
『山怪』の続編となります。山怪に入らなかった余ったネタだろうから、パワーが落ちているのではないか? と怪訝な気持ちで読み始めましたが、そんなことはありませんでした。
それどころか、話を引き出す技術が向上していて、不思議なことや怖いことにあったことがないと言う人からも、そういえば……という感じで聞き出しています。そういう話の方がリアリティがあって面白かったりするのです。
また、地域によってはタヌキの仕業だったり、キツネの仕業だったり、四国では狗神だったりするのですが、ただの不思議な話で終わってしまう地方もあり、場所による解釈の違いも指摘されていました。
酒の席での奇譚語りの域がでないですが、テレビが普及していなかった時代の娯楽を感じさせ、山の中で熾火を見つめ暗闇を背にしながら聞いている雰囲気があって、それ自体が神秘と感じる時代になったのだと思いました。
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