
「超新星からブラックホール、重力波まで」がサブタイトル。
わたしが高校生か中学生だった時、宇宙に浮かぶ恒星のほとんどが連星であり、連星は惑星を持たないと教わり、「宇宙人と出合う可能性は限りなくゼロに近い」とガッカリした覚えがありました。
しかし、それから科学が大いに発展して、連星の謎がこれほどまでに解けていたのかと驚かされ、古い知識をアップデートできました。まずは、恒星は7、8割が連星であり、連星にも惑星が存在し、しかも生命が誕生する資質がある星もけっこうあるということ。これで、宇宙人の存在もかなり現実味を帯びた気がします。そして、連星に働く力学もよく理解でき、2連星から3連星、4連星……とつづいている星々の関係も理解できました。
さらに、白色矮星、中性子星、ブラックホールなど、連星の観測により発見され、宇宙の歴史や加速膨張までもそうなのです。遠く離れた宇宙のことを知るには連星の観測無くして語れないのです。
また、鉄より重い物質も、連星無くしては宇宙に誕生せず、宇宙は連星により今の姿になったと言っても過言ではないでしょう。
これからも、連星の観測により新たな事実が解き明かされて行くことでしょう。
この本のすごいところは、そんな難しいことを優しく丁寧に解説してくれるところです。
ある惑星に立ち、二つの太陽を眺める人類の姿も遠い未来の光景なのかもしれません。
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