付け、その衝撃を描く。それは2030年と推測されている。エクサスケールのスパコンが登場するのは、2020年頃と推定される。

 スパコンを用いて何が起きるか。エネルギー、食料の有り余る供給、「お金」の無価値化、不老不死、病気の撲滅、などなどがまず起こる。不老不死については、何か極端な気もしたが、ブルック・グリーンバーグという女性が、一歳から成長しなかったという事実から可能性を見いだしている。なお、著者の本来的職業は医者である。そして、以下が個人的には大事なのだが、貧困、病気などから解放された人々は何に向かうだろうか。著者の言い方を、自分になじみの深い言葉で言い換えると、こうなる。「労働が本源的欲求」となる、と。自分のため、というよりは人のために働く。これを共産主義と言わずして、何というのだろうか。

 そして、現在ペタフロップスを超えたスパコンが、これら平和的目的に用いられるのは、有力国では日本くらいしか見当たらないと著者は言う。というのは、スパコンの力は多くの場合、軍事開発最優先で使われているからだ。よって、日本が世界のスパコンのトップであり続け、民生のためにスパコンを使われ続けるように努力しなくてはならず、そして民生を通じて世界の平和と繁栄のために貢献しなければならない、と著者は言う。なお、この本を紹介してくださったのは、自民党の国会議員である。感謝。

 ただ、一つ懸念するとすれば、過渡期において超管理社会になるはずだが(それはほかで言えばマルクス思想に基づいたとされる社会主義~共産主義社会が超管理社会になったのと類似かもしれない)、ヘゲモニーをどうするか、すなわち民主主義をどうするかという課題があろう。


 単語羅列、メモ:
TSUBAME プロジェクト、ゴードン・ベル賞、牧野淳一郎、国主導のスパコン開発プロジェクトにおける問題点、NECと日立が撤退せざるを得なかった、強力な電池を搭載した電気自動車で自然エネルギーシフト、電気自動車の無料化、熱電池、熱核融合炉、週20時間労働、米の12期作、無菌畜産、都市集中のナンセンス化、土地と建物の無料化、ペイ・フォワード、貨幣概念の変化、実質の極度の累進制、貨幣の伸縮性(個人レベルで)、ビットコイン、イーセリウム、ミヒャエル・エンデのモモの時間泥棒、「お金を使わなくてもよい社会を、新しい「お金というシステム(観念)」として創出する」、BeeCam、大規模な公共投資が必要、たぶんそれは今までにないインフラ整備、大災害(地震、台風、隕石、ガンマ線バースト(GRB)、太陽フレア、巨大火山噴火)への備え、四次元(画像)診断システム、著者が夢で見た未来の診断システム、バーチャル・リアリティとしてのフィオラノ、人工赤血球、早老症とその逆を調べることで不老不死へ、娯楽は享楽から創作へ、そして人の役に立つことへ、発信者へ、新たな価値を創出する、花輪和一的なすべてが融合する世界?、無限に分け与える度量


コメント (1)
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16948km

2017-01-02 20:00:00 | クルマ
16948km、通算燃費17.7km/L

大晦日は紅白を見ながら、ミカンを食べつつ、謎の化学工学計算をエクセルで実施する。
元旦は兄者の家でお節を食べる。伊丹詣はご近所の神社の初詣客に阻まれる。

堺のスーパー銭湯にこの週は何回も行ったので、車の距離は微妙に伸びている。


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