むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『車輪の下』ヘッセ(光文社古典新訳文庫)

2021年07月15日 | 読書
言わずと知れた世界の名作です。
暗い話かと思って敬遠していたのですが、書き出しが面白そうだったので読んでみました。
秀才の少年ハンスは、難しい神学校に2番の成績で入学します。その後、教師と対立し挫折、傷ついた心で故郷に帰り、職人になることを決意します。
それもつかの間、酒を飲んで川に落ちて溺死してしまいます。
最後、死なずに職人になり幸せな人生を送る話なら、挫折しても様々な生き方がある前向きな話になるはずが、挫折すると終わるみたいな話になっています。
なぜ、そうなってしまったかと考えると、ハンスは自分の意思ではなく自動的に回る車輪に載って頂点まで上がったのですが、さらに車輪が回転して落っこちた人だからです。
そして、職人の道に入るときも父の言うことや友の言うことに従っただけでした。
自分の意思で決めたいと思ってもうまくいかないのは神学校で実証されています。
この話は、人のためにではなく、自分で選んだ道を進むのが吉であるということでしょうか。
いろいろな解釈ができる小説だと思いますので、そんな楽しみ方もできます。


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